2017年のオレゴン州の大火災
2017年9月2日に、広大な森林を燃やし尽くした大火災が起こりました。
場所はオレゴン州のイーグルクリークを中心とした森林です。
ポートランドという大都市から南東方面に20kmから30kmの位置にあり、豊かな自然が広がる、軽登山などで人気の観光スポットです。
火災の面積はなんと194平方メートル。
以下の地図の赤い部分が火災の範囲です。
八王子市よりさらに広い面積ということになります。
以下の赤い部分が八王子市です。
もう少し近い面積だと静岡県の藤枝市あたりですが、ちょっとピンとこなかったので、八王子市にしてみました。
最初の夜だけで121平方キロメートル(全面積の60%)に延焼していたということですので、火の勢いがいかに凄まじかったかを物語ります。
火災は2017年9月2日の午後に報告されました。
写真はその当時のものです。
煙がもうもうと立ちあがっていることがわかります。
一夜にして3000エーカーに拡大しました。
3000へーカーは121平方キロメートル。
東京ドーム260個分です。
以下の写真は2017年9月4日にワシントン州スティーブンソン近郊のコロンビア川に平行して燃え盛る火災です。
対岸から撮影をしてます。
炎上しているのはカスケード・ロックズの上のコロンビア川渓谷です。
当時のツイッターです。
火災が延焼していることがわかります。
山火事状況。オレゴン州めっちゃ燃えてる。つうかシアトルのすぐ西でも燃えてる。雨降ってー! pic.twitter.com/0lgJe8lcoy
— 伊の助 (@inosuke_beast) 2017年9月6日
なんと3か月燃え続け、やっと2017年12月に完全な鎮火を確認しました。
放火の犯人は15歳の少年と特定され補導されました。
少年とその友人たちでハイキングに出掛け、動画で少年が谷に向かって花火を投げ入れるところが記録されており、目撃情報もあったそうです。
オレゴン州に住まわれている日本人の方のブログで、当時の報道からこのように報告をされていました。
この火事なんですが、なんでもイーグルクリークのハイキングコースで、ティーンエイジャーの一人が崖の上から爆竹に火を付けて谷に投げ込み、もう一人がビデオを撮って遊んでいたのが原因だそうです。それをハイカー達が目撃しており、そのティーンエイジャー達は捕まったそうです。
出典:オレゴンの微風
あまりに軽率で悪質な行為に絶句していまいました。
無残に燃え落ちた木々です。
根が炭化してしまった木は伐り倒すしかないでしょう。
以下の動画は、炎に包まれ、鎮火するまでの山の映像です。
早送りになっていますが、燃え盛る炎の様子がわかります。
httpss://www.youtube.com/watch?v=XR2DhoWsxo4
以下の動画は、ヘリで上空から撮影し鎮火後の様子を紹介します。
無残に燃えて山肌があらわになった姿を確認できます。
美しい滝や湖があり、そこを包み込むように森があったことを想像させます。
それらが全て燃えてしまいました。
httpss://www.youtube.com/watch?v=XR2DhoWsxo4炎に包まれ、鎮火するまでの山の映像です。早送りになっています。httpss://www.youtube.com/watch?v=Fg_fBGBH7fY鎮火後にヘリこぷたーで上空から撮影している動画を紹介します。無残に燃え尽きて山肌があらわになった姿を確認できます。美しい滝や湖があり、そこを包み込むように森があったことを想像させます。それらが全て燃えてしまいました。
放火犯の少年へとてつもない厳罰が
2018年5月21日、米オレゴン州の裁判所から今回の放火犯の少年に対して判決が下されました。
保護観察5年、奉仕活動1920時間、賠償金40億円
という、少年犯罪としては類をみない厳罰となりました。
少年は未成年ということで、名前は「非公表」のままとなりました。
奉仕活動は「青年」でも最大で500時間がせいぜいらしいので、異常な事件にたいしていかに厳しい判決を下したかということがよくわかります。
1920時間というのは、1日8時間労働しても240日、8カ月を無償労働しなければいけないことを指します。
その間は、自分が燃やし尽くした森林とそれにかかわる人々への謝罪の気持ちを持って、植樹や林野に関わる仕事で奉仕作業をしていくことになるようです。
ところで、少年の行為を動画を撮って楽しんでいたであろう、他の少年たちはお咎めなしなのでしょうか?
今回の判決ではその少年についてのみとなっているようですが、もしかしたら他の少年には事件のほう助として既に判決が下っているのかもしれません。
最も驚愕したのは40億円という賠償金です。
オレゴン州の公園、鉄道、消防、民家など11の団体から賠償の申し立てが出ており、この金額になりました。
この賠償金は、少年の親が支払ってはいけないとされており、少年自らの支払い義務が課されます。
日本では場合により代理での支払いが認められますので、アメリカ合衆国の法律というか、権利と義務と責任に対していかに厳しいかがよくわかりますね。
「自由の国アメリカ」とよく言ったものですが、「自由には責任が伴う」という素顔があります。
ただし、少年が全額を支払えない場合は、当局が支払いのスケジュールを決めることもできるといいます。
月々に支払いが可能な最大の支払額を決めて取り組んでいきましょう、といったことを決めて取り組んでいきますが、例えば、月10万円を支払っても、3300年かかります。
そうなると、少年の子孫へ継承されていったりするのでしょうか?
人生80年として継承し払い続けても41世代まで続きます。
そのころにはこの事件のことなど誰も知らないだろうし、どのみちあり得ませんよね。
オレゴン州の州法では、10年後に更正したかどうかを見極めて賠償金を見直すことになっています。
恐らくはそのころにはほとぼりが冷めて、周囲の怒りも薄れてきているので、賠償金は免除されるのかもしれません。
なお、2017年9月13日のニュースではこんなとんでもないゴルファーが報告されていました。
コロンビア川という大河を挟んでいるので無関係と思ったとしても、無神経なのか、異常者なのか、よっぽどタフなのか…。
これもまた、「自由の国アメリカ」なのかもしれません。
先日、米オレゴン州ポートランド近郊のイーグル・クリークで大規模な山火事が発生したが、この山火事を背景にプレーを続けるゴルファーの写真がネットで話題を呼んでいる。
これは、ロイター通信の写真家クリスティ・マクルーアーが、火災現場から数キロ離れたワシントン州ノース・ボンネビルのビーコン・ロック・ゴルフコースで撮ったもの。米北西部のこの地に破壊的な規模の山火事が襲った事を、ひと目で感じられるはずだ。ちなみに、この火災現場からゴルフ場の間にはコロンビア川が流れている。
出典:Aol
まとめ
10代という時期は、まだ経験から「行動の結果」をしっかりと予測できないのに、大人の管理からは離れがちという、実はちょっと危うい時期でもあります。
この少年も15歳でしたが、最悪の結果を考えることなく安易な気持ちで花火を投げ入れていたのでしょう。
行動の結果を予測するということはとても大事です。
子供でも大人でも同じように戒めすべきでしょう。
ただの遊びだと思ってやらかすと、一瞬で多くの人に迷惑をかけ、自身の人生も台無しにしてしまうことがあります。
それでも悲観すべきではありません。
裏を返せば、行動の結果をきちんと予測しながら進んでいけば、最悪の事態は免れるでしょう。
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先日このブログでも書きましたが、「挑戦と無謀は違う」ということにも少し繋がっているような気がしました。
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