日本は蚊帳の外の韓国・北朝鮮・中国・米国首脳会談
2018年4月18日、ボイス・オブ・アメリカは、訪米中の安倍晋三首相が米国のドナルド・トランプ大統領と首脳会談を行ったと伝えました。
韓国・北朝鮮・中国・米国だけで話が進んでしまうことで日本が蚊帳の外に置かれることを危惧されるため、日本としても先手を打って釘をさしたいという意向があります。
しかし日本が言える要求は、拉致被害者の救出しかありません。
それが日本と北朝鮮の間にある最大のわだかまりであるからです。
しかし、米国と北朝鮮の間はどうでしょうか。
今にも米国に届きそうな核ミサイルを完成させようとしています。
米国は全力で阻止しなければいけません。
しかし北朝鮮は核開発をやめないのではないでしょうか。
もう今持っているミサイルだけでも強力な交渉力を持っていると自信があるからです。
韓国と北朝鮮の間はどうでしょうか。
離散家族でもある文在寅大統領にとっては南北統一が最大の命題と言われています。
しかし、北朝鮮にとって南北統一は韓国ほど要求があるとは思えません。
北朝鮮にとっては自国こそが唯一の朝鮮国ですから、韓国を取り込みたいのが本音でしょう。
特に3国(韓国、北朝鮮、米国)は国家レベルの問題として話し合いを持ちますが、とても言葉にしづらいですが、拉致被害者の救出はこの動機に比べれば、米国にとって優先順位は落ちると言わざるをえません。
どんなに北朝鮮が国民を誘拐したならず者国家であっても、米国は自国の国益を優先するでしょう。
北朝鮮にしたら、拉致被害者を返したうえに、ミサイルも打ちませんなんて、持っている手ゴマをいっぺんに自ら放棄するわけはないと思いませんか。
これまで米国主導で行われてきた「圧力外交」に付き従ってきた日本は、あまりに突然の手のひら返しに必死に食らいつき、勝手に話を進めてしまわないように日本の要求を通したいという状況です。
では北朝鮮の目論見とはどこにあるのでしょうか?
北朝鮮の目論見とは
韓国の文在寅大統領はもともと南北離散家族で、親北朝鮮派として知られていました。
南北統一達成を果たしたいという想いが強いです。
平昌オリンピックの後で急速に2国が近づいたのは、金正恩が時期を見計らっていたという見方ができます。
直前に韓国のアイドルや芸能関係者を招いたのも、融和を匂わせる演出でした。
これまで核ミサイルで脅迫外交を続けてきて、突然の転換のようにみえますが、脅迫外交にはミサイルを実際に打つという目的より米国にある条件を飲ませるためだったとみるべきでしょう。
トランプとの交渉の場で、米国へミサイルを飛ばさない条約を結ぶ対価として、在韓米軍の撤退も要求してくる可能性が高いでしょう。
在韓米軍はこれまでロシア、中国、北朝鮮という共産圏と資本主義圏の最前線で睨みを利かす役割がありました。
在韓米軍を撤退させるということはよっぽどの理由が無ければ、トランプの一存では難しい判断です。
しかし、米国本土へミサイルを飛ばさない条約が締結できるなら、トランプならやりかねません。
このままチキンゲームが進んでいつか戦争状態になったとしても、韓国が火の海になることは避けられず、太陽政策を進める韓国からは反対されるでしょう。
韓国が戦争をしたくないと言ったのだから、という名目ができるので、トランプは在韓米軍撤退を行うことを認めさせるのではないでしょうか。
金正恩は米軍に勝てるとはさらさら思っていないでしょうが、韓国・ソウルを火の海にすることは造作もないという自信があると思います。
既にソウルに向けて大量の高射砲が向いている状態ですから、開戦から5分で火の海になるというのはまんざら嘘ではないでしょう。
韓国としては何としても、最悪のシナリオを避けたい一心でしょう。
その背後には韓国軍の弱体化も見え隠れします。
しかし韓国を攻撃するということは、米軍から反撃を食らうことになるため、韓国も攻撃はしないと思います。
もしやるなら、在韓米軍が撤退した後にやるでしょう。
ここまで読んでいただければわかる通り、この韓国、北朝鮮、米国の、米軍とミサイルにまつわる話し合いには、日本は蚊帳の外になってもおかしくはないでしょう。
日本は北朝鮮に対して、拉致被害者という人質がいる状態に過ぎないのです。
北朝鮮にとっては、ずるずる引き延ばしても差し支えないと舐められていることは間違いありません。
日本上空をミサイルが通過しても何もできず「自国の防衛は米国頼み」と露呈してしまいました。
現行の憲法を改定し日本の国益のためのみに戦える体裁をつくらなければ、決して北朝鮮よりも優位に立つことは金輪際ないと思った方がよいでしょう。
さて、北朝鮮がここまで力をつけ、自信をもって米国さえも手玉に取ろうとしている背景はいったいなにがあるのでしょうか?
北朝鮮の黒幕は中国か?
厄介なことに、北朝鮮のバックには中国がいると考えられます。
中国は東南アジア、日本の漁場や海底資源に目を付けています。
実際にいま東南アジアの海底資源が勝手に採掘されていますし、尖閣諸島へ組織的に不法に漁をさせるなど領海拡大の既成事実化を進めています。
領海、食料、資源を得るため、朝鮮半島の統一を北朝鮮主導で行うよう指導している可能性がありますね。
そうするメリットがあります。
北朝鮮の金正恩は当然ながら自身の保身を考えています。
韓国の大統領は親北朝鮮のため、北朝鮮主導へ頑なに抵抗をするとは思えません。
火の海にするくらいならと韓国を明け渡す可能性すらあります。
国民への説明もそれで通すことでしょう。
誰だって死にたくはないでしょうから。
金正恩は皇帝のような存在なので、民主主義国とは本来決して相容れません。金正恩が主導権を握るため、核ミサイルの威光を十分に活用する方法も指南しているかもしれません。
朝鮮半島の38度線で民主主義と共産主義が分断されていたことは、中国と米国の代理戦争のようになっていたといえるでしょう。
中国は北朝鮮を使って緊張状態を作っていました。
米国は韓国と日本に米軍を駐留させ緊張状態を作っていました。
もし南北統一し、朝鮮半島が共産圏手動になったとしたら、どうなるでしょうか。
これまで中国、北朝鮮に対して資本主義圏の最前線だった韓国から、最前線が日本に変わってしまうでしょう。
ここでもし、核ミサイル保有を容認された統一朝鮮が在日米軍の撤退を要求してきたらどうなるでしょうか。
もちろん背後に中国の指導のもとに。
米国は中国と戦争を行いますか?
中国の軍隊は使い物にはならないと言われますが、それでも核保有国です。
第3次世界大戦が起こってもおかしくはないでしょう。
米国はそのリスクを回避するため、在日米軍を撤退せざるを得ない状況が起こり得ます。
日本はその時、自国だけで自国民を守る力を保有していますか?
中国の中華思想
中国には中華思想という、世界は中国が支配するという思想が太古よりありました。
ただこれは漢民族がもっていたものの考え方であり、現代ではそのまま踏襲されているわけではないと言われています。
とはいえ、ここ10年の経済発展にともなう海洋侵犯や、チベット、ウイグル族の虐待問題をみていると、中国共産党には中華思想が根源にあるのではと思わざるをえません。
上の画像は中国外務省から流出した2050年の支配地図ということです。
当然日本も含まれています。
この中国の民主主義圏(太平洋側)への進出を地政学的に防いできたのが、韓国であり日本だったと言われています。
国家には領海、領空がありますから、中国から太平洋へ抜ける防護壁になっています。
韓国と日本は過去の大戦後に民主主義国家として歩んだことで、中国の進出をまさに水際で防いできたと言っても過言ではありません。
もし韓国が共産圏に飲み込まれたとしたら。
日本はとても危うい立場に追い込まれると思いませんか。
ロシアの存在も目を離せない
あの北朝鮮が核ミサイルを完成させるほどの科学力を手に入れられたのは、ロシアか中国の科学者が入り込んでいるためではと考えられます。
ロシアも共産圏なので、裏で北朝鮮に手を貸していたとしても何もなおかしではありません。
日本はロシアとも北方領土の返還問題を抱え、国交はあっても円滑な交流の妨げになっています。
日本は北朝鮮に拉致被害者、ロシアに北方領土という「人質」をとられていることを忘れてはいけません。
どちらも強奪されたものだとしても、堂々と返して欲しいと言ってすんなり返してくれるような相手ではありません。
北朝鮮と各国の話し合いでどう状況が変わっていくか、ロシアもじっと注視しているでしょう。
日本から在日米軍が撤退するようなことがあれば、ロシアが強気に出てくることも考えられます。
地政学的にみると、そのくらい危険な距離にロシアという国はあります。
そのロシアを治めているのが、あのプーチンというわけです。
まとめ
トランプは保守的だし、自国第一主義を貫く大統領です。
国益にかなわないことはしないでしょう。
そのためTPPを抜けたり、やっぱり入ろうかなーと匂わせたりしています。
これも一つの戦略だとみています。
この北朝鮮問題は、間違いなくトランプ主導で大きく変化するでしょう。
その変化が、日本に良い影響を与えるかどうかは、日本の指導者が世界で信頼のおける人間である必要があります。
この国難のときに、突然トランプと毛色の違うリベラルの首相がやってきたら、彼のような人間はどう思うでしょうね。
イチから関係を築く必要があるし、国益を大事にしない軽薄な首相のようだと見くびられるかもしれません。
御しやすいと思われれば、日本の国益は損なわれるでしょう。
政治はパワーと言われるように、力の押し引きです。
力の頂点は首脳です。
今の連日の問題だらけの状況から、土壇場に立つひとは安倍首相ではないかもしれません。
しかし、首脳同士が相手の政治力を認め、交渉の場に立つことができる、日本を愛せるひとが、日本の首相であって欲しいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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