iPhone6の動作がとっても重くなってしまった。。
2018年3月現在でも、僕はiPhone6を使用しています。
画面や本体サイズはiPhone6でも十分に使えるし、アプリの使用にも特に問題を感じていなかったからです。
ApplePayのような機能はありませんが、指紋認証もありセキュリティと利便性が高いと感じます。
そのくらい、iPhone6は完成度の高いスマートフォンだったと思っています。
2017年末に、新しいお気に入りのケースまで買ってしまったので、ヘビーユースのアプリが非対応になるまで使い倒してみるか?とさえ思ってたくらいです。
ところが、、、
iOS10.2.1にアップデートをした直後から、アプリの起動が異常に遅くなったと感じるようになりました。
指紋認証も重たいし、LINEやカレンダーアプリ、地図アプリやOneNoteのような頻繁に使っているアプリの動作が重たいというのはなかなかにシンドイものがあります。
これまでiPhone4、5と使ってきましたが、2年以上使っても突然ここまで遅くなることは無かったと思うくらい、極端に遅くなりました。
でもその時は「iPhone7、8向けのiOS仕様変更でやむを得ないのかな」くらいに、ある意味好意的に捉えていました。
しかし、このパフォーマンスの低下現象は実は「Apple社による意図的な処理」だったことが明るみになりました。
いや~!これはびっくりしましたね~!
今ではすっかり鎮火したように見受けられますが、下手な対応をすれば法的にとんでもない賠償請求されて、Apple社が吹っ飛んでもおかしくないぐらいに思いますけどね。
パフォーマンス低下からApple社対応までの経緯を整理してみよう
2017年末、Reddit(英語圏のニュースなどを扱うウェブサイト)で古いiPhoneのパフォーマンスが遅くなるのは、バッテリーの劣化のためでは?と記事になりました。
それをきっかけに、Geekbench(ベンチマークアプリの会社)で同社のソフトウェアを利用する数千のiPhoneから収集したデータを分析した結果、パフォーマンスの低下はソフトウェアの更新と古くなったバッテリーに関係がある可能性があるという指摘がされました。
バッテリー劣化にともないiOSでパフォーマンスの微調整を行い、消費電力を減らして劣化を防いでいるという見解だったみたいです。
同時期に、iPhone 5sのパフォーマンスは、iOS9からiOS11まで安定しているという調査結果を示す企業も現れ、議論は過熱しました。
しかし、「買い替え促進のためだった」とネガティブに捉えたユーザから訴訟が開始されるなど炎上してしまいました。
Apple社はその指摘を受け、即座に声明を発表。
バッテリー状態によって性能を調整している。不用意なシャットダウンを防ぎ、ユーザー体験を向上させるための処置
というものでした。
また、対応としてバッテリー交換の代金を大幅にディスカウントさせることも発表しました。
2018年初頭のiOSアップデートで、バッテリーのパフォーマンスチェックツールの追加も告知しました。
ここまでのアクションがなんと10日前後だったので、大炎上にはならずに鎮火に成功しています。
以下はApple社の声明です。
1、iPhone 6以降の端末において、保証切れかつバッテリー交換が必要となった端末の交換費用を79ドルから29ドルへと値下げします。この値下げは2018年1月後半から12月まで全世界で実施され、詳細は後日発表します。
2、2018年前半にiOSのアップデートを行い、ユーザーがバッテリー状態を簡単に把握できる機能を追加します。これにより、バッテリー状態がパフォーマンスに影響を与えているかどうかが可視化されます。
3、私達の最終目標はユーザー体験の向上であり、それにはパフォーマンスの調整と経年劣化したバッテリーによる不用意なシャットダウンの回避を含みます。
参考:iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、 お客様にお伝えしたいことhttpss://www.apple.com/jp/iphone-battery-and-performance/
要約すると、
- iPhoneSE以降のiPhoneではバッテリーの劣化に応じてパフォーマンスを下げる仕組みを入れていた。
- それは不用意なシャットダウンでデータの損失などを防ぐ目的だった。
ということになります。
問題点は「ユーザへの説明無し」であったこと
iFixit(iPhoneの修正に関する書籍の出版や交換部品販売を行う企業)のカイル・ウィーンズCEOは「アップルは問題がさもバッテリーの消耗ではないようなふりをして、それによって数十億ドルを稼ぎ出した」と苦言を呈した。
参考:ITmediaビジネス iPhone低速化、Appleのバッテリー情報隠しが問題に https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1801/25/news089_2.html
同記事に記載されていますが、CEOは、Macではバッテリーの健全度がわかるようになっていて、iPhoneでは秘密にされていることについて
「正気ではない」と強く非難しています。
少し補足すると、Appleはバッテリーの健全度を確認できるアプリの販売を禁止しています。
同社では「セキュリティのため」と説明しています。
同じメーカの製品なのにiPhoneだけわからないようにしていたのは、バッテリーの状態劣化とパフォーマンス低下の連動に気づかれないように行った処置だったのでは?という強い疑惑を残してしまう結果になったということですね。
初めから「バッテリー低下による意図せぬシャットダウンを防ぐこと」という崇高な目的があったのなら、別にバッテリーの健全度を確認できるアプリがあっても良かったわけですよね。
セキュリティの問題のためというなら、2016年まで認められていた
「チャージサイクル数(バッテリーの充電量が何回ゼロになって再充電されたかの情報)をアプリで表示する機能」
が突然認められなくなったことや、パフォーマンス低下がiPhoneSE以降に限定していること、それらの実施タイミングが2016年~2017年に集中していることがどうも腑に落ちません。
買い替え促進というユーザにとっては最悪のマーケティングが裏にあったのかどうかは、Apple社は断固認めていないし、今後も認めないと思いますが、この疑惑を残したのはまずいですね。
ブランドイメージにマイナスに作用すれば、iPhone離れを加速させる要因のひとつになりかねないでしょう。
とてつもなく素早くコメントと対応を発表し、火消しを行ったことからも、Apple社社内でもプライオリティの高さ、ひいては「これは、ヤバい!」と感じたレベルが伺えると思います。
バッテリー交換のディスカウントプログラムについて
ディスカウントプログラムの適用で、正規店での交換費用が大幅に値下げされます。
これまで8,800円のところを、3,200円になります。まさに64%オフというものです。これだけでかなりの減収に繋がるでしょうけど、それ以上に失う信頼の方がよっぽど深刻ですね。
参考:Apple 通常8,800円かかるバッテリー交換を3,200円にディスカウントするプログラムを開始
httpss://support.apple.com/ja-jp/iphone/repair/battery-power
プログラムの対象のモデルは下記になります。
簡単に言えばこのパフォーマンス低下の処理が組み込まれている対象がこれだっていうことになります。
iPhone SE
iPhone 6
iPhone 6 Plus
iPhone 6s
iPhone 6s Plus
iPhone 7
iPhone 7 Plus
iPhone 8
iPhone 8 Plus
iPhone X
修理の方法は2つ用意されています。
- Apple社の配送修理
ネットから申し込みすることで配送業者が集荷してくれます。
1週間前後の時間が必要になるので、その間の代替機は用意しないといけないみたいですね。 - 持ち込み修理
Apple Store 直営店または Apple 正規サービスプロバイダに予約して持ち込むと概ね即日に交換対応してくれます。
Apple社の受付は下記リンクから行えます。
iPhone のバッテリー交換
httpss://support.apple.com/ja-jp/iphone/repair/battery-power
正規サービスプロバイダは、「カメラのキタムラ」など全国にありますが、近場に無い場合は配送修理しか無いのかもしれませんね。
バッテリー交換の前に注意事項があります!
正規代理店などを通して、正規のバッテリーと交換をしてい、ガラス交換を街の安価な店舗で行った、などの場合、今回の交換プログラムを受けられません。
僕のiPhone6も、2017年初頭にバッテリーとガラス交換を、修理業者に任せていました。
そのことをすっかり忘れていて、そのままカメラのキタムラで予約をしました。
カウンターに座り、まずアンケートを書かされます。そこには、「非正規での修理をしていないか」の確認項目があったので、ふとやったかも?と思い出し「交換したかも」と伝えました。
なぜはっきり言わなかったかと言うと、交換をした街の交換業者が正規店だったのかどうかが不明だったからです。
なんという名前の業者だったかも忘れてしまっていました。
すぐにiPhone6を開いて中を確認し、非正規バッテリーが取り付けられていること、データベースにも正規で交換した履歴が残っていないことを確認され、あえなく交換NGとなりました。
でも、「できません」と言うだけで、じっとこっちを見ているだけ、、。
分かり切ってるでしょ?いつも言ってるでしょ?とでも言いたげです。としても、、
え?なんの無言?黙って帰れやという意味?
てなります。めっちゃ戸惑いますやん。何か言って~(^^;
これはホントに余談ではありますが、この対応微妙でしたね~。
今回の低速化は「ユーザに断り無く勝手にApple社が行っていた」ことが問題の本質です。
ユーザによっては「勝手に遅くされた」「新しいiPhoneを買わされていた」とネガティブに捉えているひともいるでしょうから、カメラのキタムラの失策ではないにしろフロントとしての意識を高く持って欲しいと感じます。
今回は通常の交換と違い【特殊な事態】の対応になります。
いつもと違う、モヤモヤしたものをもって交換に訪れるユーザに対しては、
「誠に申し訳ありません! 非正規に修理をされているため、交換を受け付けることができません。」
と、形だけでもいいので謝罪の言葉を一言入れると、より良いサポートになるのかなと思いました。
無理なんですとただ黙ってるだけなんて言語道断です。
バッテリー交換の対応で人員不足に陥っていてパンパン、という可能性も高いですけどね。
それも含めてその店員さん個人のスキルの問題かもしれませんのであしからずです。
閑話休題。
結論からいうと、非正規に1度でも修理をした端末は、今回の交換プログラムのみならず、全ての修正を受け付けてもらえません。
キタムラの店員さん曰く「新しいiPhoneに交換するしか手はありません」とのことでした。
バッテリー交換による動作の変化
iPhone6sのバッテリー交換をすると明らかに動作が速くなることが確認されているようです。はっきりわかる動画が公開されていたので掲載させていただきました。
iPhone 6s Battery Replacement Performance Comparison
httpss://youtu.be/qCD_psdhCuU
左側は交換前のiPhone 6s、右側は交換後のiPhone 6sで、様々なウェブサイトやアプリを開いていき比較するというものです。確かに変化があることがわかりますね。つまり僕が “忖度” していた「iPhone7や8向けにiOSがアップデートした結果」という認識は意味を成していなかったし、きちんとした検証をもって判断し指摘することの大切さを改めて痛感するこの頃です。。
まとめ
次期「iOS 11.3」ではバッテリーの管理画面が追加される予定のようです。
シャットダウンのリスクはありますが、パフォーマンス低下を解除する機能が追加される予定です。
これはありがたい!
でも、でも、
「リスクヘッジのために良かれと思ってやっていました」という同社のコメントと矛盾した行動ではないんかな、、
ともちょっぴり思っちゃいます。
パフォーマンス低下させるほどの、データ損失のリスクがあると感じているなら、解除機能を付ける必要はそもそもあったのかな?
リスクと便宜のダブルスタンダードになってはいまいか?
「はいはい、じゃあ自己責任でシクヨロ」って、鎮火するのを優先で対処しているだけって印象も若干あるんですけど、ひねくれ過ぎですかね(^^;
出典:GIZMODO バッテリー交換で動作に差が? iPhone 6sの場合
httpss://www.gizmodo.jp/2018/03/iphone6s-battery-swap-performance.html出典:GIZMODO iOS 11.3で追加されるiPhoneの「バッテリー管理」画面はこんな感じ
httpss://www.gizmodo.jp/2018/02/ios-11-3-battery-management.html
なんにせよ、お気に入りのiPhone6をもう少し使える可能性があるなら、iOS11.3のアップデートを待ちましょう。
(文責:ケンゴ)
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