2018年の世界長者番付が発表!Amazonのジェフ・ベゾスが1,000億ドル越えの圧勝。

2018年の世界長者番付が発表!Amazonのジェフ・ベゾスが1,000億ドル越えの圧勝。

世界の億万長者は桁が違う

世界長者番付が発表されました。常連となったAmazon.comのジェフ・ベゾスが唯一、1,000億ドル越えで圧勝です。かつてはマイクロソフト創始者ビル・ゲイツが圧勝する時代がありましたが、そのビルは相変わらず2位に君臨しています。3位もアメリカ合衆国のウォーレン・バフェット。投資事業で莫大な富を築いています。 

順位 資産額 名前 企業名
1位 1,120億ドル ジェフ・ベゾス Amazon.com 米国
2位 900億ドル ビル・ゲイツ Microsoft 米国
3位 840億ドル ウォーレン・バフェット Berkshire Hathaway Inc. 米国
4位 720億ドル

ベルナール・アルノー
とその家族

LVMH フランス
5位 710億ドル マーク・ザッカーバーグ Facebook(フェイスブック) 米国
6位 700億ドル アマンシオ・オルテガ ZARA スペイン
7位 671億ドル カルロス・スリム・ヘル
とその家族
通信事業 メキシコ
8位 600億ドル チャールズ・コック 複合事業 米国
8位 600億ドル デービッド・コック 複合事業 米国
10位 585億ドル ラリー・エリソン ソフトウエア事業 米国

 

トップ3位を牛耳るアメリカ合衆国のカリスマ経営者は、自由経済で最大限に能力を発揮して資産を積み上げてきました。時代を読み、ビジネスチャンスがあると感じれば即座に莫大な投資をすることで成長を続けていきました。

特に注目したいのは、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグなどの資産家にも同じことが言えますが、テクノロジーで世界にイノベーションをもたらしたひとが、莫大な富を築いています。イノベーションとは「技術革新」と訳されることが多いですが、本質は、新しい価値を提供することで人々の生活を一変させるような変革をもたらすことそのものを指します。

1位のAmazon.comは、世界に【流通革命】をもたらしました。それまで消費者は地域に点在する小売店でものを購入しに足を運んでいましたが、家にいながらインターネットで全てのものが手に入る「インターネット上の巨大マーケット」をつくりだしました。

2位のMicrosoftは、コンピュータを家庭に普及させる【IT革命】をもたらしました。価格が高く入手困難だったパーソナルコンピュータを、手に入りやすい価格で製造し、今では一人1台以上持っている状況を生み出しました。インターネットの普及に合わせてOSのバージョンアップを行い、OSの市場を独占することで圧倒的シェアを勝ち取りました。独占というのは「独占禁止法」がある通り、通常はネガティブにとらえられますが、イノベーションを起こす企業においては許容される傾向があります。Microsoftが圧倒的なシェアを勝ち取ったからこそ、ソフトウェアのプラットフォームが絞り込まれ、ハードとソフトの共存共栄ができるようになったという見方ができます。

5位のフェイスブックは、IT技術を用いて【コミュニケーション革命】をもたらしました。それまでもSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は存在しましたが、日本ならmixiやAmebaのような「匿名の国内向け」が主流でした。Facebookの最大の特徴は、本名での登録を推奨し、世界中のひとと繋がれる手段を提供していることでした。本名と顔写真を登録するなんて、個人情報保護の観点からは明らかにヤバいわけですが、登録者にどこまでオープンにするかを選択する幅を持たせ、責任を個人に委ねることでクリアしてきました。本名を登録することで、学生時代の友人と20年後に繋がるなんて、昔ではちょっと考えられないことが起こるようになりました。また海外ユーザから友達申請があるなんてことも起こるようになりました。

 

※2018年4月11日更新

フェイスブックは個人情報流出、不正使用問題で大きな岐路に立たされました。あらゆる情報を善意の元に個人の判断に任せて公開するという手法にも限界が来ているのかもしれません。この問題についてもブログを書いていますのでよろしければお立ち寄りください。

フェイスブックの個人情報流出で影響を受ける範囲は?不正に利用されたのは誰の情報?原因は?今後の危険性は?

 

僕はこの三つの革命は、Microsoftの発展に支えられていたと思います。Microsoftの【IT革命】があったから、Amazon.comがIT技術を活用して【流通革命】が起こりました。フェイスブックもIT技術を活用して【コミュニケーション革命】を起こしました。もちろんAppleコンピュータも同時期にライバルとして発展を遂げてきましたが、かつて世界のOSの80%を占めていたのはMicrosoftのWindowsです。Amazon.comもフェイスブックも、世界中のひとが持っているWindowsコンピュータがインターネットを介して繋がっている状況をベースに発展を遂げてきたのです。

いまはGoogle社のAndroid OSがWindowsを抜いてシェア世界一になっていますが、10年前では誰も想像できなかったことです。

 

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日本の資産家ランキングもみてみよう

日本の資産家は、世界長者番付でみると、桁が小さくなってしまいますね。それでも39位のSoftbankの孫正義が227億ドルと、世界の中でも見劣りしない額となっています。こうして見渡すと、やはり日本の企業は世界に変革をもたらしたとは言えません。

Softbankは日本国内で通信事業を買収・拡大し成長を続けていますが、あくまで日本国内限定と言えます。

55位のファーストリテイリングはユニクロで衣類革命をもたらしたと見えなくもないですが日本限定ですし、低価格で中国で生産して日本で安く売るという手法は、販売規模で考えればデフレ状況を生み出している原因の一端とみえなくもないです。

334位の楽天も同様、日本で流通革命をもたらしましたが、Amazon.comのような世界規模ではありません。その違いがそのまま資産額にあらわれていると思います。

順位 資産額 名前 企業名
39位 227億ドル 孫正義 Softbank 日本
55位 195億ドル 柳井正 ファーストリテイリング 日本
68位 175億ドル 滝崎武光 キーエンス 日本
274位 63億ドル 森章 森トラスト 日本
321位 56億ドル 永守重信 日本電産 日本
334位 55億ドル 三木谷浩史 楽天 日本
388位 50億ドル 高原慶一朗 ユニ・チャーム 日本
480位 44億ドル 似鳥昭雄 ニトリ 日本
527位 41億ドル 重田康光 光通信 日本
572位 39億ドル 伊藤雅俊 セブン&アイ・ホールディングス 日本

 

まとめ

長者番付の怖いところは、まだまだ資産隠しをしていて明るみになっていない「とんでも長者」が、世界中に潜んでいるということです。資本主義社会での目線だけではなく、社会主義国家のリーダたちがどの程度資産を持っているのかも気になります。

長者番付から学べることは結構多いです。時代をよく表しているひとつの指標と捉えられますので、これからも注目していきたいと思います。

(文責:K)

 

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