専門学校生の事故死
image:プライムニュースイブニングより
2017年11月、専門学校生 森口修平さん(19歳)が飲酒運転の車にはねられて死亡した事件がありました。
はねたのは藤森雄三被告(40歳)。
その初公判が2018年11月8日に開かれました。
「危険運転」にあたるのかが焦点となっています。
事故の状況
image:プライムニュースイブニングより
画像は逮捕された藤森雄三被告(40歳)です。
犠牲となったのは北海道登別市に住んでいた森口修平さん(19歳)。
看護士を目指して専門学校に通っていました。
夜、交差点を青信号で渡っているところで、飲酒運転で交差点に入ってきた車にはねられ、頭蓋骨が破裂するほどの衝撃を受け死亡しました。
逮捕された藤森被告は
ジョッキでビールを数杯飲んだ
と供述しています。
呼気からは基準値の約3倍ものアルコールが検出されました。
事件を起こす直前、驚くべきことに藤森被告は酒気帯び運転で別の車とカーチェイスを繰り返していました。
やがて相手自動車と接触事故を起こし逃走。
その逃走途中で赤信号の交差点に入り、横断中だった森口さんをはねてしまいまいました。
なんとその時の時速は90キロだったことが分かっています。
事故直後、藤森被告の自動車に同乗していた女性が泣きながらあたふたしていた姿が目撃されているそうです。
初公判で危険運転を認めたのか?
image:プライムニュースイブニングより
危険運転致死罪などの罪に問われた藤森被告。
裁判官に起訴内容について聞かれた藤森被告は、黙秘しました。
image:プライムニュースイブニングより
弁護側は
赤信号に気付いてブレーキをかけたが
間に合わなかっただけで
危険運転にはあたらない
とあくまで過失であったことを主張し、検察側と争う姿勢を示しました。
検察側は
藤森被告は飲酒運転の発覚を免れるために逃走中で
森口さんをはねる直前にも2か所で赤信号を無視していた
と指摘。
それに対し弁護側は
接触事故を起こした相手から
同乗者を守るため逃走した
去年6月に左目の視力が低下する病気になった
などと説明し、赤信号を無視する意図がなかったことを主張しています。
なぜ危険運転か否かが焦点になるのか?
「信号規制に従う意志がなく、赤信号の交差点に進入したかどうか」がポイントになっています。
藤森被告側は、故意に信号無視をしたことを否認することで、過失運転致死罪の適用を主張するとみられています。
危険運転致死罪の最高刑は懲役20年で、過失運転致死罪の最高刑の懲役7年より量刑がかなり重くなります。
同時に起訴された道交法違反(酒気帯び運転)も成立すると、最高刑は23年になります。
酒気帯び運転は間違いなく成立するでしょう。
いかに刑を軽くするかどうかは、やはり危険運転だったか、単なる過失だったかで争われることになりそうです。
ここで言葉についておさらいします。
「故意」 = わざと。
「過失」 = うっかり。
すごく簡単にいえばこんな感じです。
カーチェイスの事故で焦っており逃走することに意識が集中し、かつ飲酒により状況判断力が極端に鈍っていた。
赤信号の交差点に「故意に」侵入して森口さんをはねたのなら、それは危険運転致死罪となるでしょう。
接触事故を起こした相手から同乗者を守るため逃走していたほどに冷静だった。
赤信号で交差点に進入したのは視力が落ちていたためなので「うっかり」森口さんをはねたという理屈が通るのなら、過失運転致死罪となるかもしれません。
個人的には藤森被告側の言い分は、ちょっと微妙な印象を持ちます。
「接触事故を起こした相手から同乗者を守るため逃走した」というのなら、事故で死なせてしまうことを考えればそもそもカーチェイスなどしない方が良かったのです。
なぜカーチェイスをしたいと思ったのかを問い詰めることで、酒に酔って正常な判断ができなかったということを認めざるを得なくなるかもしれませんね。
そうなれば冷静さを失って「わざと」赤信号でもアクセルを踏み込んだことが認定されるかもしれません。
まとめ
image:プライムニュースイブニングより
母親の博子さんは辛い心中を報道に語っています。
相手がどんなふうに
つらい思いをした修平に
償いをするか
考えるようになってきた
森口修平さんは事故後、20歳の誕生日を迎えました。
看護師として履くはずだった白いシューズを愛おしそうに見つめていました。
ご家族が本当に前進できるには、藤森被告がしっかりと罪を認めることなのかもしれませんね。
BuzFixではこれまでも何度も飲酒運転の危険性について記事にしてきましたが、改めて。
わずかな飲酒でも4時間以上、人によってはもっと身体に残ります。
アルコールが残っていると、自分では正常だと思っていても、実際は状況判断ができなくなっています。
飲酒運転は絶対にしないでください!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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