スティーヴン・ホーキング氏が警告した人類滅亡から殺戮ロボットまで。博士の功績を考える。

スティーヴン・ホーキング氏が警告した人類滅亡から殺戮ロボットまで。博士の功績を考える。

偉大なる研究者ホーキングさん

 

スティーヴン・ホーキング氏がお亡くなりになりました。2018年3月14日没 76歳でした。

 

ホーキング博士といえば、僕が子供のころから「車いすの物理学者」として大変有名でした。ここ数年はテレビで稀にお見掛けすると、合成音声で会話していましたので、もしかしたら記憶にある方も多いのではないでしょうか。

 

イギリスの理論物理学者で、量子宇宙論の分野の発展に大きな貢献をしました。ブラックホールは複数存在するなど、現代では周知となった理論を次々と発表したことで非常に有名です。サイエンスライターとして、一時期はテレビでもよくそのお姿を拝見できました。

 

 

ホーキングさんの功績

 

1960年代に筋萎縮性側索硬化症を発症したとされるので、そのころから様々なことが不自由でありながら、研究に没頭し多くの研究成果を残されました。

 

偉大な研究者としての成果は当然ながら素晴らしいことですが、僕はその「障害に屈せず、前向きに研究に没頭した姿」もまた讃えられるべきことだと思っています。常に前向きに、諦めることなかれというメッセージを発していました。

 

今まさにパラリンピックが開かれています。(記事を書いているのは2018年3月14日)障害を持っている方でも、努力を積み重ねることで五体満足なひと以上に動けてしまう。それを応援することで、皆が「自分ももっと頑張ろう!」と思える。本当に素晴らしいことです。これはパラリンピックの精神でもあると思います。

 

僕はホーキング博士に、それと似た感情をいつも持って応援していました。ホーキング博士を拝見するたびに、「こんなことで悩んでる前に行動しよう!」と前向きな気持ちを思い出していました。僕にとってのホーキング博士はいまでも「前向きなホーキングさん」のままです。

 

人類滅亡論や自立型ロボット禁止といった「文明への警告」

 

60年という歳月の間、宇宙理論の確立に全てを捧げてきたホーキング博士ですが、ここ10数年は現代文明への警告を頻繁に発していました。

 

それは物理学、宇宙理論、地球環境などの様々知識を得て知識と知識が複雑に関連した先に、ある頂きに達した人間が心から発することができる「警鐘」だったのではと、真摯に受け止めるべきではないでしょうか。

 

それでは、ここからはホーキング博士が発表してきた近年の主だった警告についてまとめてみましたのでご覧ください。

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人類滅亡を予言

 

2010年に、人類滅亡まで200年と予想しています。この時既に、宇宙移住計画を強く考えていたとされています。30年で月に基地を、50年で火星に基地を建設できると言っていました。

 

 

テクノロジーは貧富の差を拡大させると警告

 

RedditでAMA(Ask Me Anything)というコーナーに参加し、「現在の急速なテクノロジーの進歩は、貧富の差を拡大させるでしょう。経済的な理由などで、それに乗り遅れた多くの人が、悲惨な生活を余儀なくされる」と警告しています。

 

自律型軍事ロボット禁止へ公開状

 


2015年に、世界各国のテクノロジー関連や数学分野に携わる1,000人以上の知識人が署名を行いました。それが「自律型兵器の開発競争を止める公開状」です。

 

一般的にもよく耳にする著名人では、アップルの共同設立者スティーブ・ウォズニアック氏、イーロン・マスク氏、そしてスティーヴン・ホーキング氏といった名前が連なりました。

 

将来人類は戦争に直接関わることがなくなり、完全自律型のロボットが人間に代わって殺戮を行うことに危機感を感じているという内容でした。(“戦争の輪”と表現されていました)

 

現時点でもうAIでかなりのことが行われている可能性もあるので、今後この公開状がどのような意味を持ってくるかが気になるところです。

 

より詳しい解説は英語版Gizmodo PALEOFUTUREにありましたのでご覧ください。

 

Elon Musk and Stephen Hawking Call for Ban on Autonomous Military Robots
httpss://paleofuture.gizmodo.com/elon-musk-and-stephen-hawking-call-for-ban-on-autonomou-1720383277

※英語版のため原文のままです。

 

太陽系外への探査計画を発表

 


2016年、太陽系に最も近い恒星に超小型の探査機「ナノクラフト」を打ち上げる計画を発表しました。ロシアの実業家ユーリ・ミルナー氏と共同会見を開いています。

 

太陽系には地球外生物はいないという想定で太陽系の外へ探索をするという計画です。地球、人類は滅ぶ前に地球外へ移住しなければならないと
予言していましたので、もちろんリンクして考えられていたのではと思います。

 

より詳しい解説は英語版GIZMODOにありましたのでご覧ください。

 

The Space Tech of Today That Could Power Stephen Hawking’s Interstellar Craft of Tomorrow
httpss://gizmodo.com/the-space-tech-of-today-that-could-power-stephen-hawkin-1770590753

※英語版のため原文のままです。

 

 

硫酸の雨が降る

 

2017年、地球の気温は250度まで上昇し硫酸の雨が降ると警告しました。人類滅亡論を補完するような警告になっています。

Newsweek 7月4日の記事で本件について詳しい記事がありましたのでご覧ください。

 

地球の気温は250度まで上昇し硫酸の雨が降る
httpss://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/250-1.php

 

まとめ

 

警告を発するだけではなく、「どうしたら人類が生き残れるか」を平行して考えていました。考えることがデカすぎて、なかなか庶民には着いていきづらい部分もありますが、ちゃんと警告の理由を知って、人類はどうしていったらいいのかを一人一人が考えることが大事なのではないでしょうか。

 

ある国だけが環境破壊をなんとも思わず経済発展だけをしていたり、世界中で国家が内向きになっているような場合ではないのかもしれませんよね。もう少し地球のことを、改めて考える時が来ているのかもしれません。ホーキング博士という頭脳を失ってしまいましたが、あらゆる国家の知恵を集めれば大きな力になり得ると信じています。

(文責:K)

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