小売業、介護職のような就業人口3割が最もボーナスが少ない問題。夏のボーナス平均を業種で眺める。賞与なしきつい会社から転職してワーキングプアから抜け出す。

小売業、介護職のような就業人口3割が最もボーナスが少ない問題。夏のボーナス平均を業種で眺める。賞与なしきつい会社から転職してワーキングプアから抜け出す。

ボーナスとは?

 

 

ボーナス、それは賞与とも言いますね。

ボーナスが出たらアレを買おう、どこへ行こう、と想像を膨らましている方も多いでしょう。

 

 

また、夏と冬のボーナスをあてにしてローンで買い物をする場合も多いのではないでしょうか。

ボーナス(賞与)とはどういう賃金なのかを改めて確認してみましょう。

 

賞与(しょうよ)とは、定期給の労働者に対し定期給とは別に支払われる、特別な給料のこと。

(中略)

賞与の支給については労働基準法に定めがなく、法令上支給が強制されているものではないので、支給の有無やその計算方法、支給時期等は原則として各企業の任意である。

(中略)

一般的な4月~翌年3月の1年間を会計年度とする企業では、4~9月までの企業の業績や従業員の実績、労働組合との交渉状況等を基にした賞与を12月に、10月~翌年3月までの企業の業績等を基にした賞与を6月に支給すると定めることが多い。

出典:Wikipedia

 

このように、ボーナスとは、企業ごとに支払いの条件は自由に決められるものですが、企業の業績や従業員の実績、労働組合との交渉状況等を基にして金額を決定することが多いようです。

日本も年功序列型賃金から能力給にシフトするようになってからは、従業員の実績が加味される企業も増えてきましたが、大局でみれば圧倒的に企業の業績が金額を左右すると言えます。

ボーナスの一般的な考え方は「社員の頑張りに対するねぎらい」なので、金額は組織の中で均等に配分されます。

そのため、業績が良く、沢山儲かった企業ほど、ひとりあたりのボーナス額が増えるというわけです。

業績が悪く赤字の会社はボーナス全カットなんてザラにありますね。

では、このボーナス、業種ごとにどの程度差があるものなのでしょうか?

 

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夏のボーナス過去8年間の各業種ランキング

 

 

以下の表は厚生労働省のデータをもとに、過去8年間の各業種のボーナス平均額を集計したものです。

5人以上の組織から対象となっているのデータなので、平均すると少し目減り感がありますが、業界間の感じを掴んでもらうには良いと思います。

業種の補足を入れると、「その他のサービス業」は管理、補助的経済活動を行う事業所、集会場などを行う企業です。

「複合サービス事業」は協同組合といった企業です。

「生活関連サービス等」はかなりいろいろな企業をひっくるめていて、娯楽業を含め以下のような業種が含まれます。

  • 洗濯業
  • 理容、美容業
  • 浴場業
  • 旅行業
  • 家事サービス業
  • 衣服裁縫修理業
  • 火葬業、冠婚葬祭業
  • 劇場、楽団、舞踊団
  • 競輪、競馬等の競走場
  • スポーツ施設提供業
  • 遊園地、テーマパー ク

 

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では、まずはざっと眺めてみてください。

 

参考:厚生労働省

 

上位3業界の強さが際立ちますね。

上位3業界についてそれぞれ説明を加えます。

 

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1位は「電気・ガス業」で、他業種よりもかなり多いです。

イメージで街の電気屋さんがエアコンを付けてるひと?とか考えそうですが違います。

東京電力などの電力事業、東京ガスなどのガス供給事業といった、大規模なライフラインを扱う企業です。

ライフラインなので公共事業として国や自治体と繋がっており、安定して高い利益を産み出すことができます。

 

2位は「情報通信業」です。

NTTを始めとする固定電話、携帯電話の会社、インターネットプロバイダー、テレビ、ラジオ、情報処理、ゲームメーカといった企業です。

ソフトバンクなどかなり儲かっているようですし、いわゆるIT業界が含まれるので、「一応」元気のある業界でしょう。

でも慢性的な人出不足という大きな問題も抱えています。

 

3位は「金融業、保険業」です。

銀行、クレジットカード、消費者金融、生命保険、損害保険といった企業です。

銀行や保険会社は大卒で就職したいランキングで今でも上位に入ってくることからも、賃金の高さが魅力です。

 

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そして触れておかなければならないのは、最下位の飲食サービス業です。

もう桁が違ってしまっています。

大規模にチェーン展開して儲かっている飲食店ではある程度普通にボーナスがもらえている場合もありそうですが、賃金と労働時間のバランスがおかしくブラック企業と烙印を押されてしまうような企業が含まれており、いわゆるワーキングプアもここに含まれているような気がします。

 

とどめになってしまうかもしれませんが、積み上げグラフにしてみました。

上位と下位でここまで違うと、10年スパンでみた場合の生活の質が大きく変わってくるということが想像できますよね。

参考:厚生労働省

 

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業界間の浮沈をみてみよう

 

 

以下のぐらグラフは、夏のボーナスの過去8年間を業界ごとに並べたものです。

まずはざっと眺めてみてください。

参考:厚生労働省

 

上向きの業種と、そうでない業種がかなりはっきりとみえましたね。

ここから、以下のようなことが分かります。

 

大きく浮き沈みしている業界
電気・ガス業界鉱石・採石業等、複合サービス事業、不動産・物品賃貸業情報通信業建築業製造業

浮き沈みが少ない業界
金融業・保険業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、医療・福祉、その他サービス業、生活関連サービス業、飲食サービス業等、複合サービス事業、教育・学習支援業

上り調子の業界
電気・ガス業界情報通信業、学術研究等、製造業不動産・物品賃貸業金融業・保険業建築業複合サービス事業鉱石・採石業等

下り坂傾向の業界
教育・学習支援業、飲食・サービス業等、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、医療・福祉、その他サービス業、生活関連サービス業

 

ボーナスの金額は会社の業績が大きく作用するため、その浮沈をみると、どういう性質かがおぼろげにみえてきます。

この中で一番良い業界は、浮き沈みが少なくて、上り調子の業界(安定した成長企業)が良いに決まっています。

それは、「金融業・保険業」「複合サービス事業」ということでしょう。

次に良い業界は、過去に大きく浮き沈みがあっても、上り調子の業界ですね。

それは、「電気・ガス業界」「鉱石・採石業等」「不動産・物品賃貸業」「情報通信業」「建築業」「製造業」でしょう。

「建築業界」はオリンピック需要が来ています。

それ以外の業界も、下り坂傾向とはいえ、大きく下っている傾向はみえないので不安になることは無いと思います。

ただ気になるのは、やっぱりこのグループの中に、頻繁にブラックと呼ばれる企業が含まれていそうですね。

 

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日本の就業者数とボーナスの比較

 

 

次のグラフは、「産業別就業者数(男女計、就業者数計=6,530万人、2017年平均)」です。

上にある業種ほど、就業人口が多くなります。

就業人口が多い産業は「卸売業,小売業」「製造業」「医療,福祉」で、全就業者の45%がこれら3つの業界で働いていることになります。

 

出典:労働政策研究・研修機構

 

最上位にくる業種は「卸売業・小売業」で、日本全体の16.5%を占めています。

3位の「医療・福祉」は、日本全体の12.5%を占めています。

この業界のひとたちがもらっているボーナスは、いずれも下位に位置しています。

(前項のランキングと見比べてみてください)

日本全体の就業人口のうち3割が、こうした零細企業や悪条件の労働環境で仕事をされている実態がおぼろげにみえてきましたね。

不思議なことに「医療・福祉」の中には病院が含まれており、医師や看護師は比較的安定した収入を得ているはずです。

ここまでボーナス平均を押し下げているのは福祉業界でしょう。

介護などの福祉業界は高齢化社会を支えるため年々就業人口が増えており成長産業となるはずなのに、どうしてこんなことになっているのでしょうね。

ボーナスがほぼ無いような会社で仕事をされている方も多いのではないでしょうか?

ここに日本の社会問題さえ垣間見えてきました。

 

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まとめ

 

 

誰もが、浮き沈みが少なくて、上り調子の業界で仕事をしたいと思っているはずです。

安定して沢山お金をくれる会社に勤めたいと思っていますが、学歴や知識が要求される仕事なので、どうしても人を選びます。

ボーナスの多い上位3業界というのはやっぱり技術や学歴がものを言う仕事ですもんね。

でも、この3割のひとたちの賃金があがらないと、物価って上がってこないような気がするんですが、どうでしょ?

これからどんな仕事をしよう、と考えている新卒者や、転職を考えているかたに、少しだけ気づきを得てくれたら幸いです。

また、願えるなら、上位の仕事をされていた能力や技術のある方が、飲食業界や福祉業界で起業し、どんどん賃金水準を高めていってもらえるとより良い社会になっていきそうな気がしませんか?

新しい世代には、末端の従業員から搾取をせず、社会に貢献する意識をもった立派な社会人に育っていってもらえると嬉しいですね。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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