水没した真備町に集まるボランティア
高梁川の支流だったはずの小田川がバックウォーター現象で決壊し、家屋を飲み込んだ岡山県倉敷市真備町。
いまこの町にも多くのボランティアがかけつけ、復旧にあたっています。
岡山県2890人以上のボランティアが作業に従事しているとみられています。
しかし、連日35度越えの炎天下での作業、熱中症により搬送される方が増えています。
2018年7月15日の時点で13人。
なんと29人中13人と、約半数が現地の方ではなくボランティアの方です。
現地ではとにかく手が足らず、ボランティアを欲している地域も多い。
しかし、病院は現地の被災者の方を診ることでも手一杯のはずで、その中でボランティアの救急患者も診なければならない。
ここに真夏の被災地ボランティアの難しさが浮き彫りになっています。
ボランティアの方は覚悟を持って現地へ赴きます。
その心持はいい加減なものなど無く、絶対に被災者の方のお役に立とうと決意して取り組んでいます。
その想いが強いがゆえに、ただ役に立ちたい、早くしたいという想いの他に、ある迷いが沸いてきます。
「自分は休憩を取っていいのだろうか?」
「他の方が頑張っているのに一人で休んでいいはずがないのでは?」
「被災者の方に少しでも喜んでいただきたいが、自分だけ休みずらいな?」
もちろんボランティアに向かうにあたり、準備しておくべきことを学習して挑んでいる方々です。
東北地震、熊本地震など災害を経験するごとに、ボランティアが事前に準備しておくべきことが周知され、そのルールに従った準備をしてくるようになりました。
そのルール則り、自分も作業中に無理をせず何分置きに休もうと「自分ルール」を決めている方も多いでしょう。
しかし真面目ゆえに、頑張るゆえに、「自分ルール」を守れなくなってしまいます。
倉敷市では15日、「20分作業したら10分の休憩をとること」とルールを決めました。
このようにルール化をしてもらうことで、休んでいいのか悩んでいたひとが、休むことも仕事だと周囲の目を気にせずに休憩を取れるようになります。
強制的に休憩をとるようルール化してあげることは大切だと感じました。
ボランティアと、会社で身体を壊すひとの構造は似ている
なんだか日本の会社でも同じことがあるような気がします。
有給が20日あるのに同僚がとっていないのでとれない。
上司や同僚が残業しているから帰りづらい。
別に上司も同僚も求めていなくても、遠慮し、気を遣ってしまい身体も心も疲れてしまう。
こうした社員の権利を守るため、上司が率先して定時に帰宅する、有給をとるということを求める企業も増えていますね。
仕事もボランティアも、身体が資本です。
身体を壊してしまい穴をあけることの方が迷惑を掛けてしまいます。
体力や能力は周囲のひとと同じではありません。
周囲に合わせるのではなく、「自分ルール」を守るように努力をしてください。
最終的にコツコツと継続して成果をだせば、その休憩はとるべきものだったと結果が証明してくれるはずです。
まとめ
ボランティアは適当に思いついたところを手伝うというより、ボランティアセンターがある地域を担当するように割り当てるようになってきています。
そこでチームリーダがいて統率がとれれば、休憩を取るよう指示も出せるのかもしれませんが、どうもそこまで全ての地域で組織的な活動ができていないように感じます。
リーダは統率を取るために作業をせず全体を見回していたとしたら、「見ていないで作業しろよ」という雰囲気になるでしょう。
もともとチーム単位で現地に乗り込んでいればまだしも、個人単位で寄り集まっただけの現場ではなかなか事前にリーダ決めというのはできないのが実情でしょう。
全員が作業者になります。
こうした事象は10人前後の小さな会社では起こりがちですね。
社長も営業マンとして他の社員と同じように動く。
そうすると、社長が帰社するまで帰りづらいから全員残って仕事をしている。
統率者がいるようで、統率されていない。
ボランティアは緊急事態でそんな余裕はない!と言われそうですが、半数が熱中症で倒れては病院にも作業現場でも迷惑です。
こうした夏季、屋外での大規模なボランティア活動においては、100%の地域でチームリーダを決めて統率を取り、地域間で連絡を取り合って人の移動も柔軟に行う。
既にボランティアセンターでは近いことをされているのかもしれませんが、熱中症で倒れているひとが続出している現状をみるとまだまだ統率をとる域には達していないはず。
きちんと機能するようになれば、被災者のお役にたちたいという想いが空振りさせることなく、効果的に作業を行えるようになるのではないでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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