中国で大っぴらに全部贋作の展覧会!?
image:FNN PRIME
中国で草間彌生さんと村上隆さんの偽モノ共同作品展が開催されていました。
全部贋作という驚異的な展覧会です。
中国紙では「MO2art」というキュレーター(美術館や博物館などで、展示する作品の企画から運用まで全般を請け負う仕事、会社)のシワザではと疑われているそうです。
安倍晋三首相が北京で開催される首脳会談に行っていますが、中国はその報道でも世界第2位の経済大国だと胸を張りました。
世界第2位と第3位が手を取り合いましょうと。
日本を下にみるような発言をする前に、早く人民の権利意識をなんとかしていただきたいものです。
日本でも人気の草間彌生さん
image:FNN PRIME
草間彌生さんの作品といえば、かぼちゃモチーフや、水玉のデザインで有名ですよね。
普段ご存知なくても、「GINZA SIX」という百貨店で展示されたアート作品で初めて目の当たりにしたり、テレビで紹介された際にみたという方は多かったのではないでしょうか。
以下が「GINZA SIX」がオープン時から展示していた「本物」のアート作品です。
image:美術手帖
中国では草間彌生さん、村上隆さんの作品がとても人気があるようです。
その人気に便乗して、中国でとんでもないことが大っぴらに行われていました。
なんと草間彌生さんと村上隆さんの共同作品展とうたい、勝手に展覧会を開催していました。
しかもその作品は全てがニセ物…。
またなのかい
相変わらずなのかい
中国…
溜息とともに、こんな言葉のひとつも言いたくなります。
どれも偽モノだらけ!
image:香港01
この真っ赤な背景に白水玉。
確かに草間彌生さんの代表的な作品のようです。
しかしながら、完全なる贋作、偽モノ!
まさに真っ赤な大ウソです。
しかし、観覧に来ているお客さんは誰も疑問に思わず楽しんでいるようですね。
草間ワールドを代表する、かぼちゃモチーフのアート作品も贋作です。
image:香港01
絵画もすべて偽モノです。
image:FNN PRIME
ご丁寧に、草間さんの偽モノのサインまで!
image:FNN PRIME
赤地に白い水玉模様も草間ワールドの代表的なデザインですが、見事なまでに偽モノです。
ただの張り子です!
image:FNN PRIME
白地に水玉模様のアートも、本物はオーストラリアの美術館が所有しているものです。
image:香港01
ちなみに下の画像が、オーストラリアの美術館で所蔵している本物です。
こうして上下を見比べてみると、明らかにカラフルなドットが偽モノはすき間だらけで物凄く作りが適当なのが分かりますよね。
期せずしてですが、本物の鮮やかさ、美しさが際立ちます。
image:FNN PRIME
こうしたデパートなどで開催しているようで、大々的に垂れ幕までだして宣伝しています。
「草間彌生 & 村上隆」とはっきりと書かれていますね。
どうも開催施設は極めて本気で取り組んでいるように見えるのですが…。
image:香港01
image:香港01
image:香港01
なぜ発覚したのか?
image:自由時報
上の画像は展覧会のポスターですね。
各地で開催しているので、この場所での開催期間は「9月19~11月8日」となっています。
また以下の画像は別の会場のポスターのようですが、村上隆さんの作品(の偽モノ?)を押し出していますね。
この場所での開催期間は「9月22日~10月21日」となっています。
image:自由時報
こちらがチケットですね。
image:FNN PRIME
草間彌生さんの代理人弁護士である小野寺良文さんによると、贋作展覧会の存在は2018年4月以降に確認したということです。
深セン、広州、武漢、上海など5か所で開催しているそうです。
この展覧会の存在が明るみになったのは、中国の美術関係者から草間彌生さんの財団に情報提供があったためのようです。
「恐らく偽物ですが大丈夫ですか?」という問い合わせだったそうです。
習近平政権になってから著作権違反にも厳しく対応しているため、美術関係者はさすがにマズイだろうと告発してくださったのでしょう。
としても、この展覧会はもっと以前から開催されてきたものらしいので、告発されなければ堂々と大っぴらに開催し続けてしまっていたはずです。
これまでの経験上、何か言われたらさらりと「尊敬を込めてだよ」とでも言い訳しそうな気もします。
なお、FNNの取材で主催者に電話したところ、コールはしますが電話には出なかったようです。
草間さん、村上さんサイドの対応は?
image:FNN PRIME
これだけ偽モノばかりだと、さすがにおかしいと思うひとがいるのでは?
とも思います。
草間彌生さんの代理人である小野寺良文さんは、自ら現地で視察をされたそうです。
専門家なら簡単に贋作と分かるレベルだそうですが、素人目には本物と思ってしまうだろうとのこと。
集客でのチケット収入が主たるビジネスの目的だろうと思いますが、もしかしたら絵画などは欲しいという希望があればこっそり販売までしてしまっているのかもしれませんね。
草間さん本人も非常に残念に思ってり、一刻も早く中止していただきたいと願っておられるとのことです。
弁護士側から展覧会の中止を要求したところ、会場側は中止に同意しているそうです。
村上さん側の弁護士も同様に対応を要求しているようです。
会場となった百貨店やデパートといった場所は、もしかすると主催者に本物だと騙されたという立場なのかもしれませんね。
主催者が特定でき次第、刑事・民事両面で法的措置を進めていく方針ということです。
中国紙の「自由時報」10月25日版では、主催者はMO2artという会社が疑われているとしています。
疑為一家名為「微充氧藝術」(MO2art)的公司,地址設於廣州市海珠區
(偽の展覧会を開催した疑いのあるキュレーターは、広州市Haizhu地区にあるMO2artという会社であると疑われている)
出典:自由時報
まとめ
image:テレビ東京
こんな偽ディズニーランドがあったことは記憶に新しいんですが…
中国の肖像権や著作権に対する意識の欠如は辟易するものがあります。
今回の展覧会もあまりの堂々っぷりに呆れて開いた口がふさがりませんでした。
中国の方々が皆そうだとは思いません。
もちろんしっかりとした権利意識を持たれている方が多いことでしょう。
しかしいまだにザル過ぎる権利意識がはびこっていることがはっきりしました。
経済と権利は切っても切れない関係なのですから、世界第2位の経済大国だと胸を張るのであれば、いい加減にこのザルな権利意識を根絶していただきたいものです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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