常田富士男(ときたふじお)さんが死去
声優、俳優の常田富士男さんが亡くなりました。
2018年2月から脳内出血で入院していました。
2018年7月18日の午後に亡くなりました。
81歳。
ご冥福をお祈り申し上げます。
また惜しい名優が天に召されました。
常田富士男さん?
どなた?
という方もいらっしゃるかもしれませんね。
『まんが日本昔ばなし』の声優さんといったら、すぐにピンとくるのではないでしょうか。
20年も務められ、まさにミスター『まんが日本昔ばなし』です。
テレビ番組「まんが日本昔ばなし」で長年、語り手を務めた俳優の常田富士男(ときた・ふじお)さんが18日、脳内出血のため東京都内の病院で死去した。81歳。長野県生まれ。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は長男青児(せいじ)氏。
熊本県で育ち高校卒業後、上京して劇団民芸の養成所に入所した。TBS系のアニメ番組「まんが日本昔ばなし」で1975~94年、俳優の市原悦子さんと語り手を務め、「むかーし、むかしのことじゃったぁ」の温かな語り口で親しまれた。
ほかに、黒沢明監督の「赤ひげ」、今村昌平監督の「楢山節考」「うなぎ」などの映画に出演した。(共同)
出典:毎日新聞
市原悦子さんのお言葉
1975年から1994年まで『まんが日本昔ばなし』で約20年に渡り声優を務めました。
これは初期のころの貴重な写真ですね。
コンビだった市原悦子さんは、音声で心情を伝えていただいています。
常田さんとはいろんな役をやりましたけど、かわいいひとでしたね
弟のような夫のような…
甘えるところはちょっとはにかんで甘えるし
一生懸命なときはむきになるし
お仕事するのに真剣でね
そしてとっても日本昔ばなしが好きでしたね
常田さん
これを「入歯になるまでやろうね」って2人で話していました
常田さんは 昔ばなしの世界に生きていたような人なんですね
だからお家には猿がいるし犬がいるし猫がいる
かわいい人でしたね
なんだかお二人の姿が、この絵と重なってみえました。
『まんが日本昔ばなし』というアニメは非常に特殊なアニメだと思います。
全ての役柄を、たった2人の声優だけで務めるからです。
おじいさん役の印象が一番強いですが、動物、植物、石なども演じており、1話の中でひとり12役こなしたこともあるそうです。
時におじいさん、時に若者、時にサル、時に石ころと、声色を少しずつ変えて演じ分けました。
「昔ばなしの世界に生きていたような人」という市原さんの言葉、とても常田さんの『まんが日本昔ばなし』に対する姿勢や、真摯な人柄を表現されていると思いました。
テレビや映画でも活躍
若いころが黒澤明監督作品の『天国と地獄』と『赤ひげ』(1965年)に出演しています。
また市川崑から重用されて、計13本の作品に出演しているそうです。
あまり知られていませんが、その他にも多数の映画、テレビ番組、ドラマに出演されていました。
あの『天空の城ラピュタ』の「ポムじい」も務めています。
晩年の代表作は、河瀬直美監督が起用した映画『2つ目の窓』(2014年)と『輪廻』(2016年)。
河瀬監督は、常田さんへの尊敬を込めた言葉を贈りました。
常田さんの演技はあまりにリアルで、モニターのこちら側で、こらえずに涙を流したこともあります。
できうれば、もっともっと、フィルムにあなたの姿を焼きつけたかった
晩年の常田さん
2014年のお姿です。
実に味わいのある語り手をされていました。
昔話を語る姿はまだまだご健在の様子でした。
2016年に最期の作品となった『輪廻』に出演されたときのお姿です。
まとめ
最期の映画作品となった『輪廻』という言葉は、こういう意味だそうです。
霊魂が,人間,動物あるいは場合によっては植物などと,1つもしくはそれ以上の存在に次々に生れ代っていくとする思想,信仰。
出典:コトバンク
なんだか、まるで『まんが日本昔ばなし』でおじいさん、動物、植物、石などを演じられた常田さんそのものではないでしょうか。
常田さんはそうして役柄ひとつひとつに、自分の魂を込めて演じられていたのかもしれませんね。
そのように考えると、最期の作品が『輪廻』だったのは何か強い縁というか、運命を感じずにはいられません。
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