熱海市が100人の聴覚障害者を門前払い。姫の沢自然の家へ宿泊拒否の説明無く小倉健太郎氏は納得できず。森本要副市長の説明は本質からそれている。

熱海市が100人の聴覚障害者を門前払い。姫の沢自然の家へ宿泊拒否の説明無く小倉健太郎氏は納得できず。森本要副市長の説明は本質からそれている。

聴覚障がい者100人の宿泊を拒否

 

 

静岡県聴覚障害者協会が、2018年1月に1泊2日の研修会を企画しました。

約100人の聴覚障害者が宿泊できる施設を探していたそうです。

そこで熱海市運営の「姫の沢自然の家」に問い合わせをし「利用者は聴覚障害者だけ」と伝えると、何の説明もなく門前払いをされたとのことです。

何故?と聴いても「専用施設へどうぞ」というだけだったそうです。

 

事前のお断り

本記事では「障害者」という言葉を使っております。

当初は「障がい者」のようにしておりましたが、訴えている側が「静岡県聴覚障害者協会」という団体名となっているため「障害者」に統一することにいたしました。

 

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施設の状況

 

image:モーニングショー(以下同)

 

「姫の沢自然の家」は築38年という古い宿泊施設です。

老朽化が進み、壁も剥がれ落ちている箇所が目立っていました。

 

 

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部活動での利用が多く、団体客にはスタッフ4~5人で対応をしていました。

宿泊施設から食堂に行くためには階段で4階分を上がって来なければならず、非常にバリアフリーという観点の無い昔ながらの施設です。

 

 

そうした施設は今でも日本全国に多数残されているので、誰しも一度は体験したことはあるのではないでしょうか?

なお2018年9月に閉鎖が決定していました。

 

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森本要 熱海市副市長の説明

 

 

副市長は施設が宿泊を断った理由として以下の点を挙げています。

  • 施設の老朽化が大きい。
  • 施設がバリアフリーではなく移動が困難。
  • 火災発生時に聴覚障がい者に知らせる設備がない。
  • 職員が手話ができない。

 

この点から、施設担当者は大勢の聴覚障害者の受け入れは困難だと判断したそうです。

それ以前に、説明をするという配慮が足らず不快な思いをさせてしまったということについては、きちんと謝罪をしているそうです。

 

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静岡県聴覚障がい者協会の主張

 

 

施設の貸し出しができないという場合、他の民間の施設ではきちんと理由の説明があったようです。

「姫の沢自然の家」ではその説明が一切なく、門前払いでした。

静岡県聴覚障害者協会の小倉健太郎事務局長は語ります。

 

断られたことを怒っているのではなく市を批判する意図もない。
施設の状況などを説明して欲しかった。
歩み寄って欲しかった。

 

協会側はこうした場合にも以下のような対応をする準備はあったそうです。

  • 手話通訳を同行させられた。
  • 火災については、気づいた人が他の部屋のひとを起こしにいけるよう、普段から部屋の鍵を交換して持ちあうという対応をしていた。

 

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事前に確認できた利用規約について

 

image:姫の沢公園公式

 

「姫の沢自然の家」の公式ページにあるご利用の手引きを確認してみました。

 

(1) 利用できる団体
それぞれが野外活動・団体宿泊研修・自然に親しむ活動等の活動プログラムをもち、指導者または責任者が引率する 10名以上の団体であれば、利用できます。
(例)
・学校の林間学校、宿泊学習、自然教室
・幼稚園、保育園のお泊まり保育
・子供会、町内会の活動
・クラブ活動、サークルなどの合宿や研修
・文化活動
・環境活動
・自然体験活動
・企業研修
・指導者研修
その他、社会教育・生涯学習の場としてさまざまな利用ができます。
◎ 参加者名簿(またはそれに代わるもの)の提出ができる団体に限ります。
◎ 営利を目的とした会合や入場料をとる事業、布教活動、政治活動には利用できません。

出典:姫の沢自然の家 ご利用の手引き

 

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これを見る限り、聴覚障害者はお断りしています、という文言は見当たりません。

ただし食事の時間や布団を畳むことなど、決まり事がかなり細かく定められていました。

スタッフ4~5人で対応するということで、これが守れないと困る、という要件は事前に提示されていたものと思います。

しかし、これを守れない場合は宿泊をお断りしますとも記載がありませんし、聴覚障害者などは規則を守れない可能性があるのでお断りします、とも記載されていません。

つまり電話で問い合わせる以前に静岡県聴覚障害者協会で確認できる情報では、宿泊できるかどうかは相談次第だろうと考えたのだろうと思います。

 

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熱海市副市長の説明について感じること

 

 

「施設担当者が大勢の聴覚障害者の受け入れは困難だと判断した」と説明していますが、少数なら受け入れられたということでしょうか?

施設の老朽化が大きい、バリアフリーではなく移動が困難という条件については、あまり関係が無いように思います。

1人でも100人でも、健常者でも聴覚障害者でも同じ条件です。

視覚障害者や歩行困難者ならバリアフリーではないことがより明確な理由になりますが、聴覚障害者にバリアフリーではない(手すりが無い、段差が多い、階段が多いという意味でのバリアフリー)という条件は、どうもピントがずれているような感覚があります。

 

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火災と手話の条件については、協会側が対応できると言っているので、問い合わせ時に説明さえあれば、その提示条件をもって受け入れるかどうかの検討くらいはできたはずです。

つまり、施設の老朽化が大きい、バリアフリーではなく移動が困難という条件が、100人の障害者を受け入れ拒否したことの理由にはなっておらず、問題化したことに対しての説明のための後付け感が強いということです。

そこに問題の本質が全く違うことを如実に表しています。

 

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問題の本質とは?

 

 

静岡県聴覚障がい者協会の小倉健太郎事務局長が語った「歩み寄って欲しい」という言葉の中に、常に健常者に対する障害者という壁にぶち当たっている現状があることを強く感じます。

「健常者」対「健常者」の場合、同じような門前払いの対応をされても、腹は立っても「どうせお役所仕事だから」と諦めることが出来たかもしれません。

というより「諦めるように慣らされてしまっている」のかもしません。

ところが「健常者」対「障害者」の場合、常に辛さや偏見に直面しているひとが同じ「門前払い」の対応をされると、僕たちとは異なって感じられるのだろうと推測します。

 

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「何故?」に対して「専用施設へどうぞ」だけと対応をすると、健常者では考えが及ばないような、“差別” をされたような不快感を感じるだろうと思います。

施設側としてはそんなつもりはなかったと言うでしょうが、相手の気持ちを考えられる対応をできなければ、ボタンの掛け違えからとんでもない誤解を生んでしまうこともあるんです。

もし「100人の聴覚障害者の受け入れは困難だ(厄介事だ)」と感じたのなら、その説明を真摯にすべきでした。

ここに、決定的に「サービスを提供している」という意識の欠如を感じます。

ルールや決まり事だけに従った対応をしていなかったでしょうか?

ルールや決まり事に沿った仕事が必ずしも悪いとは言っていませんが、問題の本質はここにあるような気がしてなりません。

 

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まとめ

 

image:姫沢公園公式

 

熱海市だけを責めることはできないかもしれません。

お役所だからと諦めさせられていた僕たちにも責任はないでしょうか?

お役所だとしても「お金をいただきサービスを提供していること」には民間と何も変わりはありません。

「サービスを提供している」という意識を持ち、お客様ごとの接し方、ファーストコンタクトの仕方をきちんと勉強していただければ、こんなことにはなっていないでしょう。

 

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役所の書類の手続きや市民への説明をルールに沿って行っていく場合は安心感に繋がるため概ね正しいでしょう。

しかし、宿泊施設のような民間とたいして変わらないサービスを行うのなら、それに寄せた体制づくりは必要ではないでしょうか。

そうした向上心を要求し、それができる市長なり、自治体の長を選出するのは、市民の責任です。

税金を使うことに見合った仕事が出来るか否か?

いつもそういう観点で選挙に行っているでしょうか。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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