タカタのエアバッグ問題で三菱自動車工業からリコールが提出
タカタのエアバッグ問題、とても怖いと思っています。
米国では死亡事故も起きている、大問題なんです。
僕もホンダに乗っていますので、完全に自分事として考えていますし、皆さんにも確認をしてもらいたいと思っています。
今回、三菱自動車工業から、タカタエアバッグに関し13万台越えのリコールが国土交通省へ提出されました。
今回提出された分は、「アイ」「ランサー」「トライトン」で、製造年月が2003年12月2日~2012年2月20日のものになります。
アイ(i)
ランサー
トライトン
この問題の非常にヤバい点は、事故時のリスク軽減を担保する「最後の切り札」的な装置であるエアバッグが対象であるということです。
安全をうたっている製品ほど、製造には細心の注意が必要だと思いますよね。
それでは、なぜここまで大問題になっていったのでしょうか?
タカタのエアバッグ問題の経緯
タカタ株式会社は、エアバッグや、シートベルト、チャイルドシートなどの自動車用安全部品を製造する企業です。
2014年3月の決算時点で、タカタの売上高の約4割がエアバッグだったというほど、エアバッグ製品への依存が大きい企業でした。
以下はタカタの公式になりますのでご参考ください。
タカタ株式会社
https://www.takata.com/
2008年に米国でインフレーター関連の不具合が相次いで判明し、死亡事故も発生したことから、相次いでリコールが起こるようになりました。
インフレーターというのは、エアバッグをガスで膨らませる装置のことです。
ただ残念なことに、それから数年の間、適切にリコールと情報開示を行わなかったため、タカタへ240億円もの制裁金が課される判決が米国で下りました。
この判決を契機にタカタは本腰を入れて積極的なリコールを始めましたが、時すでに遅し。
ホンダなどの顧客から次々に見放されていき、2017年に経営破綻しました。
ここから、時系列を要点を抑えてまとめてみましたのでご覧ください。
2008年 インフレータの不具合発覚、リコール発生
膨張ガスを発生させるインフレーター関連の不具合が相次いで判明。
米国とマレーシアでは破裂したインフレーターの金属片で死亡事故が発生。
以降、同案件で断続的にリコールが行われるようになる。
2014年11月 リコール台数1,700万台に
リコール対象車の累計は1,700万台に達する。
2015年11月 米国で制裁金決議
米国の国家道路交通安全局(NHTSA)が、タカタのエアバッグの欠陥は「企業の不祥事」と位置づけ、同社が適切なリコールや情報開示を行わなかったため、アメリカ国内で被害を拡大したとして最大2億ドル(約240億円)の民事制裁金を科すと発表。
タカタと自動車メーカーに対して、2019年末までにエアバッグの修理を完了するように命じる。
2015年11月 日本メーカがタカタインフレータの新車非搭載へ
最大顧客のホンダから、タカタの提出データに不適切な報告の形跡があると指摘。
開発中の新型車にタカタ製インフレーターを使わない方針を表明。
後に続いてマツダやスバルもタカタ製インフレーターを使わない方針を表明。
2017年6月26日 タカタの経営破綻
取締役会で民事再生手続開始の申立てを行うことを決議。
負債総額1兆円を超えて製造業としては戦後最大の経営破綻。
2017年7月 タカタの下請会社への不当未払発覚
2017年2月までの約1年間に下請会社64社に対して、本来支払うべき代金から、合計約2億5,000万円を不当に減額していたことが判明。
公正取引委員会はタカタに対し、再発防止を求める勧告した。
2017年7月27日 タカタの上場廃止
上場廃止。
2017年12月8日 未リコール車の車検NG措置
国土交通省から、リコールが未改修車輛を車検で通さないという措置が発表。
2018年1月18日 リコール対象拡大
2013年製造車両まで対象範囲を拡大。
2018年4月 三菱車種拡大
三菱自動車からタカタエアバッグ問題で「アイ」「ランサー」の2車種計13万1228台(2003年12月〜12年2月生産)をリコールすると国土交通省に届け出。
あなたの愛車が対象車種ではありませんか?
確実な対象車種の調べ方をお知らせします。
あなたの愛車は大丈夫?リコール対象車種の調べ方
僕もホンダ車を乗り継いでいたのでリコール発表されたときにはドキッとしましたが、対象車ではありませんでした。
しかし、対象車種はかなり多いので、要注意が必要です。
「まさか、自分は大丈夫!」
という油断が一番大敵ですよ!
調べるのはほんの数分で終わるのですから。
国産の大手メーカは全てが対象です。
その中でも2013年製造まで範囲が広がっています。
それぞれの対象車種の情報は、各社の公式サイトで調べられるようになっています。
外国産車も対象があります。
ただ海外メーカは車台番号検索を備えていないサイトが多いです。
それどころか、ホームページにリコール情報ページさえ設置していないところもあります。
メーカごと、というかお国柄の意識に違いを感じますね。
気になったら購入した代理店に問い合わせるのがいいと思います。
ここからは大・大注意をしたい点をお伝えします。
2017年12月の国土交通省の決定で、リコールを行っていない対象車は次回の車検を通らないことになりました。
リコール漏れを無くすための措置ということです。
そもそも安全が脅かされている状態なので車検云々の前に速やかに改修を行うべきですが、最低でも車検前には確実にリコールによるエアバッグの改修作業を実施しましょう。
ここからは、各社の対象車確認の方法を記したページについてリンクを貼っておきますので、ご参考ください。
これらの情報は国土交通省の公式サイトにも記載されています。
以下にリンクを貼っておきますので、併せて参考にしてください。
国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/recallinfo_002.html
トヨタ、レクサス、NUMMI
ホンダ、ホンダオブアメリカ、ホンダカナダ
https://recallsearch4.honda.co.jp/sqs/r001/R00101.do?fn=link.disp
UDトラックス
※国土交通省のサイトでは「リンク切れ」になっていました。
こちらでリコール対象者の車台番号検索ができるようですので掲載しておきます。
ジャガー
検索ページの掲載無し。
お問い合わせ先:0120-922-772
フェラーリ
検索ページの掲載無し。
お問い合わせ先:0120-688-801
フォード
日本代理店のページしか存在していないので、購入した代理店へ問い合わせてください。
マクラーレン
検索ページの掲載無し。
お問い合わせ先:03-3528-1966(東京)06-6714-7888(大阪)
まとめ
本文でも述べましたが大切なことなので繰り返します。
自分ごととして、ちょっとの時間を惜しまず確認してください。
まずが意識をもって、愛車が対象製造年に含まれていないかを考えてみてください。
おや?もしや?と思ったら、上記のリンク先から検索して、調べてみてください。
リコールによる改修は確かに面倒だし時間もかかりますが、車検も通らなくなりましたので、確実に行って、安全に楽しいドライブを楽しみましょう!
(文責:KTARO)
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