KENZOのデザイン詐欺騒動
image:モーニングショーより
2018年7月、あのKENZOの創始者である高田賢三氏(79)が、韓国の会社から訴えられるという事件が起こりました。
訴えているのはムン・ジヨン氏。
なんとその容疑は詐欺。
今も訴訟中のようですが、この訴えに対して高田氏は反論しています。
いったい何があったのでしょうか?
韓国ムン氏側の主張
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賢三は罰を受けるべきだ
そう主張するのは販売会社代表のムン・ジヨン氏。
ムン・ジヨン氏は2010年に陶磁器のデザインを高田氏に依頼します。
高田氏とは当初、このように一緒に写真に納まって笑顔をみせるほど、契約は順調だったようです。
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ところが完成した陶磁器のイラストに対して、ムン・ジヨン氏は怒りを露わにしています。
これは賢三の絵ではない
なぜお金を要求する?
人のものをコピーしただけだ
この花の絵ですが、実は高田氏が谷上廣南の作品をモチーフにしたものでした。
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谷上廣南は明治から大正にかけて活躍した画家です。
ムン・ジヨン氏はそれを「ただのパクりじゃないか」と主張しているわけです。
賢三の名誉を踏みつぶすべきだ
デザインは1回しかもらえず
2年目、3年目はなかった
踏みつぶすべきだ、という表現がなかなか日本人には馴染めないいやらしさを感じずにはおられませんが、いずれにせよパクリのデザインを「掴まされた」というスタンスなのでしょう。
この詐欺立件のもうひとつの核になるのが契約の問題です。
2010年から3年間、毎年3つ提供するよう契約を結んでいたはずが、高田氏から2年目以降のデザインをもらえていないことに腹を立てているというわけです。
既に契約金約1800万円は支払い済ということです。
その金額の中でデザインをするよう契約し、高田氏が勝手に破棄したとしたら、それは高田氏の契約違反ということになりますが…
どうも高田氏の主張をきくと、事態はそういうことでは無かったことが分かってきました。
高田氏の主張
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谷上廣南さんからのインスピレーションをもらって
お皿とかそういうものに
配置して新しいものを創ります
こうしたことは珍しいことではない
過去に作ったデザインでもそうしたインスピレーションは行ってきたといいます。
それでもこれまで誰からも指摘を受けなかったし、世界的に認められるまでになっていることが、今回のムン・ジヨン氏の主張は正当ではないという根拠です。
高田氏のデザインと谷上廣南の作品を見比べると、完コピとまではいかなくても、酷似しているようにはみえます。
上が谷上廣南、下が高田氏のデザイン画です。
見比べてみて下さい。
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高田氏はこれをデザインであるとし、コピーとは認めていません。
商品にどのように配置するかで、その絵柄が「デザイン」に変わるということを、高田氏は仰っているんですね。
また高田氏がムン・ジヨン氏に対してさらに怒っているのは権利関係です。
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ムンさん勝手に著作権とか
どんどん知らない間に進んでいるんです
僕はどうしても(一緒に)やれないなと
以下は韓国の特許庁に掲載されている商標です。
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この商標の上部にこのように明記されています。
REVE Design by Kenzo Takada
これは高田氏の許可を得ていません。
ムン氏は初めから「Takada Kenzo」か「Kenzo Takada」でやりたいと主張していたといい、高田氏はそれを断ったといいます。
実はKENZOというブランドは、1993年にルイ・ヴィトンに買収されており、高田氏はもう関わっていません。
当然、KENZOというブランドで自ら商売をすることは許されません。
そのため初めからその名称を冠することは断ったということです。
契約書にもちゃんと
(Kenzoの名を)
使わないと明示しています
そのように高田氏は話します。
契約されていることをムン・ジヨン氏が勝手に破っているとしたら、それは完全にムン・ジヨン氏の契約違反ですね。
またそのKenzoの名前をかたり、化粧品まで勝手に作っていたことも判明しています。
image:モーニングショーより
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以下のパンフレットをみると、高田氏の写真まで勝手に使っていることが分かります。
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契約では陶磁器のデザインとなっているはずなので、これも契約違反になりそうです。
ほんとに馬鹿にされているような感じ
僕の方もすごく怒りを感じました
勝手放題やってますから
ムンさんを信じるとか
全くなくなりました
この点で少し気になるのは、本当に契約書に「Kenzo Takada」を使わないと明記したのかどうかです。
「KENZO」というブランド名を使わないとしか記載がなければ、デザイナー高田氏の名前を名乗るだけなので、その場合は高田氏の了解があったか否かなどの問題になるのかもしれません。
これは契約書の記載がはっきり公開されない限りは分かりませんね。
なお契約期間中に高田氏は約1200万円しか受け取っていないといい、ムン・ジヨン氏が主張する1800万円とはだいぶズレがあります。
双方の主張が食い違いを見せており泥沼化の様相ですが、果たしてどちらの主張が正しいのでしょうか?
一つの見解として
ここからは一つの見解として書いていきます。
まずムン・ジヨン氏が主張するデザイン模倣の件。
美術関係者の談話では高田氏が参考としていた谷上廣南の絵は、他の芸術家のためになればと思って描いた画集の絵だったそうです。
また死後50年を経過しており著作権の侵害もありません。
中国などで粗製乱造されるコピー商品などとは全く意味の違うものだということも分かるはずです。
谷上廣南の名誉を汚すものでもなく、高田氏が違法なことをしていたわけでもなということは明白でしょう。
そうなると残りはデザイン業界の手法の問題ですので、それは高田氏がそのように主張をするのなら、そうなのだろうと理解すべき部分かもしれません。
過去にもそのようにデザインしてきた高田氏が、今回も同じ手法でデザインしているのなら、デザインされた側は模倣も含めて高田氏のデザインであると理解すべきなのかもしれません。
素人が谷上廣南の絵を用いてデザインにしても単に模倣・パクリと言われるものを、世界のKENZOがデザインしたらデザインになるのか!という批判は、論点が違うのでここでは置いておきましょう。
問題は契約の段階で高田氏のデザインとはそうしたモチーフ=模倣的なものも含まれるということを、どれだけムン・ジヨン氏が理解していたかどうかという点です。
これははかなり怪しいでしょう。
世界的に著名なデザイナーに依頼をするのであれば、そのデザイナーがどういったデザインをし、何をモチーフに使い、どういった評価を受けてきたのかをしっかりと勉強しておく必要があろうかと思います。
良い面も、悪い面も含めてです。
それがデザイナーに対する敬意を払うことでもあるからです。
この点においては、高田氏に関わらず他のデザイナーやアーティストに依頼をする際にも同じことです。
デザイナーがいちいち「僕はこれまでと同じように谷上廣南さんなどの絵を模倣してデザインするつもりですのでどうぞよろしく」なんて説明はしませんから。
ムン・ジヨン氏に落ち度があるとしたら、この勉強が足りてなかったのかなということかもしれませんね。
「KENZOのブランドを使って金儲け」しか考えていなかったと言われてもやむを得ないでしょう。
商標登録の件で訴訟に負けた腹いせに言いがかりをつけているようにも思えてしまいます。
(この件は後ほどまた触れます)
次に契約の件。
ムン・ジヨン氏は初年度しかデザインをもらえなかったと主張していますが、そもそも商標登録を許していなかったのに2011年に勝手に商標登録してしまったことと、化粧品に勝手に転用してしまったことで、高田氏にしてみれば完全に契約違反の状態でした。
そこで高田氏は抗議し2年目以降のデザインを断ったそうです。
その問題についてはいったん和解したそうですが、なんと和解後の2014年にムン・ジヨン氏は追加で化粧品の商標登録を「勝手に」したことが判明したそうです。
一度は許した高田氏を裏切ったことで、高田氏も限界に達したとしたら。
ムン・ジヨン氏は高田氏が契約に反してデザインを渡さず契約金をぼった食ったと主張していますが、これを聞くとどうも事情が違うようだと思えてきませんか?
ムン氏の詐欺での立件に怖さも?
どうも先に、高田氏側が商標登録の問題でムン・ジヨン氏を訴えており、ムン・ジヨン氏は敗訴して800万円を差し押さえられられているようです。
その流れを受けて、詐欺の名目で刑事告訴をしかけたということのようです。
本来であれば民事訴訟が優先されるべきところを、詐欺罪で訴えることで刑事訴訟に持ち込もうとしています。
詐欺とは初めから騙すつもりがあった場合に適用されるものなので、これは少し無理筋かもしれません。
ところが韓国では何故か、刑事告訴で警察が動いてしまっているという事実。
韓国内で高田氏のあずかり知らぬところで敗訴が決まって、高田氏が莫大な損害賠償を被るなんてことになると、まるで徴用工訴訟と同じ展開になりそうな予感もします。
さすがにそうはならないと信じたいところですが、どうなっていくのでしょうか。
まさか警察や司法がそんないい加減な!と思うかもしれませんが、果たしてどうでしょう。
「初めから模倣のデザインで騙すつもりだったと認定する」などという判決が下ったらちょっとお笑い草です。
その根底にある恨(ハン)の精神を考えるとこの先の展開はわからなくなります。
根底の「恨(ハン)の精神」
高田氏は高齢ということもあって、韓国への招致には応じていないそうです。
そもそも高田氏には落ち度が無いということで、出向くならそちらが来いという気持ちなのかもしれません。
この問題は契約書を交わしているため、本来であれば全てはその契約書が解決してくれるはずです。
双方が拗れて遠隔攻撃をしているよりも、きちんと代理人を立てるなどして双方で契約書の再確認をすべきではなかったのでしょうか。
高田氏が勝訴し800万円を支払うことになったあたりで、ムン・ジヨン氏の怒りは最高潮に達して我を忘れ、高田氏を「踏みにじらないと気が済まない」という状態になっていることが予想できそうです。
高田氏の主張をそのまま受け取れば、ムン・ジヨン氏の逆恨みも甚だしいわけですが…。
哨戒機へのレーダー照射の事件でも分かる通り、韓国の方の性分は恨(ハン)の文化に根付いているといわれています。
恨(ハン)の文化は抑圧への怒りや怨念が根底にあるとされ、悲しみや恨みつらみの感情がエスカレートしていく傾向を表しています。
エスカレートすると必要以上に貶めないと気が済まないという状態になるようです。
韓国の大統領がことごとく退任後に自殺や死刑になるのは、国家レベルで恨(ハン)の精神に流されているという研究者もいるほどです。
ムン・ジヨン氏の怒りも高田氏を逮捕し “ぎゃふん” と言わせるまで収まることは無いのでしょうから、当分は高田氏の頭を悩ませることになりそうです。
まとめ
マスメディアによってこの問題へのスタンスが180度異なっているようです。
高田氏の模倣がショックだ、ムン・ジヨン氏の主張はその点ではもっともというスタンスもあれば、高田氏の主張の方が筋が通っているというスタンスもあります。
BuzFixでは公平に見ても、高田氏の主張をいったんは信じるべきと考えます。
ムン・ジヨン氏が勝手に商標登録を進めたりしなければ高田氏が怒る理由は無かったはずなので、高田氏が正論であろうと信じます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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