台風24号がもたらした塩害の発生原因は?被害は停電だけではない。果樹や野菜、鉄道や中古車への被害が深刻。事前に察知する方法がある?

台風24号がもたらした塩害の発生原因は?被害は停電だけではない。果樹や野菜、鉄道や中古車への被害が深刻。事前に察知する方法がある?

台風24号がもたらした塩害

 

image:グッド!モーニングより

 

2018年9月末から10月頭にかけて日本列島に上陸した台風24号。

大きな被害をもたらしました。

幸いだったことは豪雨被害が少なかったことですが、その代わりに強風による被害が相次ぎました。

台風24号は豪雨を伴わない「風台風」でした。

街路樹が倒されたり、看板が飛ばされ民家に直撃するといった事件がありました。

そうした直接的な被害とは別に、台風が去ったあと、ホッと一息ついたころにジワジワと被害を拡大させた「塩害」が脅威をもたらしました。

 

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塩害が起こる原因とは?

 

日本列島に上陸した台風により、海水を含んだ風が遠くまで運ばれ、様々な被害をもたらします。

これを「塩害」といいます。

塩害によって、機械や植物に悪影響をもたらします。

塩害が起こる原因について簡単ですが説明します。

 

まず、台風の特性があります。

台風は「反時計回り」に回転をしながら進行していきます。

 

image:グッド!モーニングより

 

そのため、進行方向と同じ向きの右半分の勢力が強く、左半分の勢力が弱まる特性があります。

この右半分が太平洋の海水をたっぷりと含んだ状態で吹き付けることになります。

そのため、たいていは台風の進路が「日本海寄り」の場合はさほどの影響を受けず、「太平洋寄り」の場合は影響が大きいことになります。

 

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またその特性に台風の強さが絡み合います。

台風の勢力が強ければ強いほど、海から内陸までの影響範囲が広くなるため、風に海水を含みやすくなります。

勢力の強い右半分が大きく太平洋にはみ出し、かつ勢力そのものが強い台風だと、大量の海水を含んだ強風が太平洋岸の地域に強烈に吹き付けることになります。

台風24号で大きな塩害の被害が起こったのは、この条件に合致したことが考えられます。

それでは、塩害が生活にどういった影響を与えるのかを次項から説明していきます。

 

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電柱への影響

 

image:グッド!モーニングより

 

画像は千葉市で撮影された、燃えている電柱です。

電線から火花がばちばちと零れ落ちるように燃えています。

台風24号の通過後、こうした事象が多発しました。

千葉市では10月2日から3日だけで、消防の出動は54件に達したといいます。

千葉県御宿町では一時約1700軒が停電となりました。

 

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茨城や神奈川の沿岸部でも同様の通報が相次ぎました。

以下の画像は横浜市栄区で撮影された、燃える電柱です。

 

image:グッド!モーニングより

 

いずれも台風24号による塩害が原因とみられています。

 

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塩害で電柱が発火する原因を説明します。

以下の画像のように、海から吹き付ける暴風で電柱の変圧器などに塩分を付着させます。

(左側の機器の隙間にある白い粒が塩です)

 

image:グッド!モーニングより

 

この塩によってショートを起こし発火を起こします。

 

image:グッド!モーニングより

 

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鉄道への影響

 

電柱への影響と同様に、鉄道の架線にも影響が起こります。

台風24号でもいくつかの鉄道で塩害の影響で運行取りやめになったようですが、最も酷い影響を受けたのは京成電鉄でした。

 

5日朝、千葉県などにある京成線の送電設備3カ所から火花が出ているのが見つかり、京成電鉄は午前9時32分から京成上野―成田空港間など全線で運転を取りやめた。台風24号による強風で海水の塩分が電気設備に付着する「塩害」でショートした可能性もあるとみて、原因を調査している。

出典:朝日新聞DIGITAL

 

京成線は千葉から都内までを繋ぐ私鉄として郊外から多くの乗客を運んでいます。

この路線が全線運転取りやめとなり、JRへの乗り継ぎなどで大混乱をきたしました。

京成の運転取りやめは路線ごとに徐々に再開していきましたが、一部路線は終電まで継続されました。

その後夜を徹した作業により、6日からは全線で運転再開できたようです。

 

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住宅への影響

 

image:グッド!モーニングより

 

窓はざらざらとした砂のようなものがびっしりとこびりついていました。

手で触ってよく見てみると、白っぽく、キラキラと光るものがあります。

これが、海から運ばれてきた海水の塩分です。

すべての窓を洗浄するのが手っ取り早いですが、窓の数が多いとなかなか困難を極めそうです。

また、近々に次の台風が来る予報がある場合は台無しになってしまう可能性があることも考えておく必要がありそうです。

 

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自動車への影響

 

屋外に駐車している自動車も住宅と同様、車体全体がざらざらになってしまいます。

特に注意したいのはフロントガラスです。

塩がまくを張ったようにこびり付いていると、夜間に対向車のライトが乱反射して前方が見えづらくなるようです。

これは僕も実際に経験しました。

無理に運転をすれば事故に繋がります。

台風の後に塩害があったら、速やかに自動車のガラスを全て綺麗に拭き取ることをお勧めします。

 

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中古車への影響

 

image:グッド!モーニングより

 

中古車への影響は通常の自動車よりも早く出てくると言います。

古いアメ車には今でも熱烈な愛好家もおりますので、一定の人気があります。

しかし、そうした「極めて古い希少価値のある自動車」ほど、車体のメッキが今の新しいメッキと違って弱くなってきており、そこに塩水を浴びるとあっという間に錆びてしまうようです。

 

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フロントグリルが塩害の影響で錆びついてしまっています。

 

image:グッド!モーニングより

 

ホイールも塩がこびりつき、錆びついていることが分かります。

 

image:グッド!モーニングより

 

中古車のディーラーは屋外に据え置きで販売をする場合がほとんどですので、古い中古車を扱っている業者さんは頭を痛めているそうです。

 

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農作物への影響

 

image:グッド!モーニングより

 

画像は梨農園の果樹の葉です。

黒く変色している状態です。

酷いものでは以下のように真っ黒になってしまいます。

 

image:グッド!モーニングより

 

台風ですので、果樹園が全体的にやられてしまいます。

もし梨の生育中にやられれば梨の果樹の育成に致命的なダメージとなってしまいます。

梨の収穫が終わった後の場合でも、翌年の収穫への影響が懸念されます。

梨は収穫後に、葉で光合成して梨の木に養分を貯蔵し、11月下旬に落葉するそうです。

葉が黒く変色してしまうとこの光合成が終わってしまうため、十分に木へ養分が溜め込めなくなってしまいます。

その為、翌年の梨の生育がどうなるかは読めなくなるそうです。

他の農作物も漏れなく、こうした塩害の影響を受けているでしょう。

 

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まとめ

 

ここで挙げた塩害の例は一部です。

他にも様々な塩害がありますが、生活に密着したものをご紹介しました。

なかなか台風24号がもたらしたほどの塩害はなさそうですが、今後も台風の強さ、風台風、進路といった要素を加味して、前もって塩害の可能性を知ることは出来そうです。

この記事が少しでもお役に立てはと思います。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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