有名ブロガー刺殺
写真は騒然とする事件現場の様子です。
「Hagex」こと岡本顕一郎さん。
有名なネットウォッチャーでした。
ネットのトラブルなどを集めた記事を書いて人気を集めていました。
セキュリティ会社で勤務し、とても正義感の強い人柄だったようです。
2018年6月24日、福岡で勉強会の講師を務めた直後に会場のトイレで刺殺されました。
まずはご冥福をお祈り申し上げます。
事件の当日、『ネットウォッチ勉強会「かもめ」』という勉強会を開催していました。
「100万PV達成への道」としてどのようにPVを増やすかのブロガーとして講義と、ネット上でのトラブル対処法についての講義でした。
犯人は松本英光容疑者。
年齢は42歳。
勉強会には参加していなかったようです。
会場の出入り口付近で待ち伏せし、勉強会後の岡本さんをつけてトイレに入ったところを狙ったものとみられます。
松本容疑者は事件後に自転車で逃走しましたが、3時間後に交番に出頭しました。
どんな勉強会だった?
上記のWebページが、岡本さんのブログ『Hagex-day.info』に記載されている事件当日の勉強会の告知です。
トラブル対処法とは、以下のような内容でした。
「ブログトラブル110番」
ブログを長年やっているといろいろなトラブルに遭遇します。喧嘩、誤字脱字の指摘、内容に関する質問、ラブレター、弁護士からの手紙……など、Hagexが遭遇したトラブルとその対処方法を解説します。
岡本さん自身が、そのトラブルで刺殺されてしまうという皮肉な結末を迎えてしまいました。
セミナー参加者はこのように述べています。
「勉強会の内容をツイッターにあげたり、撮影するのは禁止と通達していました。
自分はいろんな人に恨まれているから」
この内容から、勉強会の内容は、そうした恨まれているひとのハンドルネームを名指しして事例を挙げるような内容だったのかもしれません。
その言動から、岡本さん自身がかなり身の危険を感じるようなことをしているということを理解していたことがわかりますよね。
犯行声明
以下のような犯行声明が公表されていました。
出典:はてな匿名ダイアリーより ※現在は削除済み
俺を『低能先生です』の一言でゲラゲラ笑いながら通報&封殺してきたお前らへの返答だ
「予想通りの展開だ」そう言うのが、俺を知る全ネットユーザーの責任だからな?
(中略)
これから近所の交番に自首して俺自身の責任をとってくるわ
などと書き込みをしています。
これから自首してくる、と書いていることから、逃走後の3時間の間に自宅か、ネットカフェあたりで書き込んだのでしょう。
なお、「増田」という言葉が使われていますが、「はてな匿名ダイアリー」のことを指します。
匿名というだけに名前を隠して日記を書けるSNSでした。
なぜここまでこじれた?
画像は被害者のHagexこと、岡本さんです。
松本容疑者は「はてな匿名ダイアリー」で多くのひとに対して誹謗中傷を繰り返していました。
そのため、彼は「低能先生」というあだ名で呼ばれるようになっていました。
岡本さんは「はてな匿名ダイアリー」へ悪質ユーザとして通報し、松本容疑者はアカウント停止に追い込まれました。
岡本さんはこのアカウント停止について、「自分(Hagex)が通報した」と自身のブログで報告していました。
Hagex-day.infoで記載されたそのときの状況です。
松本容疑者はこのことで自身の活動の場が失われてしまったことで、Hagex(岡本さん)への恨みを募らせたようです。
松本容疑者とは?
相手を「低能」「低能」と誹謗中傷を繰り返すことで「低能先生」とあだ名を付けられていました。
通報されるたびにアカウントをBAN(停止)されていたようです。
しかしBANされるたびに、繰り返し繰り返し新規アカウントを作っては同じ行為を繰り返していました。
無職の42歳、月3万のアパートに10年以上一人暮らしをしていたようです。
そこで何かに対してイライラを晴らすように、ネットの住人に誹謗中傷して憂さ晴らしをしていたのでしょうか。
事件を受けて感じること
出典:ハフポスト
俺を『低能先生です』の一言でゲラゲラ笑いながら通報&封殺してきたお前らへの返答だ
「予想通りの展開だ」そう言うのが、俺を知る全ネットユーザーの責任だからな?
この言葉からわかるように、松本容疑者は極度に責任転嫁をしていることにさえ、気づいていない状況でした。
匿名ゆえに、顔が見えないゆえに、普通では言えないような暴言をあっさりと言い、相手も売り言葉に買い言葉で暴言を返す。
そのやり取りがどんどん過激になって、人を傷つけ、傷つけられていている。
ネットの恐ろしいところは、この「傷つけている」という罪悪感が麻痺してしまうことかもしれません。
岡本さんがそういう麻痺してしまった状況をやめさせようとした行動が、「低能先生」をネットから締め出すという方法でした。
しかし、今回の事件でよくわかることは、「低能先生」のように悪質なネットユーザを一方的に「悪」と決めつけて締め出すだけでは、火に油を注いでしまうことがあるということです。
松本容疑者は犯行声明でこう書いています。
散々ガス抜きさせてもらった恩もある
この言葉を読むと、彼は日常生活のうっ憤を、ネットで晴らしていた様子が伺えます。
その唯一の憂さ晴らしの場を奪われ、逆恨みをして犯行に及んだことは絶対に許されないし、罪を償わなければいけないです。
ですが、一方的に「悪」とせず、ネットでの対話を試みる方法もあったのではないでしょうか。
松本容疑者をかばうわけではありませんが、ただ寂しかったのかもしれないなと思ったりもします。
リアルで誰もかまってもらえず、かまって欲しかっただけなのかもしれません。
こうしたうっ憤が溜まったひとはいつ暴発するかわかりません。
警察を例えに出すのは極端かもしれませんが、犯人の性質が「うっ憤」「悪意の吹溜り」という点で類似しているのであえて出しますね。
人質をとって立てこもる犯人がいるとします。
警察は丁寧に対話をして、その犯人の心をなだめていき、投降を呼びかけます。
「お母さんが泣いているぞ!」
「タケシーーーー!!!」(母)
「何が不満なんだ?」
「お前の話をちゃんと聴くから!」
根気よく会話を続けるうちに、犯人が投降するということは多いのです。
そういう手法があるということは、うっ憤や悪意が溜まりに溜まったひとには有効な手段だからです。
もしここで何も対話をせずいきなり発砲、突撃していれば、犯人は人質を殺してしまうかもしれません。
まとめ
もう一つ、正義感のある岡本さんを責めるのは筋違いではありますが、大きな問題点というか、彼の「失点」もあります。
岡本さんがハンドルネーム「Hagex」のままだったら殺されることも無かったかもしれませんが、有名になり、よりマネタイズを考えるようになり、勉強会を開くようになりました。
それが悪いこととは言いませんが、リアルに出てくるなら、ネットで恨みを買っていない方が良かったでしょう。
「Hagex」=「岡本さん」ということがリアルに出てくることで顔バレしてしまったわけで、それが事件へと繋がりました。
ネットで恨みを買うような振る舞いをしているひとは、なるべくリアルで結びつくような出方を控えるべきです。
リアルに出たいなら、なるべくネットで恨みを買わないように振る舞うべきです。
今回の事件はネットだから見えづらくなっていますが、例えば隣同士の家でご近所トラブルが続いた結果、殺人に発展するなんて事件と何ら変わりがありません。
お隣同士で喧嘩をして、片方のうっ憤が爆発したときに、相手の顔も居場所もが分かっていれば殺せてしまいます。
もちろん殺す方が絶対に悪いんですが、殺すまでにならないようにどちらかが冷静になって引くことも大事だろうと思います。
相手が引くことを待つより、自分が先に会話を持ちかける冷静さを持つべきです。
僕もネットで記事を書くことが楽しくて書いていますが、別のひとの記事を読んでいて気になるのが、誰かの誹謗中傷や暴言をすることがメインになっているひとがいることです。
タイトルに過激な言葉を並べたほうがアクセスが伸びるし、拡散してもらいやすいからです。
でもそういうことでアクセスを伸ばす記事が増えれば、ネットが荒れていくことは目に見えています。
SNSは楽しく使うほうが建設的です。
もう少し冷静になって、お互いに気持ちよく使えるようになりたいものですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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