オスミックトマト
image:WBSより
このトマトは「オスミックトマト」といいます。
まるで宝石箱みたいですよね!
農業ベンチャーの「株式会社オーガニックソイル」が開発しています。
株式会社オーガニックソイルは次世代農業を栽培から流通までパッケージ化したビジネスモデルを提案しています。
株式会社オーガニックソイル公式
オスミックトマトは甘味が強く、味が美味しいため有名シェフによりトマトをメインにした料理が開発されています。
なんとこのトマト、7個で700円の値段を付けても売れているそうです。
一見、普通のミニトマトにかみえませんが、どんな秘密があるのでしょうか?
そしてこのトマトの生産を核とした「OSMICアグリコミュニティ」とはいったいどういうものなのでしょうか?
令和に羽ばたくビジネスの一つとしてご紹介したいと思います。
OSMICアグリコミュニティ
image:WBSより
株式会社オーガニックソイルは、農と食のテーマパークを事業化する計画を発表しました。
テーマパークの名は「OSMICアグリコミュニティ」。
オスミックトマトのような高付加価値の植物を開発・生産すると同時に、シェフ監修のカフェレストランや、宿泊施設、観光農園などを設けたテーマパークになる予定です。
開業予定は2020年度、候補地は千葉、山梨、埼玉、茨城、静岡です。
核となる施設が、オスミックトマトを生みだしている次世代型植物工場です。
ぱっと見は、普通のハウス栽培のようにも見えますね。
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一見普通のハウスに見える次世代型植物工場では、温度や日照量などを全て自動管理することで1年中安定的に生産できます。
栽培に多くの汗と経験が費やされてきた農業も、徐々にその経験が自動管理に変わる時代になってきました。
高品質のトマトを生産する最大の秘密は、オーガニックソイルです。
オーガニックソイルは微生物を入れた土です。
image:WBSより
約20種類の原料で半年かけて土づくりをします。
微生物が土の有機成分を分解し、野菜が有機成分を吸って美味しく生育できるという仕組みです。
驚くべきは、高付加価値を付ける仕組みです。
光センサーでトマトの糖度を自動的に測定し、糖度別に選別しています。
image:WBSより
流れ作業とはいえ、1日に収穫される100キロものトマトを、人の手でひとつひとつ測定器に載せているため、実に手間が掛かっていると言えますね。
生産は可能な限り自動化し、こうした付加価値の部分に人の手を入れているわけです。
image:WBSより
選別されたトマトは、糖度8は400円、糖度9は500円、糖度10は600円、糖度11以上の最高品質は700円で販売をしています。
image:WBSより
糖度11度以上のものは、本当に甘く、フルーツと変わらないといいます。
わずかな糖度の違いに着目し値段を差別化しました。
この糖度で差別化したことは有名シェフにも評価されているようです。
同じトマトでも糖度で使い分けができるため、トマトをメインにした様々な料理の提案がしやすいということのようです。
これまでも甘いブランドトマトはありましたが、同じトマトで甘さごとに分けることはほとんどやっていなかったことだと思います。
ちょっと気になるのが、この試みは一般家庭では分かりやすく受け入れられるだろうか?というところです。
シェフは料理ごとに使い分けが面白いと感じますが、なかなか一般家庭ではトマトの甘さごとに料理を作り分けるなんてことはしてこなかったことです。
こういう野菜の選び方、料理の仕方がトレンドになり、新しい文化として根付くくらいになれば、面白くなってきそうな予感がします。
個人的にはとっかかりとして、レシピサイトで糖度を指定した料理が開発・公開されたりしたら一気に広まっていくかもしれないかな、なんて思いました。
耕作放棄地の活用
image:WBSより
この「OSMICアグリコミュニティ」のもうひとつの重要な観点は、耕作放棄地の活用です。
耕作放棄地とは、土地は良くても農地利用に限られるため開発ができない土地のことです。
オーガニックソイルはそこに「OSMICアグリコミュニティ」を作ることで、農地として利用しつつ人を呼び込むテーマパークにしていく計画です。
こうした耕作放棄地が全国に沢山あるそうです。
候補地になっている千葉、山梨、埼玉、茨城、静岡の内陸部を旅したことがある方はお分かりになるかもしれませんね。
荒れ野のようになった広大な土地が点在していませんか?
そうした土地は休耕地だったり、もう耕すひとが居なくなった耕作放棄地なのかもしれません。
その周辺にある過疎化が進んでいる地域と密接に関連しているように感じます。
誰も使わなくなった土地を有効活用し、高付加価値の製品を生産し、かつ外から人を呼び込んむ観光資源にもする。
自治体、農家、住民、観光客と多方面にとって「良し」となるビジネスモデルとなる可能性を秘めている、新しいビジネスと言えそうですね。
まとめ
image:WBSより
日本の農業は担い手が減少し危機に瀕しています。
その理由は少子化だけではなく、利権など多くの要素も絡むため一概には言えません。
その中でも利権から距離を置いて、ベンチャー企業が高付加価値なものを生みだしていく試みはこれからの農業の核の一つになっていきそうな予感がします。
誰かだけが利益を貪るのではなく、多くのひとが笑顔になれるビジネスがどんどんと増えていけばいいですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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