環境に優しい未来の肉が爆誕
アメリカ合衆国の西海岸ではもはや有名になっている「未来の肉」。
その名もビヨンド・ミート。
直訳すれば「肉を超えた肉」。
大きくでました。
なんだか山盛りの肉を想像しそうですが、そうではない!
ビル・ゲイツ氏やレオナルド・ディカプリオ氏らが出資をしたベンチャー企業「ビヨンド・ミート社」が開発した、まさに「未来の肉」なのです。
さて、いったいどんな肉なのでしょうか?
ビヨンド・バーガーが大人気!
image:日曜ゴールデンの池上ワールド(以下同)
BurgerFi(バーガーファイ)という、西海岸で人気急上昇中のバーガー店で、このビヨンド・ミートを使った「ビヨンド・バーガー」が食べられます。
店内を見回すと、なかなかお洒落じゃないか。
西海岸テイストがばっちり。
こんなお店が日本にも出来たら嬉しいですね。
メニューはいわゆるハンバーガー屋と同じような、「チーズバーガー」などのがっつりメニューが並びます。
ついに見つけました。
これがビヨンド・バーガーですね。
「THE BEYOND BURGER」が正しい表記です。
早速注文。
やって参りました。
これがビヨンド・バーガーです。
美味しそう~!
でも隣のポテトも凄そう~(^^;;
お値段は1037円。
普通のバーガーの1割増しくらいで食べられます。
近づいてよく見てみると、うん?
やや、普通の肉とは違うような気がしなくもない。
いや、気のせいかな。
ちょっと高くても、このバーガーを食べに毎週通い詰めるお客さんまでいるほど人気のバーガーなんです。
そのキーワードといえば、
“うまい”
“ジューシー”
“ヘルシー”
ヘルシー…?
ハンバーガーと言えば高コレステロールの代名詞ジャマイカ!
みた感じもがっつりしたハンバーガーそのものって感じだし。
いったいどんな秘密があるんだろう?
ビヨンド・ミートの秘密
こちらがビヨンド・ミート社。
さっそく中に入ると…
およそ精肉会社とは思えない。
これは研究室じゃないのか??
なんと新しい肉の開発のために、世界中から優秀な科学者や生物学者を集めたとのこと。
な、なんだってぇ!!!?
科学者が作る肉。
いったいどうやって作っているんだろう。
これがビヨンド・ミートの原料です。
粉…
ヤバいやつじゃないのか?
違いますよ。
これは「Peaプロテインパウダー」と言い、エンドウマメを粉末化したもの。
エンドウマメのパウダーを熱したり、冷やしたり、加工することで肉と全く違う素材なのに、本物の肉に近い食感を実現できるようにしたというのが、ビヨンド・ミートなのです。
ポイントは植物性の原料だけで肉に近づけたということ。
それが何故ポイントになるのかは、また後程説明しましょう。
さて、粉を使って作ったとなると、それでハンバーグを作っても、肝心の肉汁が出ないんじゃないのか?
パサついているのではないの?
それでは確かめるために焼いてみましょう。
まずはミートの状態。
こうして間近でみると、普通の肉とそれほど違いを感じませんね。
焼きあがってきました。
先ほどのハンバーガーの焼き色そのもの。
さて、ナイフで切ってみると、なんとたっぷりの肉汁が!あふれ出す!
これは驚きです。
粉から作った肉からどうして肉汁が?
その秘密は、植物性のあるものを組み合わせて肉に近づけているからです。
こちらがビヨンド・ミートの主な材料です。
主原料:エンドウマメ
肉汁:ひまわり油、フルーツジュース、野菜ジュース
食感:アラビアガム
色:ビーツ(赤味)
なんと、あふれ出す肉汁の正体は、ジュースだったのです。
あぶらのコッテリ感をひまわり油で、肉汁の甘みを各種ジュースの配合で表現したということのようです。
その配合の細かいことは、もちろん企業秘密です。
現時点での開発レベルでも、分子レベルで本物の肉に50%~75%まで近づいているとのこと。
つまり食感もほぼ肉の感じを楽しめるというわけです。
驚きなことに、この肉はコレステロールがゼロです。
え?ひまわり油という油が入っているのに?
ひまわり油というのは「サンフラワー油」ともいい、ひまわりの種子から抽出した油です。
もともとこの油はコレステロールゼロなんですね。
だから油のトロッとした感じを出すためだけなら、これがベストだったのでしょう。
どうしてアメリカ合衆国でビヨンド・ミートがウケたの?
アメリカ合衆国の大型スーパーでは、もう肉売り場で通常の肉と一緒に販売されています。
これは偽装肉が正規の肉と一緒に販売された世界で初めてのことらしいです。
もうかなり浸透してきていることの証拠です。
普通の肉と比べて1割ほど高いんですが、それでも売れるのは、何と言ってもヘルシーだから。
コレステロールゼロで本物の肉とほぼ同じだったら、健康志向のひとにはありがたいですよね。
アメリカ合衆国の肥満率が40%を超えている中で、「さすがにわてらヤバいんじゃない?」と気づいてしまった人たちが西海岸を中心に、ヘルシー食の生活をしています。
欧米で日本食が流行しているのも、その一環ですね。
そして忘れてはいけない要素は、欧米にはベジタリアンやビーガンといった、菜食主義者が多いということです。
動物の肉、魚介類を食べないよう生活をしているため、時に肉を食べたいという欲求をビヨンド・ミートが満たしてくれます。
彼らは別に肉という存在そのものをニクんでいるわけではなく、その成分や環境への悪影響などへの様々な観点から食べないだけなんですよね。
ビーガンやベジタリアンは欧米を中心に急激に増加しています。
「一生動物を食べないぞ!」と宣言をするわけですが、どうしても食べたい!という時は、ビヨンド・ミートで代用できるのは本当に救いの神だったのかもしれません。
ビヨンド・ミート社とは?
2009年に創業したシリコンバレーのベンチャー企業です。
菜食主義者の間ではもはや当たり前の存在になりつつあるビヨンド・ミート。
創業者はイーサン・ブラウンという男性です。
写真のビヨンド・バーガーを持って微笑んでいる男性です。
ビヨンド・ミート社を知るには、このイーサンのことを知る必要があります。
彼は若いころから菜食主義者でした。
当初の仕事は再生可能エネルギーの会社に勤めていました。
ビーガンは環境問題への意識が高いひとが多く、彼も持続可能社会の実現のために、再生可能エネルギーの会社に就職しました。
ところが、同僚たちが
リチウムバッテリーの効率を1%あげることに必死になっていながら、会議の後にはステーキを食べる
という光景に嫌気がさして、会社を辞めてしまいます。
何故ステーキを食べてはいけないのでしょうか?
それは、ビーガンの考え方を理解しないといけません。
ビーガニズムにも様々な考え方があるので僕も完全にはまだ理解できていませんが、イーサンが同僚の行為を嫌った理由は大きく以下の2つの要素があるように思います。(他にもあるかもしれませんが)
- 人間は動物を搾取することなく生きるべきだというビーガンとしての主義
- 牛のげっぷは大量の「メタン」を含んでおり、地球温暖化の要因のひとつに数えられている
同じ動物なのに人間が頂点に立ってその他の動物を搾取することをやめようというのが、ビーガニズムの発端のようです。
まあ100歩譲ってこの要素は、菜食主義者ではない人たちと仕事をするのなら目をつぶる部分ではあるでしょう。
問題は2つ目の要素です。
食用に家畜牛を大量に生産することは、そのげっぷに含まれる大量のメタンガスで地球温暖化を進行させていることになるので、イーサンの理想とはかけ離れていたということになるのでしょう。
電力効率を上げることは、火力発電などで使われる化石燃料から排出される二酸化炭素を減らす効果に繋がります。
それなのにメタンガスを大量に排出することには無頓着でいることに耐えられなかったというわけです。
そして彼はベンチャー企業「ビヨンド・ミート社」を設立するのです。
ビヨンド・ミートが世界の肉の中で比率を高めれば、食用牛の頭数が減り、メタンガスの排出量が大幅に削減できるはずです。
環境に優しく、菜食主義者でも食べられる。
まさに時代が要求した一挙両得の「未来の肉」だったのですね。
まとめ
ビル・ゲイツ氏やレオナルド・ディカプリオ氏も、菜食主義者のようです。
(ディカプリオ氏についてはスポンサーがらみで裏表があるというひともおられるようですが…)
まあそういう事情で、ビヨンド・ミート社に出資をしていることはいたって自然の成り行きです。
そうした莫大な予算がなければ、世界中から優秀な科学者をかき集めるなんてことはできなかったでしょう。
世界の優秀な頭脳が生んだ科学の肉。
なんと2018年中には、三井物産が日本市場での展開を予定しています。
これからどう世界に広がっていくのか楽しみですね。
ビヨンド・バーガーを販売している「BurgerFi」という人気のバーガーショップも、日本出店を狙っているとか。
きっと1号店は表参道とか原宿あたりなのかなあ。
出店したら絶対に食べに行きます!
そういえばこの肉、何かに似ているような…?
そうだ、冷凍豆腐だ。
豆腐を凍らすと水分が抜けてかたいスポンジ状になります。
にがり(塩化マグネシウム)の効果で色が黄色っぽく変色するので、焼くと食感ともになんとなく肉感を楽しめるようになります。
日本古来(?)のダイエット中のお肉として愛されてきた食べものですね。
実はこの大豆の性質を利用した製品は既に販売もされています。
例えばマルコメから発売されている、「大豆のお肉」。
ミンチタイプになっていて、そのままハンバーグなどが作れてしまいます。
日本のビヨンド・ミートが楽しめると思えば、これもまた試しておく価値はありそうです。
気になったらリンクからのぞいてみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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