具志堅幸司の好対応で日本体操協会は救われた!?録音の内容とは?速見佑斗元コーチの謝罪文全文と塚原夫妻のプレスの概要説明。キーマン3者の対応からみる展開。

具志堅幸司の好対応で日本体操協会は救われた!?録音の内容とは?速見佑斗元コーチの謝罪文全文と塚原夫妻のプレスの概要説明。キーマン3者の対応からみる展開。

日本体操協会(具志堅幸司氏)が2度目の記者会見

 

 

2018年8月29日、宮川選手の記者会見と同日の夜に、日本体操協会が記者会見を開かれました。

ぶつけるようなタイミングのため、全否定をすることが危惧されました。

この際には主に山本宜史専務理事が話されていましたが、残念ながら直前の宮川選手の記者会見を加味していない内容となっており、協会サイドの建設的な提案は何も提示されませんでした。

「暴力は排除」を強調するのみの内容でした。

パワハラの延長で速見佑斗元専属コーチが処分されたと宮川選手が主張している点がすっぽり抜け落ちてしまっており、残念ながらこの会見は何も意味を成さない空っぽの記者会見でした。

宮川選手の記者会見で主張を受けてから、日を改めて実施すべきだったのでしょう。

このままでは世論は日本体操協会のパワハラによる処分と思い、取り返しのつかない状況になっていく様相でした。

 

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恐らく、この日の双方の記者会見を観て、これでは今年起こったスポーツ界の「グダグダなパワハラ問題」と同じ結末を迎えてしまうと感じたのでしょう。

2018年8月30日午後3時すぎ、日本体操協会会長の二木英徳氏、副会長の具志堅幸司(61歳)を中心として緊急対策会議を開き、第三者委員会の設置を決めました。

その後、2度目の緊急記者会見を行い報告をしました。

以下に項目に分けて具志堅幸司の発言内容をお伝えします。

 

 

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第三者委員会の設置について

これはパワハラがあったかどうかの調査委員会
体操協会とはまったく関係のない人たちに
集まってもらって調査してもらう
協会にかかわらない
全く無関係な人にお願いしないと
またおかしくなってしまう

塚原副会長のウソだというコメントについて

18歳の少女がウソをつくとは思わない
だからそういうのは
どこまでが本当なのかウソなのかというのを
私の中でこれは本当でしょう
これはウソじゃないかというような
そんなことはやっぱ言えないわけです
ですから(第三者委員会に)委ねないといけないというところがあって
すべては結果待ちということにしたいと思っています

まだ結果がはっきりしていない段階で
つまり第三者委員会の結論が出ていないにもかかわらず
あれは全部ウソだということは
体操関係者として
非常に残念な言葉であると思っています
言うべき言葉ではなかったと思います

全部膿を出して
新しく出発しないと
東京オリンピックというのは
あり得ないだろうと

 

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千恵子氏とはどういう人か

強化をしていくうえでは発言力もあるし
人を教えることに関しては
ずば抜けた才能を持っているコーチ
ただそのことが本当にパワハラに
つながったりということになれば
非常に残念だし遺憾に思います

速見元コーチの処分について

できるだけ早く従来の形に戻ってもらいたい

第三者委員会の想定

・最低人数3人を想定
・10月25日ドーハがあるため、準備を加味して2週間以内に結果を出したい

 

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この緊急会議で対応が良かったと思う点は3点あります。

・緊急会議にはパワハラ加害者とされる塚原夫妻が含まれていないこと

・速やかに第三者委員会での調査を決めたこと

・「できるだけ早く従来の形に戻ってもらいたい」とし速見元コーチの早急な復帰を匂わせたこと

アマチュアボクシング問題では、訴えられている主体である会長を入れて会議を行っており、透明性のある会議が行えているとは到底思えませんでした。

結果、会長と上層部が一蓮托生であることを余計にアピールするかたちになってしまい、ますます世間の疑惑を深めていきました。

日本体操協会は訴えられている塚原夫妻を入れずに決定させることができたようなので、ボクシングよりは遥かにクリアーな意思決定機能を持っていることは伺えました。

 

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もう一つ重視して置きたいことがあります。

具志堅氏と塚原氏は同じ副会長という立場ですので、今回の第三者委員会を立ち上げられたとみる向きもあります。

しかし、具志堅氏は男子の強化を担当しています。

対する塚原氏は女子の強化を担当しています。

体操協会では、種目別、男子・女子と、協会内部でも一枚岩ではなく、権限を別々に持っているようです。

そのため同じ副会長とはいえ、女子で起こっている問題に首を突っ込むというだけでも勇気がいることのようです。

また、どちらも日体大の出身で、具志堅氏は塚原氏の後輩にあたります。

こうした実情から、具志堅氏が塚原氏に今回のような「重大な意見」をするのはタブーだということです。

その中で具志堅氏が前面に立って緊急会議、記者会見を行ったことは、拍手を送りたいです。

ここで権限を持った誰かが動き出さなければ、18歳の女性が70歳の権力者が真っ向から喧嘩を買われる構図となり、業界全体にとって印象の下落を招いたことでしょう。

印象の下落だけならまだしも、有名OGが次々と声を上げ、このままでは現役選手から「もっとヤバいリーク」が出てくる可能性もありえました。

そのリークの真偽をひとつひとつ調べるだけでも途方もない時間がかかり、時間が開くほどに「全選手 対 協会」という収拾のつかない事態に陥る可能性がありました。

もうそうなったら、2年後の東京オリンピックに向けた練習など手に付かず、諦めなければいけなかったでしょう。

危機感をもった役員による、自浄作用が働く組織だったことは一筋の光明ですね。

 

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速見佑斗元専属コーチの対応

 

 

速見佑斗元専属コーチは日本体操協会からに無期限登録抹消という非常に重い処分となっていました。

宮川選手のコーチとしての役割も奪われ、このままでは事実上の業界追放と思われていました。

 

速見佑斗元専属コーチは指導者の地位保全を求め裁判所に仮処分申し立てを行っていました。

審議ポイントはこの2点でした。

 

・懲戒処分通告にいつどんな暴力行為があったか具体的な事実が示されていない
(本来は判断のために記載されていなければいけない)

・無期限という処分が受け入れがたい
(東京オリンピックを目前にしているため)

 

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8月31日午後2時半から仮処分審議が行われる予定となっていましたが、同日、速見コーチが謝罪文を発表し、仮処分申し立てを取り下げました。

以下が謝罪文全文です。

 

参考:情報ライブミヤネ屋より

 

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今回の無期限登録抹消という非常に重い処分を受けるという覚悟を記した内容です。

折しも、日本体操協会の緊急対策会議、第三者委員会の設置を発表した翌日のことです。

宮川選手、速見佑斗元専属コーチ、日本体操協会(具志堅幸司氏)の間で、何らかの約束事が交わされたのかもしれません。

日本体操協会としても、裁判となれば東京オリンピックを前に泥仕合になり体操界の歴史に大きな汚点を残すことになるため、何としても避けたかったはずです。

記者会見でも「できるだけ早く従来の形に戻ってもらいたい」という言葉を発していることから、第三者委員会の調査を待って、早期の現場復帰を匂わせています。

8月29日の日本体操協会の記者会見で述べられた「温情とかそういうのは一切考えていない」という回答のままでは、速見元コーチも仮処分申し立てを進めざるを得なかったでしょうね。

 

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東京オリンピックまで2年間、宮川選手にとって最も重要な時期です。

訴訟をもって処分取消にすると、本当に暴力を反省したのか?というネガティブな世論にさらされていたかもしれません。

結局また宮川選手に暴力を振るうのでは?と。

第三者委員会の設置を決めてくれたタイミングで速見元コーチがいったん引く姿勢を見せたことは、何よりも宮川選手にとって最良であり、賢明な判断だったのかもしれません。

こうやって、徐々に双方がすり合わせをし、歩み寄って解決していくことが、一番ベストな解決方法でしょう。

 

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塚原夫妻の対応

 

 

2018年8月30日の段階で、塚原光男副会長は、宮川選手の記者会見の内容について「ウソが多い」「全部ウソ」と言ってしまいました。

これはマスメディアでもかなり叩かれていましたね。

その後、8月31日にプレスリリースを発表しました。

以下は、要点を抜き出したものです。

 

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1.女子強化本部長 塚原千恵子氏の説明

宮川選手の記者会見では「あのコーチはダメ。だから伸びないの。私は速見より100倍よく教えられる」と私が発言したとのお話があり、私に証言を強要されたとのことでしたが、確かに宮川選手も認めているとおり速見コーチに暴力行為があったため「あのコーチがダメ」とは言いましたが、私が「100倍よく教えられる」とは言っておらず、このような発言をした事実はありません。

(中略)

「五輪に出られなくなるわよ。」という発言については、確かに宮川選手にそのようにお伝えしたのは事実です。しかしながら、この発言は、宮川選手の直近の成績が振るわず、また、宮川選手が足首を怪我していたことを踏まえ、正確には「グラスゴー以来、活躍できていない。だんだん成績が落ちてきているでしょう。そして、このような成績や現状のままだと五輪に出られなくなるわよ。」という内容を伝えたものです。

(中略)

強化本部長である私の言葉ですべてが動いている状況というお話がありましたが、例えば、海外派遣についても、強化本部の推薦で海外派遣に行くメンバーを決めた後、常任理事会で決定・承認を行わなければなりません。また、オリンピックの選考についても、私の一存ですべてがきまるわけではなく、常任理事会で選考基準を毎回ごとに決めた後、選考会の結果をもって選考を行っています。そのため、オリンピックの選考は、私の独断で行われるわけではなく、選考会に出て結果を出せば、必然的にオリンピックに出ることができます。

また、私の「2020に申込みをしないと今後協会としてあなたには協力できなくなるわよ」との発言について、

(中略)

宮川選手は、この当時、2020東京五輪強化選手ではなく、強化選手でないと利用できない支援、例えば女性コーチではない速見コーチでは、指導が難しいゆかの振付等を同強化選手の指導にあたっている女性コーチに行わせるなどの支援を利用できない状態でした。そこで、強化本部長であった私は、上記のような発言をしたのでした。

そして、私が複数のコーチを呼び出し「速見コーチの暴力を見たっていいなさい」と何度も迫ったとありましたが、そのような事実は一切なく、

(中略)

選手も含めてNTC(ナショナルトレーニングセンター)において速見コーチの暴力や暴言を見たという証言は多く、私が決して無理やり言わせたものではありません。

(中略)

最後に、宮川選手の会見では、私は終始高圧的な態度とありましたが、その点については、そのように宮川選手に対して思わせてしまったのであれば、私の態度に問題があったかと考えており、大変申し訳なく思っております。ただ、今後、第三者委員会に提出予定である私たちが保有している宮川選手との録音内容をお聴きいただければ、私が決して高圧的な態度ではないということはお分かりいただけると思っております。

 

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2.体育協会副会長 塚原光男氏の説明

私が「速見コーチが除外されたら困るのは、あなた。いますぐ(コーチとの)関係を切りなさい。」との発言をしたとお話されておりましたが、正直に申し上げて発言内容について正確に覚えていないところもあります。

(中略)

ただ、私は「暴力でしか指導できないコーチとは関係を切りなさい」という趣旨での発言をしたかもしれません。

3.今回の件及び今後について

私たちの言動が宮川選手を傷つける結果になってしまったことは事実であり、選手を監督・指導する立場にありながら、宮川選手の心を傷つけていることに気付くことができなかったことについて、猛省しております。

今後、私たちは、日本体操協会が立ち上げる第三者委員会の調査活動に全面的に協力していきたいと考えております。私たちが保有している証拠もありますので、それにつきましてもすべて提出し、第三者委員会にハラスメントがあったか否かについて、適正にご判断をしていただきたく思っております。

(中略)

なお、今後、私たちの記者会見等については、開催の有無も含め、現在協議中でありますが、詳細が決まり次第、マスコミの皆様に対してご連絡をいたします。

 

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このプレスリリースで、「全部ウソ」と言ったことは間違いだったことは明らかになりました。

感情的に発言してしまったのでしょうが、選手の育成に責任と寛容さを求められる大人の立場で、真っ向から否定するような言い方はすべきではありませんでした。

一応、宮川選手を傷つけたことについて謝罪はしていますが、パワハラをしたことを認めて謝罪はしてはいません。

一問一答で肯定・否定をすることで「私は間違っていない」という気持ちが前面に出てしまっているため、結局は自己保身の内容に終始しているようにみえました。

 

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また、最も驚いたのは、パワハラの加害者とされる側が何故録音をしていたのかということです。

まず意図が不明です。

例えば取材で受け答えをした内容が記者に歪められたことがあり、あらゆる録音をとっておくことにしているなどの理由なら理解できます。

その場合、他にも録音しているはずなので、あわせて提出してもらう必要があります。

しかし、録音をする場合のマナーとして、相手へそのことの許可をとるべきですが、宮川選手は録音していることを全く知らなかったそうです。

そうなると、無断で録音をとる意図とはなんでしょうか。

パワハラの加害者側が持っている録音データにどれだけ証拠としての価値があるのかは微妙です。

切り取り、改ざんがいくらでも可能だからです。

 

こういう状況を想定していた?

訴訟慣れしていた?

 

様々なことが考えられますが、いずれにせよ加害者側の録音にどれだけ有効性があるのかは疑問です。

また、「私たちが保有している証拠」というのも、録音データ以外に何があるのか気になるところです。

 

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まとめ

 

 

これで、日本体操協会、速見元専属コーチ、そして塚原夫妻と、キーマンたちそれぞれの言い分と、状況の進展が確認できましたね。

日本体操協会会長の二木英徳氏、副会長の具志堅幸司(61歳)といった面々が腰をあげてくださったお陰で光明もみました。

全ては第三者委員会の調査に委ねられるということですが、気になるのはパワハラの調査のみにフォーカスされているという点です。

2週間以内に結果を出したいと、かなり無理目な計画になっており、パワハラの調査だけでもおざなりになってしまう可能性があります。

この解明によって、速見元専属コーチの処分がどう変わるのかも、実際のところまだ見えてきていません。

その他にも女子強化本部長 塚原千恵子氏の「暗躍」の部分にどう手を付けるのかも分かりません。

徹底的にウミを出さなければ、というのであれば、暴力排除、パワハラ排除だけではなく、第三者委員会はそこまで手を伸ばすべきですが、どこまでやってくれるのか状況を見定めたいですね。

なおこの「暗躍」の部分については、別の記事で詳しくお伝えしたいと思います。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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