なんと今年はサンマ豊漁
image:ワイドスクランブルより
2017年、サンマの不漁で、1匹700円から800円で売っているお店もあったほどでした。
目黒のサンマ祭りも、岩手県宮古産のものが入手困難になり、何とか他の地域からかき集めて実施したそうです。
この経験から、サンマが「高値の花」になったという悲観論が一般的になりました。
もうサンマは庶民の味方ではない、高級魚になってしまったと悲しい気持ちになったものです。
ところが一転、2018年は豊漁だそうです。
いったい何があったのでしょうか?
海面水温の変化
image:ワイドスクランブルより
サンマは北海道の東側の海を泳いで、成長しながら親潮に乗って北海道や三陸辺りに下りてきます。
そこで待ち構えていた漁船が、脂ののった秋刀魚を捕まえています。
北海道近海には「暖水塊」という温かい水の塊があるそうですが、サンマはその水温に左右されます。
サンマが好む水温は12度前後。
北海道近海や三陸辺りの水温が、2017年は12度以上になっており、サンマがあまり下りてこなかったという状況がありました。
もちろん中国や台湾が東側の遠洋で爆漁をしていたという事実もありますが、全体量からしたらまだ微々たるものでした。
海水温度が上昇していたために、回遊するエリアが東側に寄っていたことが大局的な問題でした。
今年は水温が12度以内に下がっており、サンマが十分に漁場まで下りてきて、大漁となったものとみられています。
(上の画像が2017年と2018年の海水温の違いです)
なぜ今年は水温が下がったかというと、最も考えられる理由としては、「台風」だそうです。
立て続けに発生していた台風、特に日本の東側を北上して北海道に抜けていくような台風(台風13号など)が、東北や北海道近海の海を「かき混ぜてくれた」ために、水温が下がったということです。
海は太陽に近い表面ほど温度が高く、深海ほど低いわけですが、かき混ぜられると表面温度も下がってくるわけです。
なお、こちらが台風13号の進路です。
確かに、日本の東沿岸を舐めるように北上していったことがよく分かりますね。
これが暖水塊をがっつりとかき混ぜてくれたんですねえ。
image:グッド!モーニングより
なんだかまるで、お風呂のような現象ではないでしょうか?
冬の寒い日にお風呂を追い炊きした際に、表面から中ほどは温まっていて、入ってみると底が冷たくて、「ひゃ!」ってなったことありませんか?
これは、水が温度により重さが変わることが理由です。
細かいことは抜きに説明すると、熱くなるほどに軽くなるという科学的根拠です。
そのため、お風呂は上から順に温まるようになっているんです。
海も太陽で温まっても、なかなか底まで温まっていかないのは、この性質があるからなのでしょう。
とはいえ温かい海水が流れ込んでくれば、どうしてもサンマが泳ぐ深度の水温が上がってきてしまいます。
この温まった海水を冷ますには、底にたっぷり溜まっている冷たい海水とかき混ぜる必要があります。
しかし海という巨大な風呂釜をかき混ぜることは、人間には不可能です。
それができるのは、台風という自然現象だったということですね。
まさに地球がおっきな風呂釜だなと感じる現象ではないでしょうか。
各地で安価で売られている!
千葉県の市川市では、新サンマ109円(+税)で売っています!
根室では驚愕の「振る舞さんま」の登場。
まさかの無料配布です。
無料で配れるほど安いということですね。
image:ワイドスクランブルより
まとめ
「異常気象だ」と騒いだ多発する台風ですが、その厄介者の台風が美味しいサンマをもたらしてくれました。
何かの自然現象が何か別のことに作用しているということ、物事は一方方向のみで考えてはいけないということを改めて痛感させられます。
安くても、脂が乗っていて美味しいみたいです。
30cmくらいのものが美味しいらしいですよ。
去年は小振りだったよなぁ…。
目黒のサンマ祭りも盛大に行われそうですね。
これは早速堪能せねば!ですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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