友人がホテル業界に転職をしました。
本社に入社して間もなく、佐賀県のホテルにヘルプで出向していきました。
佐賀県で人が足りない?
とも思ったそうですが、その背景には急激な中国人観光客の増加がありそうです。
今日も春節で訪れた団体さんでごった返しているそうです。
何故に佐賀県?
佐賀牛目当てかな?
福岡の屋台みたいな観光ガイドに載るような魅力ってあったかしら?
日本人にはなかなか理解しにくいところですが、 “シーフェイ” というはっきりとした目的がありました。
それでは、まずは外国人観光客が激増している背景からみていきましょう。
外国人観光客激増の背景は?
ここ数年で外国人観光客が激増していますが、こんな背景があるそうです。
訪日ビザの手続きの簡素化
経済力の確認は必要ですが、その確認が緩和されたそうです。
もう少し詳しく説明すると、過去3年で2回以上観光ビザ取得したひとは申請書類が簡素化されているらしいです。
沢山観光客が来てくれるのは観光収入という意味ではかなり貢献していると思いますが、地域の住民の方は交通機関の混雑などで生活に支障が出ています。
誘致だけではなく、もう少し平行して施策をしてもらいたいものですね。
LCCの開通
LCCで安く旅行できる手段が整ってきたことが挙げられます。
日本人にしてもこれまで海外旅行を控えてきたひとが、LCCで初めて海外旅行をしたというケースが増えているそうです。
当然ながら相手側の国にとっても同じ状況があるというわけです。
春節で大激増
image:東洋経済オンライン
こんな理由で激増している外国人観光客ですが、その中でも特に中国人の増加は著しいものがあります。
2月は春節のため、中国からたくさんの観光客がやってきています。
この時期の海外旅行者は700万人も!
その中から50万人くらいが日本にやってくるだろうとみられているそうです。
過去は年間でも100万人くらいしか来ていなかったのに、ここ数年で爆発的に増加しているようですね。
2月の1週間弱という春節の短期間でこれだけの人数が押し寄せるわけなので、それはもう、人気のある地域はごったがえすわけです。
その中でも特に増加率が顕著な県は…
青森県、大分県、佐賀県です。
え!?
佐賀県も?
あのSAGA佐賀?
佐賀県の魅力に気づいた中国人観光客
image:いつもNAVI
以下は「延べ宿泊者数前年比」です。
これは伸び率なので、人数では無いことに注意してください。
1位 | 青森県 | 60.3%増 |
2位 | 大分県 | 59.3%増 |
3位 | 佐賀県 | 51.9%増 |
参考:観光庁・2017年速報値
東京、大阪、北海道も伸びてはいますが19位以下。
増加率でみると地方には遠く及びません。
これまで外国人観光客といえば東京、大阪、北海道でしたが、どんどん地方に分散して来ている事実がこのランキングで明らかになりました。
その中でも3位につけている佐賀県。
なかなか観光旅行で積極的に行こうという日本人は少ないように思います。
日本人が佐賀県の魅力に気づけていないだけなのだろうとは思いますが…。
はなわが『SAGA佐賀~♪』と歌ったことでしっかりアピールされましたが、果たして佐賀県に殺到するかというと?
『がばいばあちゃん』もヒットしたけど、佐賀県に行こうと思うかというと…?
日本人でさえこんなありさまです。
青森県は温泉やスキー場、大分県にも由布温泉など有名な温泉があるのでイメージが湧きやすいですが、何故中国人が佐賀県に殺到するのでしょう?
佐賀県にシーフェイしに行く
image:icotto
佐賀県といえば佐賀牛が有名です。
美味しいですよね~佐賀牛。
image:co-trip
もちろん佐賀牛を食べるのも目的のひとつですが、それだけではありません。
佐賀県が中国人観光客に知ってもらえた理由は、先にお話ししたLCCの影響が大きいようです。
佐賀空港には中国の唯一のLCCが就航しています。
上海から佐賀空港まで1時間半でこられる直行便です。
佐賀県にはもともと就航便が少なく、中国のLCCが参入しやすかったようですが、唯一のLCCを誘致できたのは大きいですよね。
安い時期には片道3000円からで来られるのが魅力です。(繁忙期には10倍くらいに膨れますが)
これは佐賀県を選ぶ理由になりますよね。
そしてもう一つ、大きな要素が “シーフェイ” です。
シーフェイというのは、”洗肺” と書きます。
中国ではシーフェイ=洗肺が大人気なんだそうです。
地方などで澄んだいい空気を吸って肺を洗いましょう!ということみたいです。
北京など特に東側の大都市圏ではスモッグや黄砂で10メートル先も見えないような日があるくらい、大気汚染が酷いと聴きます。
以下の画像はCNNさんでお借りした天安門広場の写真です。
うわ…真っ白。
日本の大気汚染も酷い時代がありましたが、国の首都がここまで酷いのはちょっと考えられませんね。
これでは肺を洗いたくもなるか…。
image:CNN.co.jp
佐賀県を「まるで桃源郷」と例える中国人が多いようです。
桃源郷のイメージとは「山、民家、田園、花」。
佐賀県にはこのすべてが揃っています。
image:古い町並み、茅葺き屋根,日本棚田百選,風景、廃家、花の写真紀行
古き良き田園風景。
棚田。
日本人も憧れる郷愁がここには残っています。
中国人の皆さんも、ここにかつての自然豊かな中国を重ねているのかもしれませんね。
(西の方へ行けばいくらでも残っているはずですが、日本の方が近いのでしょう)
他の県はもう行ったし、LCCが開通したことだしちょっと行ってみるかと足を運んでみたら、その素晴らしさに気付いたというわけですね。
あれ?
でもこのイメージって、日本の他県にもありそうな…?
手段と目的の明文化が重要
綺麗な空気を吸いに佐賀県に殺到していることが分かりました。
写真を見てもらえば分かる通り、殺到する気持ちはよく理解できます。
それはシーフェイという目的ができたからですね。
青森ではスキー。
大分では温泉。
福岡では屋台。
そんなふうに、佐賀県ではシーフェイという目的が明文化がされたので、観光客が食いつきやすくなったのかもしれません。
成功例に習ってこれから中国人観光客を誘致したいなら、こんな作戦で取り組んでみたら良いのかもしれませんね。
①どういう手段で
SNSを活用?(青森県はウェイボにアカウントを作ったとか)
LCCを積極的に誘致?
②何を目的として明文化させるか
スキー、パウダースノー
温泉
シーフェイ
もっと観光客誘致したい他県にも、きっと気付いていない魅力があるはず。
佐賀県はたまたま、LCCという手段を用意して、中国人のシーフェイしたい気持ちにハマって誘致に成功しました。
何もスキーや温泉、有名な屋台だけじゃありません。
実はもう素晴らしい魅力を持っているのに、知られていないだけなのかもしれません。
宣伝もマスメディアやガイドブックだけじゃありません。
むしろSNSの方がダイレクトに刺さるので、昨今では積極的に活用されるようになっています。
お客様の気持ちになって何を求めているかを知り、求めているものをどう提供できるのかを考え、広告で上手に情報を届ければ第2、第3の佐賀県になれるのかもしれませんね!
最後に、佐賀県のPR動画を2つご紹介します。
これはなかなかよくできていてオススメです!
是非音を出して観てもらいたいので、お手すきのときに楽しんでくださいませ♪
ここまでお読みいただきありがとうございました
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