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グッチ(GUCCI)がゴリウォーグ(Golliwogg)を意識してセーターを!?人種差別批判で発売中止したプラダマリアとの類似点と企業が心すべきこと。

グッチ(GUCCI)がゴリウォーグ(Golliwogg)を意識してセーターを!?人種差別批判で発売中止したプラダマリアとの類似点と企業が心すべきこと。

グッチ(GUCCI)のセーターが発売中止


image:ANN

 

イタリアの高級ブランド「グッチ(GUCCI)」が販売したセーターが黒人差別だと批判が広まり、謝罪、発売中止になっています。

上の画像がそのセーターです。

セーターはグッチが2018年冬に投入した商品です。

顔の下半分まで覆うことでき、口の辺りに開けられた穴の周りは唇のようなデザインで赤くなっています。

パッとみて思ったのは、

目出し帽の下半分だけをタートルネックにくっつけた

という印象でした。

日本人の多くはこれをみても、ちょっと突き抜けたお洒落なんだろうな、くらいにしか思わないかもしれませんね。

ところが欧米でSNSを中心にして、このデザインが「黒人差別」だと批判が広がりました。

 

グッチはツイッターで謝罪し発売中止を決めています。

次項でグッチの謝罪内容についてみていきましょう。

 

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グッチの謝罪

 

以下は投稿の本文に記されていた文章です。

 

Gucci deeply apologizes for the offense caused by the wool balaclava jumper. We consider diversity to be a fundamental value to be fully upheld, respected, and at the forefront of every decision we make. 

 

以下は意訳したものです。

 

グッチはウールのバラクラバのジャンパーで引き起こしてしまった騒動を深くお詫び申し上げます。

私たちは多様性が十分に支持され、尊重され、そして私たちが行うあらゆる決定の最前線に多様性が基本的な価値としてあると考えています。

 

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「バラクラバ」というのは、目出し帽の欧米での呼称です。

グッチはこのセーターについて、初めから「目出し帽がついたジャンパー」という認識だったと主張をしているようです。

 


image:Amazon

 

 

ところがSNSではこのデザインがある人形に似ていると非難されています。

 

このセーターについて、差別的とみなされる黒い肌と赤い唇の人形の「ゴリウォーグ」に似ているとの指摘が上がった。

出典:AFP

 

ゴリウォーク…

歩くゴリラ?

ゴリウォーグ(Golliwogg)か…

 

この「ゴリウォーグ」、日本では耳馴染みがありませんがいったいどういう存在なのでしょうか?

 

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ゴリウォーグとは?

19世紀末にイギリスの児童文学者・挿絵画家フローレンス・ケイト・アプトンが考案したキャラクター。当初はぬいぐるみ様のキャラクターとして絵本に描かれていたが、1960年代以降子ども向け玩具(人形)にも用いられ、欧米やオーストラリアで多大なる知名度を誇るようになった。漆黒の肌と淵の白い目、おどけた唇に縮毛が特徴で、特にアメリカでは反黒人勢力による風刺画に度々描かれてきた。

出典:Wikipedia

 

ゴリウォーグとは、欧米では人形のデザインとして伝統的なもののようです。

しかし昨今では、奴隷制がある時代からのいわば「悪しき伝統」と目されており、廃絶すべきという議論が絶えないようです。

 

では奴隷制とはいつまで続いたものなのでしょうか?

イギリスでは1833年に、ウィルバーフォースらの運動で自由主義的改革の一つとして奴隷制廃止が実現しました。

アメリカ合衆国では、1863年、リンカーン大統領が奴隷解放宣言をしたことをきっかけに実現しました。

このようにイギリスは黒人奴隷制度の廃止を世界に先駆けて実現していました。

ところが1833年に奴隷制度は廃止しているにも関わらず、ゴリウォーグは1800年代末(19世紀末)に発表されています。

つまり奴隷制度が廃止されてから50年以上経っても、このデザインを発表することを躊躇わず、世の中も自然に受け入れる空気だったということを表しています。

しかも1960年代になってぬいぐるみとして欧米でヒットしたということなので、そのころになっても黒人差別は続いていたということでしょうか?

 

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以下はBuzzFeedNewsさんからお借りした画像です。

 


image:BuzzFeedJapan

1960年11月15日、ルイジアナ州のウィリアム・フランツ小学校。白人専用だったが、裁判所が隔離をやめるように命じた。黒人の子どもが登校し始めて2日目の抗議活動。

 

写真にはこのような説明がされていました。

これが示す事実は、1960年代のアメリカ合衆国では擁護され数を増やす黒人に対して白人が差別を繰り返す時代だったということです。

今からほんの60年前まで世界の黒人に対する認識はこれが当たり前だったんですね。

こうした時代背景を受けて、ゴリウォーグはヒット商品になったことは疑う余地も無いのではないでしょうか。

 

今では黒人も白人も黄色人種も映画に登場していますが、人種差別批判を受けないように意識した結果だったりします。

裏を返せば今でも人種差別はあるということです。

このゴリウォーグを巡る現実から、もしゴリウォーグに似ている印象を与えるものがあるとすれば、人種差別的だと批判を受けることは欧米では当然の状況があるということは認識しておかなければいけません。

 

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グッチのセーターは何故批判されたのだろう?

 

それでは改めてグッチのセーターとゴリウォーグ、目出し帽を並べて比べてみましょう。

 

 

やっぱり目出し帽の下半分がタートルネックにくっついただけのようにみえなくもありませんね。

でも、ゴリウォーグとも見比べると、「そちらに寄ってしまっている」という印象も受けました。

 

黒い地とそこから顔までつながったデザイン。

目立つ赤い唇。

しかもその唇がいわゆる目出し帽のような「ドーナツ型」ではなく「リップ型」をしているのがなおさら、人の顔に寄ってみえるのかもしれません。

 

しかしよくよく見てみると、ドーナツ型の唇とまん丸の目で、目出し帽の方がゴリウォーグに似ているような気もしませんか?

ところが目出し帽にそこまで非難が殺到することが無いのは、何故でしょうか?

まず目の周囲も太い輪を付けているからかもしれません。

また黒だけではなく、多色展開をしていることから非難に繋がりにくくなっているのかもしれませんね。

 

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目出し帽の起源は、戦争時に顔を寒さから守るために産まれたものらしく、もともとはこういうデザインでは無かったようです。

そこからスキーなどでの活用を考慮して、口と目だけを出して最大限寒さから守るという機能面を追及した結果、今のデザインに進化したようです。

その起源と進化の過程がはっきりしているものは非難を受けないと言えるのかもしれません。

(もしかしたら長い歴史の中で人種差別的だという批判を受けてデザインを変えた経緯があったかもしれませんが追及を控えておきます)

 

そうするとこの非難はいったい何なのだろう?と思います。

この問題は2018年に話題になった、「プラダマリア」と同じ構図であることが分かります。

 

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プラダマリア「オット」問題との類似点

 

以下は2018年に書いたプラダマリア「オット」に関する記事です。

よろしければあわせてお読みください。

 

プラダマリア「オット」は人種差別か?発売中止とドルガバの炎上騒動の共通する問題点とは?マーケティングとポリコレの関係を考える。

 

このプラダマリア「オット」という人形はプラダが発売を予定していた人形ですが、展示されたものを人種差別だとSNSで拡散され炎上したことがきっかけで発売中止になりました。

「オット」もまた、黒い肌に真っ赤な太い唇から黒人をイメージさせるということで非難を受けていました。

動物のような耳をつけて “猿” をモチーフにしているかのように見せていますが、かえって “黒人=猿” と言っているかのように受け取られ炎上を加速させたのでしょう。

 

黒人差別と離れたところにいる日本人には「動物にも見えるな」という反応かもしれません。

ところが黒人差別と極めて近いところで暮らしている当事者の方々にとって、これは「黒人をモチーフにしている」ようにしか見えないわけです。

 

デザインは常に買っていただくお客様の目線、客観視が必要です。

これが採算度外視のアートならいいんですが、お金をいただくことを考えたら批判を受けるかどうかを発表前に考え抜かないといけません。

グッチのセーターも、この点でチェックが何故通ってしまったのかが疑問です。

 

批判が行き過ぎたらデザイナーが育たなくなる

 

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ニュースサイトにはこういう意見も結構見受けられましたが、プロフェッショナルのデザイナーだからこそ、アートではなく消費者の気持ちに立ったモノづくりを考えないといけません。

そういう世の中の考え方、ポリコレ(ポリティカルコレクトネス)が悪いんだ!という批判と、これは分けて考えないといけません。

確かに行き過ぎたポリコレは生きにくい世界を作ってしまう危惧がありますが、それと企業が商品を売るという行為は同じベクトルでは無いからです。

企業は「いままさにこの世界に受け入れられる商品をつくる」ことが命題なのです。

もし企業がポリコレ批判を商品に込める意図があったとしたら話は別ですが、それ相応の批判を受ける覚悟としっかりとした考え方を説明できる必要はありますね。

ある種の「炎上商法」をするのならそういう覚悟と準備が必要です。

プラダもグッチもすぐに謝罪しているわけで、そんな崇高なことを考えているとは到底思えません。

 

ゴリウォーグに似ていると気付かなかったのかもしれません。

しかしそれでは、プラダマリア「オット」の前例を何故、評価しなかったのでしょうか。

どのようにみえるかどうかを複数の第三者に秘密裏にみてもらい、差別的では無いと判断をして発表していれば今回のような批判には繋がっていないはずです。

それをしていないという時点で、グッチも残念ながら、人種差別に対して鈍感なのかもしれないと多くの消費者が落胆しているかもしれません。

プラダもグッチもイタリアの高級ブランドなだけに、イタリア人の差別に対する考え方さえも疑われているんですよね。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました

関連記事を紹介させていただきます。

 

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