ついに韓国への対抗措置を開始か
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2019年7月4日から、経済産業省は韓国にたいして半導体材料など輸出規制を強化します。
韓国はこれに猛反発を示しています。
「両国関係に否定的な影響を及ぼす」
「経済戦争だ!」
「経済報復だ!」
韓国は徴用工問題の対抗措置とみていますが、日本政府はそれを否定しています。
これは菅官房長官の記者会見での説明です。
安全保障を目的に輸出管理を適切に実施する観点からその運用を見直すものであり、対抗措置ではないと明言します
さて、この説明は本意と捉えて良いのでしょうか?
客観的にみれば対抗措置としか思えませんよね。
G20で安倍首相と文在寅大統領はほんの数秒握手を交わしたのみでなんら交渉をする場も持ちませんでした。
これだけ両国がひっ迫した問題を抱えているにも関わらず、膝を交える機会に言葉すら交わさなかったわけです。
日本政府はG20までに徴用工問題について韓国政府が具体的な措置をとるよう求めてきましたが、韓国政府はむしろ日本側に対応せよという公式見解まで示していました。
これでは安倍首相も冷え切った態度をとらざるをえませんでした。
その直後での今回の輸出規制強化です。
政治というものは握手をしながらデスクの影で蹴り合っているものです。
菅官房長官の説明も建前という理解で良いのではないでしょうか。
もちろん韓国はしっかりと報復という理解で受け止めていますし、それが正しい理解でしょう。
具体的な製品は?韓国への影響とは?
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輸出規制を強化するのは以下3品目です。
フッ化水素
フッ化ポリイミド
レジスト
3品目は半導体やスマートフォンのディスプレイなどの製造に必要不可欠です。
日本が世界で大きなシェアを持っています。
韓国も日本からの輸入に頼っており、スマートフォンを製造するサムソンが韓国経済を支えていることを考えれば「韓国の生命線」と言えます。
これまで韓国は、輸出許可の手続きが免除される優遇措置対象となっていましたが、2019年7月4日以降は個別に政府の輸出許可が必要となり、約90日がかかるようになります。
現時点で韓国国内の在庫が3か月分という情報もあるため、90日間輸入できなければ枯渇してしまうことになります。
そうなればサムソンなどの企業がスマートフォンの製造をストップせざるを得なくなり、韓国経済は大打撃を受けることになります。
※在庫は1か月分というマスメディアの情報もありましたがその場合さらに喫緊の問題ということになりますね。
日本経済界は政府の味方か?
日本経済界は日本政府の対応に理解を示しています。
経済同友会の桜田代表幹事は、
政府のメッセージを真摯に受け止めて早く正常な状態、実害が広がる前に正常な状態に戻って欲しい
と述べました。
韓国経済が悪化すれば、日本経済にも影響が及びことは当然ながら懸念しているでしょう。
それでも今回の措置に理解を示したのは、日本側のダメージが韓国にくらて大きくないという見解を持っていることに加え、徴用工問題で莫大な賠償を求められているのが民間企業だからでしょう。
韓国裁判所の判決が日韓の条約を無視したものであることは明らかで、それでは国家間、人間と人間の信頼は成立しません。
政治と経済は別という方も多いと思いますが、その根底にある「信頼」は共通のはずです。
自分たちの生活になぞらえて考えてみましょう。
お金をたくさん積まれても、何度も約束を破った相手を信頼はできないため、また裏切られるのではないかと思うのが普通ですよね。
いつか積まれた金以上の損害を与えられるのではないかと不安になりますよね。
国家間でも信頼関係が壊れた状態で円滑な経済関係を維持できるわけはありません。
日本経済界のメッセージは、韓国政府が条約に基づいて国内で問題を収めることが日韓の信頼回復に必要だという認識を示しています。
ブーメランは本当か?
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とはいえ「さらなる税率をあげるなどの措置が問題を解決するとは思わない」と政府に対して釘をさすこともわすれていません。
経済界が恐れているのは報復合戦になり、日本にブーメランとして返ってくることです。
韓国のスマートフォンや、有機ELディスプレイといった製品を輸入する企業はダメージを受けることになるでしょう。
税率が上がればそのまま製品価格に上乗せされることにもなります。
日本に対してブーメランになるとすれば、こうした製品価格の上昇がひとつ考えられます。
ギャラクシー(サムソン製)なんて買わないから関係ないし
と今は豪語していられますが、日本で販売されている製品の中にいったいどのくらい韓国企業の部品が入っているのかの実態が見えていませんよね。
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テレビには韓国製の有機ELが使われています。
韓国が日本の部品を使う反面、日本も韓国の部品を使っているのは事実です。
韓国にくらべて日本は致命傷を負う要素はありませんが、必ず経済的にダメージを負う日本人も現れるでしょう。
その時になって
日本にもブーメランが刺さった
と政府を批判する言論人が沢山発信されるのでしょうね。
経済界としてはそうした部分への配慮を示したのではないでしょうか。
もっと懸念すべきは、日韓の報復合戦をしている間に中国に商機を奪われていくことです。
生産ラインが中国に移る可能性もありますし、値段が上がった日韓の製品よりも価格的優位がある中国製品が販売量を増やすことになります。
その商機を中国は確実に狙っていると考えておくべきです。
Amazonで中国製品がいくら売れたところで日本国内にお金が回らないことを認識しておくべきです。
このブーメランの方が長期的にみて深く効いてくるかもしれません。
日本政府は韓国政府の恐れを理解して取引すべし
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日韓で報復合戦となれば、日本はたいしたダメージは無いという評論家も多いようです。
しかし感情に任せて、近視眼的になってもいけません。
どんなにいがみ合っても、物理的距離が近いことだけは絶対に変えようがありません。
北朝鮮のような国のミサイルの射程に入ってしまう、そんな物理的関係です。
今回の措置は実は本格的な報復に至る前段の、最終通告とみるべきです。
これまで言葉で再三警告を発してきた日本政府の脅しです。
その意味では日本政府は韓国政府に比べ、遥かに冷静と言えます。
韓国政府は感情的にならず、過去の政府の失政を反省し、賠償などを含めて国内問題として扱うように舵を切るべきでしょう。
そこで懸念されているのは、過去の大統領がほとんど非業の最期を遂げているという事実です。
日本に膝を折って屈服し、実は賠償金は過去の韓国政府が使いこみましたと国民に真実を伝えればどうなるのでしょう。
まず文在寅政権は転覆しますよね。
そして感情的な国民と司法ですから、何故か過去の政府の責任を負わされることになるのでしょう。
文在寅もただでは済まないはずです。
韓国政府がこれを恐れているとしたら、日本政府はそこに手を差し伸べてあげれば良いのではないでしょうか。
日韓がきちんと話し合いどのように韓国国民に説明をすべきかを決めたらいい。
韓国政府の立場を保証するためには、日本もある程度負担を負う必要があるでしょう。
その負担は最低限に抑えるように毅然とした態度で交渉を行うことです。
何も痛みを伴わずに問題を解決できる段階ではないことは感覚的に分かっているはずです。
ただ…
昨今の政治家に本当の交渉が出来る大物が現れるかどうか。
トランプ大統領は良くも悪くも様々な見方がされていますが、よく口にする「DEAL」という言葉にトランプの本質があると思います。
DEAL(取引)という言葉をこれだけ口にする大統領は過去にいたでしょうか。
ビジネスマンのトランプは、政治でも取引をしています。
トランプは政治の本質も取引だということを本能的に理解しているのでしょう。
韓国政府は国民を恐れています。
日本政府はその恐れを理解して「DEAL」を進めるべきではないでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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