傘とカバンを持つネズミの絵
image:プライムニュースイブニングより
日本であの神出鬼没のアーティスト・バンクシー(banksy)の絵画が発見されたと話題になっています。
上の画像です。
場所は港区の日の出駅前。
都が所有する防潮堤の一角です。
2018年の末に都民から情報が入り東京都が絵の存在を確認したそうです。
これまでも世界各地でネズミをモチーフにした絵を描いてきているため、これもバンクシーでは?
と気が付いたということのようです。
小池百合子都知事が1月17日にツイッターで投稿していました。
あのバンクシーの作品かもしれないカワイイねずみの絵が都内にありました! 東京への贈り物かも? カバンを持っているようです。 pic.twitter.com/aPBVAq3GG3
— 小池百合子 (@ecoyuri) 2019年1月17日
以下は2018年6月にバンクシーのインスタで公開された、パリのエッフェル塔の近くの壁に描かれたネズミの絵です。
こちらも傘をさしており、絵柄が似通っていることがわかります。
image:プライムニュースイブニングより
これが本当にバンクシー本人のものだとすれば日本で初めての発見だということです。
いったいいくらくらいの価値があるのでしょうね。
本物なの?
image:プライムニュースイブニングより
専門家はほぼ本物だろうと言っているそうです。
その根拠のひとつとして、バンクシーの作品集に非常に似たネズミの絵(上の画像)が掲載されていることが挙げられています。
画集の絵もどこかの壁に描かれたもののようなので、同じ絵柄の別バージョンなのかもしれませんね。
しかしこれだけだと、その画集のネズミに似せて誰かが悪戯で描いた可能性も否定できませんが、今後どうやって特定していくのか楽しみです。
いつ描いたの?
image:プライムニュースイブニングより
バンクシーが2000年代初頭に極秘で来日していたという噂があるそうです。
それも噂に過ぎませんが、もし本当なら、なんと18年もの間誰にも気づかれずにひっそりとそこに佇んでいたということになります。
まだバンクシーが今ほど有名になっていなかったでしょうから、気づくはずもありませんよね。
だから噂としか言えないのでしょうけど。
この噂には一応の理由があります。
まず、バンクシーはネズミの存在を自分に投影して世界中に描いていると言われています。
自分に投影…
ミニバンクシーを世界中に置いてきている、みたいなイメージかな?
また、当時再開発が進められていた臨海地区には、バンクシーの活動テーマがマッチしているという点です。
バンクシーの活動テーマは、都市の中で忘れ去られているひと、嫌われているひと、記憶から失われていくひとのことを描くことで目に見えるようにするというものがあるそうです。
再開発の影で元々そこの住人だったネズミたちが消されていく姿を描いているというわけですね。
まさかの場所に描くことで18年もの間誰にも気づかれずにそこにい続けたネズミ。
まさにバンクシーの思惑通りの結果になったと言ってもよいのではないでしょうか?
都が取り外して保護したのは間違い?
image:プライムニュースイブニングより
上の画像はバンクシーが2005年にイスラエルで描いた「風船と少女」です。
危険を顧みず、社会支援のためにこの絵を描き続けています。
下の黒いひとがバンクシーらしいのですが、白昼堂々と描いていても警察が飛んできて止めようとはしません。
ストリートアートという「表現」に対しての理解があることが分かります。
都はバンクシーの絵の可能性があるネズミの絵を取り外して保護したようです。
ストリートアートだからそのままにすべきだったという意見もありますが、放置すれば心無いひとに汚されたり、何らかの方法で持ち去られる可能性が高いと判断したからでしょう。
日本人は芸術を理解するから、そんなことをしませんか?
残念ながら日本での「ストリートアート」というものは、渋谷の「落書き」など決して良い印象で報道されておらず、残念ながらまだまだ芸術として認知できるほど成熟していませんよね。
尊敬の念という点においては、欧米と比べるべくもありません。
もちろんしっかりとしたアートを描いているものもありますが、自治体が保護するかというと「?」ですね。
放置すれば、上からの落書きや、金銭の対象としか見ない浅はかにひとに台無しにされる可能性のほうが高いような気がいたします。
初めは撤去されたことでバンクシーのゲリラ的なアートの価値が下がるように感じましたが、よくよく意味を考えてみるとこれがバンクシーの思惑、筋書きのような気もしました。
18年経って気づいた「過去を捨ててきた今の社会の人間たち」への、過去から静かな警鐘。
取り外すうんぬんが大事なのではなく、時間が経ったある日、誰かが発見することに意味があったと考えても良いのではないでしょうか。
まとめ
image:プライムニュースイブニングより
真贋は定かではありませんが、本物なら今後、都が一般公開する場を作ってくれることでしょう。
その場所にあったものを観られないのは残念ですが、まずは真贋が分かる日を待ちましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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