Hagexこと岡本さん刺殺から1週間
有名なネットウォッチャーだった「Hagex」こと岡本顕一郎さんが刺殺されたのは2018年6月24日。
それから1週間が経ちました。
少し事件を振り返ってみます。
事件の当日、『ネットウォッチ勉強会「かもめ」』という勉強会を開催していました。
「100万PV達成への道」としてどのようにPVを増やすかのブロガーとして講義と、ネット上でのトラブル対処法についての講義でした。
犯人は松本英光容疑者。
年齢は42歳。
勉強会には参加していなかったようです。
会場の出入り口付近で待ち伏せし、勉強会後の岡本さんをつけてトイレに入ったところを狙ったものとみられます。
松本容疑者は事件後に自転車で逃走しましたが、3時間後に交番に出頭しました。
(前回記事より)
松本容疑者はこの3時間の間に犯行声明と思われる書き込みをはてなに行っています。
以下が当時残されていた容疑者の書き込みです。
出典:はてな匿名ブックマーク
ネットの議論で気にいらない相手に対していつも「低能」と発言を繰り返していたことから「低能先生」と呼ばれるようになったようです。
そして、そのしつこさから、「低能先生」のアカウントをアカウント停止(BAN)に追い込んでいた岡本さんが逆恨みをされ、刺殺されるに至ってしまった、というのが、「事件のあらまし」です。
事件の2週間前の事件とある書き込み
出典:報道ステーション
この事件は2018年6月24日に発生していますが、実はその2週間前に起こったある無差別殺人事件に対する、はてなへの書き込みが一つのきっかけになっていたのでは?と言われています。
あの新幹線の無差別殺人事件です。
2018年6月9日に起こったもので14日前。
その事件の翌日6月10日に、はてなに匿名である書き込みがされていました。
それが以下の書き込みです。
(実際の書き込みは削除済)
そもそもなんでこんなに低能先生が殺人事件起こした扱いされてんの
あの頭おかしい一日中ネット漬けだった先生がネット弁慶脱出するとか言ったとして
男性一人殺せるような身体能力に一瞬で戻れるとは思えないんだけど
まずはリハビリのため散歩からでしょう?
新幹線の無差別殺人事件の容疑者は、小島一朗容疑者。
当時、はてなではこの小島容疑者が「低能先生」だったのでは?という疑惑で一部が沸いていたようです。
もちろんこれはありもしない単なる揶揄、誹謗中傷です。
考えてみてください。
当時、低能先生はBANされてもすぐに新しいアカウントを取り直して表れ、またBANされるといういたちごっこを繰り返していました。
Hagex=岡本さんが自分のアカウントをBANさせることに対して苛立っていることが、はたからでも見てとれたようです。
「低能先生」はHagexに対して怨念を募らせるなら、Hagexを殺しにいくでしょう。
怨念の対象がはっきりしている場合はそこに向かって吐き出すのが当たり前です。
新幹線無差別殺人を起こした小島容疑者は「誰でもよかった」と供述しているように、怨念の対象がはっきりしていません。
このことから「低能先生」が新幹線無差別殺人の犯人であるはずは無いんです。
明らかにネット民は「あてこすり」をして楽しんでいただけなんです。
僕には、この書き込み自体は、実はそんなネット民の「あてこすり」に対して、「低能先生」=松本容疑者を擁護する意図があったのでは?と推測しています。
ネット民というのは、匿名ゆえに、言葉が汚いものです。
その言葉の汚さから、この書き込みが擁護しているとは思えないかもしれませんが、僕には単に馬鹿にしているようには読めませんでした。
松本容疑者はネットでの議論の中で気に食わないひとに「低能」「低能」と繰り返して書き込んでいましたが、相手に対して「低能」と発言するからには、その相手の議論での発言が「低能」だと思わせる要素が、少なくとも松本容疑者にはあったからでしょう。
そうした「低能先生」に対して、多少でも共感する人間がいてもおかしくはなかったはずです。
さすがに「低能」と相手を決めつけすぎるため味方には回りたくなくても、
(まあ、あのお互いに冷静さを欠いた議論の内容では、相手も低能呼ばわりされてもやむなしか)
というふうに思っていたひとがいてもおかしくはなかったでしょう。
つまり、低能先生に対して、こういう印象に分かれていたのではと考えています。
- 低能と繰り返す単なる「低能」の馬鹿
- 低能先生はやたら「低能」というけれど、単なるネット弁慶なんじゃないかな
この「ネット弁慶」という言葉は、ネットでは強気で、リアルでは臆病な人を揶揄するネット用語です。
「内弁慶」という言葉から派生した言葉ですね。
低能先生は単なるネット弁慶なんだから、殺人事件なんか起こせないよ。
だから低能先生が犯人だと決めつけて煽るのはよせよ。
新幹線無差別事件の翌日に書き込まれたスレの真意は、実はこういう意図があったのではないでしょうか。
ただ、残念なことに、松本容疑者にはもう自分を擁護している言葉とは到底思えなくなっていたのかもしれません。
あまりに新幹線無差別殺人事件の犯人扱いが酷く、松本容疑者がこの書き込みを読んでいたとすると、「どうせネット弁慶なんだからできっこないと馬鹿にされた」とネガティブな方向にしか感じられなくなっていたのかもしれませんね。
この書き込みに火を付けられて犯行に及び、「ネット弁慶卒業してきたぞ」という犯行声明に繋がっているのかもしれません。
まとめ
出典:報道ステーション
僕の仮説が本当かどうかはわかりません。
書き込みは匿名ブログであり、いったい誰がどういう目的で書き込んだのかはわからないからです。
テレビなどのマスメディアでは、この書き込みが「からかっている」と決めつけています。
一つ言えることは、
ネットの匿名性を利用してとことん相手を追い込んでいくことは、どこかで歯止めを掛けなければいけないということです。
前回の記事でも書きましたが、殺されてしまった岡本さんがとった歯止めの手法が、アカウント停止を繰り返すという手段だったこと、そして岡本さんの顔と所在が割れてしまっていたことが、今回の悲惨な結果を生んでしまいました。
この「相手を追い込んでいく」という過程は現実世界の虐めにも似ています。
虐めているひと、それを見て見ぬふりをして無視をするひと、全員が特定のひとを追い込んでいきます。
この結果、自殺をしてしまったり、自暴自棄になり誰かを殺めてしまう事件が後を絶ちません。
誰かが勇気をもって声をあげ「もうそろそろやめようよ」と言えないでしょうか?
遠回しに、憎まれ口のように擁護するでも無く、追い詰められたひとの心にちゃんと届く言葉で語りかけ、心に宿ってしまった暴力への炎を消してあげることができたら。
誰かを庇うと、庇った人が虐められるのでは?
そういう反論もわかりますが、そのせいで悪い循環が止まらないことに皆が気づかないといけない。
現実世界にもネットにも、少しずつでも勇気のあるひとが現れてきてくれることを願っています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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