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宇佐美圭司さんの絵画を廃棄?捨てた東大の生協が矛盾のあるお詫びを発表。言い訳がお粗末で情けない。作品への想いが感じられん!

宇佐美圭司さんの絵画を廃棄?捨てた東大の生協が矛盾のあるお詫びを発表。言い訳がお粗末で情けない。作品への想いが感じられん!

宇佐美圭司さんの絵画を廃棄した東大生協

 

出典:www.asahi.com

 

2017年9月、東大 生協(生活協同組合)は、安田講堂の中央食堂の改修に伴い、40年間飾ってあった壁画「きずな」を “処分” しました。

なんとその絵画は著名な画家 宇佐美圭司さんの作品でした。

縦3.8m、幅4.8mという大作で、写真のように非常に目立ち、まるで「壁画」のような存在感を醸し出していました。

とある学生からの絵画への質問があり、その回答から波紋を呼んで、様々な意見、批判がSNSを飛び交いました。

 

 

今回の事件の時系列

 
 
 
2018年5月8日、大学生協から謝罪と説明が行われました。
そこに至る時系列を簡単に作りましたのでお読みください。
 
1976年
大学生協OBから宇佐美さんへ制作を依頼。
「きずな」が完成。
以降40年間以上、中央食堂へ飾られる。
 
2017年9月14日
絵画を処分(廃棄)。
 
2018年3月
中央食堂の完成。
 

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2018年3月15日 
生協ホームページ上の「一言カード」で、絵画の所在についての回答として、「意匠や吸音の壁になることから、移設はできないため、今回処分することにした」という回答。
2017年に処分済みのところをまだ残っているようにあいまいに記載していた。
 
以下の回答はまるで絵画が残されていると誤解させる回答に対する回答です。
先の回答は削除されているようです。
 
 
その後、SNSで拡散され「作品の価値がわかる人と食堂の管理者とのディスコミニュケーションな予感」「とにかく再発防止にこだわっていただきたい」「寄贈という手もあったのでは」といった意見が飛び交いました。
SNSに投稿をしたのは、恐らく東大の相談者か、生協の回答を読んだ誰かということでしょう。

 
2018年5月8日
東大生協から公式にお詫びと経緯報告
その中で、3月15日の「一言カード」での回答も誤っていたことを謝罪
 

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東大生協からの公式のお詫びと経緯報告について

 

 

以下がその全文です。

まずは掲載しておきましょう。

 

2018年05月08日(火) お知らせ

東京大学中央食堂の絵画廃棄処分についてのお詫び

2018年5月8日

関係者各位

東京大学中央食堂の絵画廃棄処分についてのお詫び
東京大学消費生活協同組合
理事長 武川 正吾

このたび私ども生協職員の軽率な判断により、東京大学中央食堂に展示されていた宇佐美圭司氏の絵画「きずな」が永遠に鑑賞のできない状態となりました。このような取り返しのつかない事態を防げなかったことに対して、生協の理事長として責任を痛感し、深く反省し、心よりお詫び申し上げます。まことに申しわけございませんでした。今回の事態に至った経緯については、別に代表理事が詳細に説明しているとおりです(http://www.utcoop.or.jp/news/news_detail_4946.html)。今後は二度とこのようなことが起こらないよう、現在の組織のありかたのどこに問題があり、どう改めたらよいかについて検討し、関係者のみなさまからの信頼回復に努めてまいる所存です。

   
   

2018年5月8日

関係者各位

東京大学中央食堂の絵画廃棄処分についてのお詫びと経緯のご報告
東京大学消費生活協同組合
代表理事・専務理事 増田和也

本件につきまして学内外のさまざまな方から、多くのご批判とお問い合わせをいただいております。私どもの軽率な判断により、宇佐美圭司氏の絵画「きずな」を廃棄処分としてしまい、作品はすでに現存していないことをまずご報告申し上げます。貴重な文化資産である作品を失う事の重大さに思いが至らなかったことを深く反省し、心よりお詫び申し上げます。
以下、このような事態に至った経緯をご説明申し上げます。

「きずな」は1976年に東大生協創立30周年記念事業の一環として、元同生協役職員らで構成した記念事業委員会が、元生協従業員等に募った募金の使途として、高階秀爾先生(東京大学名誉教授・当時文学部教授)のご推薦によって宇佐美氏に制作を依頼し、記念事業委員会から東大生協に寄贈された作品で、以来40年以上にわたって中央食堂の壁面に展示しておりました。

  中央食堂の老朽化に伴い、2018年3月完成をめどに東京大学創立140周年記念事業の一環として、全面改修工事を行うことになりました。そのために設置された中央食堂改修設計連絡会議(構成員は生協・大学施設部等事務方・設計事務所)(※以下「連絡会」と表記)の席上でこの作品の取扱いが検討され、同作品が東大生協の所有物であることが改めて確認されました。連絡会においては、十分な検証を経ることなく、また専門家の意見を聞くこともなく、技術的には絵が固定されていてそのまま取り外せないものであり、周りから切り取っても出入り口を通れる大きさではないという誤った認識が共有され、そのまま残して設計を変更するか、設計を優先させて廃棄するかという二者択一の中で判断しなければならないという流れになりました。その結果、設計と作品保護を両立させる可能性を模索することを怠ったまま、所有権者である生協が軽率な廃棄の判断を下してしまった次第です。同作品の廃棄処分は2017年9月14日に行われました。

また、2018年3月15日に生協ホームページに掲載した「一言カード」では、あの絵画はどうなったのかとのお問い合わせに対して「意匠や吸音の壁になることから、移設はできないため、今回処分することにした」という回答をしてしまいました。この回答は、理由が事実に基づいていないだけでなく、あたかも同作品がこの時点で存在していたかのような誤解を与えるものでもあり、きわめて不適切なものでした。お詫びして撤回させていただきます。

  誤った認識のままに軽率な判断を生協が下した要因と事実経過は以下の通りです。

1)中央食堂の改修工事を監修していただいた先生の「作品を残す方向で検討し、意匠上・機能上も問題のない新たな設置場所を確認した」というご意向が、検討の過程で情報として共有されなかったこと
2)作品を分割して移設・保管するなど、実際には可能であった搬出や保護の方法について検討を怠ったこと
3)宇佐美氏の業績・経歴について多くの連絡会関係者に周知されたにもかかわらず、公共的な空間に設置された作品の芸術的価値や文化的意義について十分な認識を共有しなかったこと
4)作品の所有権が生協にあることで、その取扱いがもっぱら生協の判断に委ねられたこと
5)生協が寄贈を受けた作品の取扱いについて生協の顧問弁護士に検討を依頼した際に、処分を前提とした法的観点からのみの相談になり、公共的な空間に設置された作品の芸術的価値や文化的意義、あるいは著作権者との関係という観点からの検討を依頼しなかったこと
6)東京大学内に、本件の取扱いについて作品保護を前提とした有効な助言を得られる多くの専門家や有識者がいるにもかかわらず、いっさい相談しなかったこと
7)生協理事会でも本件を廃棄処分後の事後報告扱いとし、理事長をはじめとする学生・教職員理事の審議を事前に行う機会を持たなかったこと
8)展示にあたって作品に表題が記されておらず、作品解説も付されていなかったなど、生協が作品への敬意を十分に払っていなかったこと
9)作品が多くの方から愛されている唯一無二の存在であることに、思いが至らなかったこと

ひとえに知識がないがための軽率な判断となってしまったことを、代表理事として、ご意見を賜りました皆様方、制作者の関係者の方々、東京大学関係者の方々ならびに作品に触れる機会を永遠に失ってしまった多くの皆様に深くお詫び申し上げます。

出典:東京大学消費生活協同組合

 
 
長い!
とにかく言い訳の限りを尽くすとこんなにも長くなる!
 
それでは、以下のように要約してみましょう。
気になったポイントは次の項でお話します。
 
 

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「きずな」の現状と廃棄に至る経緯

  • 宇佐美圭司氏の絵画「きずな」を廃棄処分し作品はすでに現存していない
  • 「きずな」が永遠に鑑賞のできない状態となりました
  • 「きずな」は1976年に生協OBから宇佐美圭司さんに制作を依頼、東大生協に寄贈した作品
  • 40年以上中央食堂の壁面に展示されていた
  • 2018年3月完成を目途に中央食堂の全面改修工事を行うことになった
  • 中央食堂改修設計連絡会議(連絡会)で同作品が東大生協の所有物であることが改めて確認
  • 専門家に相談をせず絵画の重要性を認識しなかった
  • 絵は固定されており取り外せない、大きすぎて取り出せないと認識
  • 2017年9月14日に廃棄した

廃棄に至った原因

  • 作品を残すための移設場所を確認したという連絡会に含まれる先生の意向が共有されなかった
  • 作品を分割して移設・保管するなど検討を怠った
  • 宇佐美氏の業績・経歴について多くの連絡会関係者に周知されていた
  • 食堂に設置された作品の芸術的価値や文化的意義について認識しなかった
  • 作品の所有権が生協にあることで生協の判断に委ねられた
  • 扱いを顧問弁護士に検討を依頼したが廃棄に関することのみで残すための検討を依頼しなかった
  • 東京大学内の多くの有識者(美術関係の教授など)へ相談をしなかった
  • 理事長をはじめとする学生・教職員理事で事前の審議を行わなかった
  • 表題や解説が貼付されておらず、生協が作品への敬意を十分に払っていなかった
  • 知識がないがための軽率な判断となってしまった
 
 

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突っ込みどころ満載「言い訳」を読んでいく

 
 
 
美術史に詳しい先生が学内・学外にごまんといたはずですが、相談を怠ったことは認めています。
それなので、いろいろグダグダと書いても仕方ないので、僕が気になった要点だけをスパッと書いていきます。
 
まず経緯についてです。
 

「きずな」が永遠に鑑賞のできない状態となりました

 
 
というのは、あまりにも「他人事」に聞こえますよね。
 
「きずな」が永遠に鑑賞のできない状態としてしまいました
 
 
が正しいように思いますね。
この表現一つでも、「じゃあ誰が責任を取るんだ?」という責任問題にしたくないという腹がよくわかります。
失われた絵画をあまりカネで判断したくはありませんがあえて言いますと、この絵画は300万円ほどの価値があったと言われています。
普通の企業なら、300万円の損失を出したらその責任者なりが何らかの責を負うものでしょう。
いったい誰を守ろうとしているのでしょう。
 
 

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次に原因について。
 
宇佐美氏の業績・経歴について多くの連絡会関係者に周知されていた
食堂に設置された作品の芸術的価値や文化的意義について認識しなかった
 
 
これ、なんだか矛盾していませんか
 
宇佐美氏の業績・経歴は全員が知っていましたが、作品に価値があるとは思いませんでした
 
 
と驚くべきことを言っているように聞こえるのですが、間違っていますか?
普通、制作した画家が非常に重鎮であり、そのひとが描いた作品にはそれなりの価値があると考えるのが「普通の大人の思考回路」だと思います。
 
もしこの文章を矛盾なくするには、「宇佐美氏の業績・経歴について多くの連絡会関係者に周知されていた」 という文言は削除すべきだったのではないでしょうか。
 
そうでなければ、「普通の大人の思考回路」を持っていない方が東大生協を仕切っていると思われてしまいますよ?
もし宇佐美氏の業績=作品の価値が一致していれば、連絡会の全員が「捨てる判断」なんて “絶対に” していないはずだと思うんですが。
 
 
最期の締めくくりで、もう一つ恐るべきことを告白していますよね。
 
知識がないがための軽率な判断となってしまった
 
 
確かに判断は東大ではなく、生協に任されていたため「知識が足りなかった」と言えるかもしれません。
それでも宇佐美氏の業績・経歴について多くの連絡会関係者に周知されていたんですよね?
その判断に知識は要らないですよ。
 
このグダグダな言い訳の文章を、ことの重大さを考えれば東京大学の関係者もチェックするはずです。
いまを持っても開示している東京大学の学識をちょっと疑ってしまいます。
呆れてしまいました。
 
 

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画家 宇佐美圭司さんについて

 
 
出典:慶應義塾大学アート・センター – Keio University
 
 
僕は美術館にもたまに足を運びますし、現代アートにも関心があります。
もちろん宇佐美さんのことも存じていました。
 
ここで少し解説をさせていただきますね。
 
画家・宇佐美圭司さんは現代アートで日本では第一線で活躍されました。
 
抽象画から出発して、後にさまざまなポーズの人形を円環状に繰り返し描く画風を確立しました。
1967年第5回パリ青年ビエンナーレ、1972年、第36回ヴェネツィア・ビエンナーレ参加といった国際的な美術の展覧会に多数出展され、国際的にも知名度の高い画家です。
※ビエンナーレ(biennale)とは一年おきに開催する美術の展覧会のことです。
 
1989年には第22回日本芸術大賞を受賞。
2002年芸術選奨文部科学大臣賞を受賞されています。
 
武蔵野美術大教授、京都市立芸術大教授などを歴任され、2012年10月19日、72歳で死去されました。
 

 

 ここからは、宇佐美圭司さんの作品をいくつか紹介させていただきます。
故人の作品の肖像権を侵害する意図はなく、今回の事件の影響を過小評価・過大評価することなく正しく伝えるためには他の作品もお見せしたいという意図からです。
これ以外にも沢山の素晴らしい作品を残されておりますので、是非美術館へ足を運ばれてはいかがでしょうか。
 
 

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「山々は難破した船に似て No.2」

2001年 油彩、キャンバス/290.9×436.4cm
 
出展:CINRA.NET -シンラ
 
 

「Wave Ring」

1980年 油彩、キャンバス 194.8×270.0cm
 
 
出展:CINRA.NET -シンラ
 
 

「水族館の中の水族館 No.2」

1967年 油彩、キャンバス 185.0×270.0cm 
 
 
 
 
また、「Ghostplan」という非常に似た別バージョンが存在しています。
 
 

出展:シュトゥットガルトのダイムラー・美術コレクション「壁画」

 

シュトゥットガルトのダイムラー・アート・コレクションというところに所蔵されているようです。

経緯はわかりませんが、「Ghostplan」と名付けられたこの作品は、失われた「きずな」ととてもよく似ています。

もし「きずな」と対になる意図があったとしたら、それはまたとてつもない損失ではないでしょうか。

 

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まとめ

 

 

今回のことでSNSではかなり大騒ぎになりましたが、もう冷静になって、発展的な意見もでています。

 

 

例えばこの意見は良いと感じました。

宇佐美圭司さんの作品が好きになるひとが増えるきっかけになったら良いですよね。

 

大切なものを捨てるという行為は、最終手段です。

世の中には「断捨離」「シンプルライフ」という言葉がもてはやされ、カリスマまで現れたりしていますが、本質は

「無駄なものを持たず、大切なものだけを持ち、末永く大事にしましょう」

ということだと思っています。

決して、捨てるだけの行為に崇高な意味を持たせてはいけないのではないでしょうか。

著名な画家の作品ということに加え、大学生協のOBがせっかくプレゼントしてくれて40年間も飾られていた絵画をあっさり捨てるという判断をできたのは何故なのでしょうか。

宇佐美さんが「きずな」とタイトルにした想いはどこへ行ったのでしょうか。

そこには、絵画を単なる「モノ」として見ていた浅はかさがありそうです。

日本には今も沢山の素敵な絵画がありますが、所有がおざなりになっていたりしませんか?

再発をしないように、おのおの帯を締めていただきたいものです。

 

 

宇佐美さんの著書は沢山ありますが、今回の件で書店でも売り切れが続出しているようです。

まだ販売しているサイトを探しましたので、もしよろしければのぞいてみてくださいね。

 

 

 

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