カショギ氏の行方は?
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サウジアラビア人でアメリカ国籍のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が行方不明になっています。
カショギ氏はサウジアラビアの反体制派記者として知られており、トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館を訪れたあとに行方が分からなくなっていることから、殺害されたのではないかとみられています。
カショギ氏が行方不明となる前に、組織された暗殺チームとみられる人物が空港で撮影されていました。
その首謀者がなんとムハンマド皇太子だと報じられ、国際問題となる気配が漂ってきました。
ガソリン価格の高騰など、日常生活えの影響も懸念され始めています。
カショギ氏の身に何が?
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カショギ氏はサウジアラビア人ですが、現在はアメリカ国籍を取得して、アメリカ在住でした。
しかし、今後は現役を退き、婚約者と一緒にトルコで余生を過ごそうとしていたようです。
そのためトルコのサウジアラビア総領事館を訪れていました。
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その後カショギ氏は総領事館か出てくることが無かったようです。
婚約者が待機しており、出てこないことを不審に思い事件が発覚したということのようです。
とはいえカショギ氏が殺害されたというのは、その時点ではさすがに飛躍しているし、警察もにわかに信じなかっただろうと思います。
どうやらカショギ氏は、婚約者のスマートフォンに、カショギ氏のスマートウォッチから音声を転送させていたと言います。
そこでカショギ氏の身に起こったことが分かり、事件として捜査が行われることになりました。
捜索の結果
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2018年10月15日、トルコ当局は現場とされるトルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館をサウジアラビア側と合同で捜索しました。
約9時間にわたる大規模な捜索です。
その後、AP通信は総領事館内で殺害の証拠を発見したと伝えました。
詳しいことは不明ですが、何らかの証拠が見つかったようです。
婚約者が持っていた録音データがあるため、何かがあって殺害されたことは間違いが無いのでしょう。
焦点は、カショギ氏が誰に殺害されたのかということと、それを指示した人物はだれかということに集まっています。
ムハンマド皇太子に容疑がかけられるのか
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空港では実行犯とみられる15人の顔が割れており、公開されています。
トルコメディアでは、殺害に関与したとされる15人が、カショギ氏と同じタイミングで総領事館を訪れており、その後、数百メートル離れた領事公邸に向かっていることまで突き止めています。
これまで関係性のなかった15人全員が同じ行動を取っているとしたら、明らかに怪しいとみるべきでしょう。
トルコ当局は今後、領事公邸や関連車両も捜査する方針です。
では、殺害を指示し、この15人を編成させた首謀者は誰なのでしょうか。
現在、サウジアラビアのムハンマド皇太子がこのチームを編成したのかどうかが焦点となっています。
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アメリカ合衆国やトルコのマスメディアは、カショギ氏から批判されていたムハンマド皇太子が事件に関与していると報道しています。
これまでサウジアラビア側は殺害疑惑を一貫して否定してきました。
カショギ氏は同じ日に総領事館を出たと主張していましたが、その主張を一転させ、カショギ氏が尋問中に誤って死亡したと認める準備を進めていると16日、CNNが伝えています。
録音データや捜索での証拠が出てきているのなら、もはや嘘はつけない情勢とみて、主張を変えてきたのでしょう。
しかしカショギ氏が死亡したことは認めたとしても、どうしても譲れない一線があります。
それはムハンマド皇太子の関与です。
サウジアラビアが最も気を遣っているところは、カショギ氏殺害とムハンマド皇太子を切り離すことです。
ムハンマド皇太子はイスラム国家にありながら現代的な国造りを進める改革派として知られています。
そうした明るい面の一方で、自分に反目するひとを許せない性格で、そうしたひとを逮捕、尋問なども平行して行っているとも言われています。
カショギ氏はそうした裏の顔をよく知っていたからこそ、批判をしてきたのでしょう。
ムハンマド皇太子が編成したとなると、サウジアラビアは国際社会で批判に立たされることは間違いありません。
ムハンマド皇太子が首謀者である証拠は、捜索の証拠物品にはみつからない場合、この15人の容疑者の自供が重要になってくるはずです。
誰を仲介して雇われたのか、その仲介者は誰から依頼を受けたのか、そうしたことを徐々に突き止めると、その先には…?
トルコ地元紙は、カショギ記者殺害の日に空港で撮影された15人は、ムハンマド皇太子が編成したチームで、軍所属が7人いると指摘しています。
以下が公開されている軍所属の7人です。
こうした人選ができるのはムハマンド皇太子しかありえないとみられているようです。
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トルコメディアは以下のように、語気を荒げるかのように伝えています。
陰で糸を引くのは誰か?
ムハンマド皇太子の許可なしに
こんなことは絶対に起こらない
絶対に
決して
間違いなく
アメリカの態度は?
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アメリカ合衆国もできれば穏便に済ませたいはずです。
サウジアラビアはアメリカ合衆国にとって最大の武器輸出国、金のなる木です。
そう簡単に制裁など行えるはずはありません。
トランプ大統領に派遣されてサウジアラビア入りしていたポンペオ国務長官は、ムハンマド皇太子と会談し疑惑への懸念を伝えていますが、政治的に解決したい意図が見え隠れしています。
トランプ氏も、ムハンマド皇太子と電話会談したとツイッターで明かし、皇太子は完全否定していると語っています。
また捜査の結果については「間もなく出るだろう」との見通しを示しました。
人が一人殺害されていても、何かしらの容疑で尋問を受け、偶然死んだという「理由」さえあれば、アメリカ合衆国としてはありがたいのでしょう。
例え真実が闇に葬られたとしても。
まとめ
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こうした事件が起こると、サウジアラビアにある海外企業も社員の身を案じて撤退させることを検討せざるを得なくなるかもしれません。
またサウジアラビアが孤立化すれば、原油価格もさらに高騰することが懸念されます。
この事件、安易にマスメディアの情報だけで受け取ってはいけないかもしれません。
一方的に情報が出てくるトルコ側の思惑、ムハンマド皇太子を貶めたい誰かの思惑、アメリカとサウジアラビアの関係を裂きたい誰かの思惑。
深いところにそうした陰謀がある可能性も否定できないため、国際社会も企業サイドも少し冷静に様子を伺う必要があろうかと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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