日大アメフトの危険タックル事件についての謝罪会見
2018年5月22日、日大の危険タックルに関して、宮川選手から謝罪会見がありました。
その翌日、2018年5月23日、日大の危険タックルに関して、内田前監督と、井上奨コーチによる謝罪会見が行われました。
関西学院大学の選手は負傷を負い、関西学院大学の監督は記者会見で激怒していました。
事件直後の日大監督からの、選手の受け取り方のせいにする態度に対しても、かなりご立腹でした。
当然ですね。
参照:産経ニュース
加害者選手である宮川泰介選手(20)が前日の22日に、謝罪会見を行ったことを受けての、「後出しじゃんけん」だという批判をあえて受けての緊急記者会見になりました。
次項から、宮川泰介選手の謝罪会見での回答と、内田前監督と、井上奨コーチの謝罪会見での回答をそれぞれ整理してみましたのでお読みください。
- 事件前
- 事件後
- その他
という3項目に分けて整理しています。
とても長い記者会見ですが、動画も参照させていただきました。
要約でだいたいわかるようにしましたが、お時間があればそちらもご覧ください。
宮川泰介選手の謝罪会見での回答
出典:mainichi.jp
事件前
- 日本代表を辞退するよう言われた
実戦にだしてもらう条件として相手のQBを潰すことを条件とされた - 危険プレーは試合前日に内田前監督から、井上コーチを通して「潰せ」という指示で行った
- 相手選手をワンプレーめで「潰せ」とあったのは自分へ特別な指示だった
- 上級生の先輩からも追加で伝えられて、「QBに怪我をさせる」と捉えた
指導と受け取り側の乖離は無いと思っている - 試合前に内田前監督に反則の実行を伝えると、「やらなきゃ意味ないよ」と言われた
井上コーチから「思いきり行ってこい」「できませんじゃ済まさないぞ」と言われた
事件後
- 退場の後泣いていたらコーチから「優しすぎるからダメなんだ」と言われた
- 周りから言われたら、「俺(監督)がやらせたと言え」と言った
(一応当時はかばう姿勢は見せていた) - 退部を申し出ると「お前の責任は終わっている」と言われた
- 父から直接謝罪をしたいと言ったところ今は辞めて欲しいと言われた
公表もできないと言われた - 内田前監督、井上コーチから会見を前に口止めは無かった
その他
- 内田前監督とは意見を言い合えるような関係では無かった
- 井上コーチへの信頼はあったが、監督は信頼関係はわからない
- 具体的な指示は内田前監督からコーチ陣を通しているので、今回も元は内田前監督だという認識
- アメフトを続けるつもりは無い
- 内田前監督、井上コーチの指示があっても実行したのは自分なので責任逃れはしない
- やらなければ試合に出られなくなるという強いプレッシャーで追い込まれていた
反則するかどうかの判断ができなかったのは自分の弱さである - 今回の反省として、自分の意志に反することはするべきじゃないと思った
宮川選手の謝罪会見の様子
※転載動画は削除されていたため、記事からも削除いたしました。
内田前監督と、井上奨コーチの謝罪会見での回答
出典:BLOGOS
あまりに宮川選手の発言を否定する言葉が多いので、その部分を赤字にしてあります。
事件前
- 結果を出すようプレッシャーは掛けていた
- 「相手選手が怪我をして秋の公式戦に出られなければ得だろう」という話はしていない
- 宮川選手の発表内容はあっているが、
「潰してこい」と言ったが怪我を目的としては言っていない【断言】
過激な言葉は使ったが「思い切って我武者羅にやって欲しい」という意味だった - ルールを守るのは前提なので、どんな激しい指示をしてもラフプレーは選手の問題である
- 内田前監督からコーチに「潰せ」という指示はしていない
- 内田前監督は、試合前にもらった反則の直訴は聴こえていなかった
あくまで出場を決めたのは井上コーチ
「やらなきゃ意味が無いよ」と言っていない - 「関学との定期戦が無くなってもいい」と言っていない
- 「得」という話はしていない
- 「怪我」という言葉を使ったかどうかは記憶にない【否定をしない】
- QBを潰せということは、潰すほどのタックルしろということだった
「怪我をさせる」と受け取らせたのは指導ミスだと感じていた - ラフプレー後に止めなかったのは、判断ミスだった
事件後
- ラフプレーの後に宮川選手の頭をポンポンしたのは意味は無い
反則をねぎらったわけではない - 内田前監督が反則直後に宮川選手を退場させなかったのは、ボールをみていたため見落としていた
- 試合後に反則について指導をしなかったのは、ビデオをみていなかったから
- 宮川選手がルールを逸脱したのは自分の判断(誤解、プレッシャー)で行った
- 事件後のミーティングで事実を捻じ曲げて発表するしかないとは言っていない
- 試合後の会見ではラフプレーを容認したのは、監督に批判を集めて宮川選手を守るためだった
- 宮川選手の父から謝罪の申し出を止めたのは、まずは内田前監督が直接出向き謝罪すべきと思ったため
相手からの電話でのアクションを待っていた
文書が届いたので、今後は文書でのやり取りになると判断していたことは甘かった - 宮川選手の会見に同席しなかったのは誘われなかったため
その他
- 2017年にフェアプレー賞をもらっており、普段からルールは守っている
- 「潰す」という言葉は他の大学も使っているはずだ
- 宮川選手の会見については、宮川選手が「金属疲労」していたことに気づかなかったと感じた
- 宮川選手は期待していたので辞めないで続けて欲しい
- 宮川選手の焦りに気づかなかったことが原因である
- 相手の選手に怪我をさせる方法を指南はしていない
内田前監督と、井上奨コーチによる謝罪会見の様子
※転載動画は削除されていたため、記事からも削除いたしました。
決定的な矛盾点
宮川選手と、内田前監督・井上コーチ側の意見にが全くの矛盾点があります。
また、井上コーチの説明自体に重大な矛盾もみつかりましたので指摘してみます。
井上コーチの説明での矛盾点
- 初めに「潰してこい」と言ったが怪我を目的としては言っていないと断言しています。
その後、「怪我」という言葉を使ったかどうかは記憶にないと、肯定も否定もしない回答に変わりました。
マスコミの相次ぐ質問に対して、内田前監督よりは混乱し論理矛盾を起こしていた可能性があります。
内田前監督の説明での矛盾点
- 宮川選手が内田前監督から「やらなきゃ意味ないよ」と言われたと証言していますが、内田前監督は直訴が聴こえておらず、それは言っていないと説明しています。
あくまで指示出しはコーチ陣が行っているとのこと。 - 「フェアプレー賞をもらっており、普段からルールは守っている」という説明があったが、今回の問題のプレーの他にも宮川選手は3回も反則行為を繰り返しており、何故すぐに下げなかったのでしょうか。
判断ミスと言っていましたが、3度も同じ選手が繰り返すのに一度も下げて指導をしなかった監督、コーチが「フェアプレー賞をもらっている」と胸を張るのは非常に違和感を感じます。
自己弁護と現実のギャップに大きな矛盾があった象徴的な言葉では無いでしょうか。
宮川選手の説明での矛盾点
マスメディアの報道では、「QBが怪我をしていたら得だろう」ということを井上コーチ自身が言ったとされていますが、会見での宮川選手の説明を聴いていると、少し発言がブレている部分も見受けられました。
公平性を保つためにも指摘をさせていただきます。
【宮川選手の会見動画 その1 3:40あたり】
井上コーチから「潰してこい」という指示をうけた後に、ポジションの先輩たちから追加で「潰してこいとコーチから言われている」と聴いた
と証言しています。
【宮川選手の会見動画 その3 1:45あたり】
井上コーチからは「潰せ」と言われた。
上級生の先輩を通じて、「アラインはどこでもいいから潰してこい、秋の関学との試合でそのQBが怪我をしていたらこっちが得だろう」という言葉もあり、怪我をさせるという意味で言っているんだろうと僕は認識していました。
それで、潰せを怪我をさせろと捉えた。
と証言しています。
その1の証言では、井上コーチが「怪我をさせろ」と言ったあとに、先輩からも同じことを念押しされたと言っています。
その3の証言では、井上コーチは「潰せ」とだけ言い、先輩から怪我をさせろという意味だ」のように念押しされ、監督が怪我させることを望んでいると解釈したと言っていますね。
仮に宮川選手の記憶が混濁していたとしたら、井上コーチは「潰してこい」とだけ言い、先輩たちからはこれまでの経験上、「潰せということは怪我させろという意味だよ」と念を押されたという可能性は否定できません。
監督者が直接反則の指示は出さずに、歴代で受け継がれてきたことから忖度できる先輩が、宮川選手に「真の意図」伝えるという構図があってもおかしくはないのかなと思いましたが、どうなんでしょうね?
その為、宮川選手に「怪我をさせてこい」とは指示をしていない可能性はあるのかもしれません。
ただ、少なくとも先輩方もそう判断したということは、これまでも「潰してこい」ということは「怪我をさせろ」という意味だと判断させることがあったからではないでしょうか。
今回直接指示をしたかどうかはグレーだとも思えますが、井上コーチの説明で「怪我という言葉を使ったかどうかは記憶にない」と、当初は否定していたものを変えたことが極めて怪しいですね。
この辺りの発言のブレについては、マスメディアで指摘が無かったように思いましたので、あえて指摘させていただきました。
今後の対応
記者からも質問がありましたが、刑事事件として大阪府警が受理したため、取り調べで内田前監督と井上コーチが今回と同じ釈明をすると、宮川選手だけが立件をされてしまう可能性があります。
状況をみると、これはとても理不尽に思えます。
高校時代から面倒を見ていた井上コーチは、それは望んではいないということですが、どう釈明をするのでしょうか。
府警への説明では一人ずつになるでしょうから、内田前監督とは異なる説明をする可能性はあるでしょうね。
井上コーチには、是非真実を明かしていただきたいところです。
内田前監督の処分は、第三者委員会を立ち上げて調査をし、その間は常務理事を停止し謹慎処分だそうです。
第三者委員会の結果を持って日大の判断となりますが、ほとぼりが冷めるまでの時間稼ぎにならないことを祈ります。
日大の司会者の対応
日大の司会者の対応を批判する声が出ています。
米倉さんという広報部長の方です。
ツイッターでは「司会者が最悪」「火に油を注ぐような対応」という声が相次いでいます。
謝罪会見は当初は、記者からの質問に対して淡々と回答をする流れでした。
開始から1時間半ほどで、司会者が質問を制する場面が目立つようになりました。
「もう終わりにします」
「もうやめてください」
と会見の打ち切りを宣言する司会者。
日大側から呼び出して置いて、それは無い。
当然記者側からは納得できる回答を引き出すまで質問を続けたい。
司会者からは、痺れを切らしたかのようにこの言葉。
「やめてください。もうこれ以上やっているとキリがないし、だいたい同じ質問が繰り返されているので、これで会見の質問は終わりとします」
一度は、内田前監督は質疑を続ける意思を示しましたが、司会者はそれを遮って、
「記者会見はこれで終わります」
「もう十分聞きました」
と、打ち切る姿勢を貫こうとします。
十分話した、聴いたかどうかは、マスコミと2人の納得性だと思うんですが。
「この会見は、みんな見てますよ」
という声に対して、
「見てても見てなくてもいいんですけど。同じ質問を繰り返されたら迷惑です」
と発言していました。
「司会者のあなたの発言で、日大のブランドが落ちてしまうかもしれない」
という呆れの声に対しては
「落ちません。余計なこと言わず」
と強弁。
こういう記者会見の司会を初めてやったために、似た質問ばかりがされ痺れを切らしたのかもしれませんが、それにしても酷い対応ですね。
元大阪市長の橋下徹氏は酷評しています。
日大アメフト部の監督・コーチの記者会見。中身については色々言いたいところがあるけど、何よりもあの司会者が最悪だね。危機管理対応の記者会見なのに、あの司会は何なんだ?ほんと日本大学の危機管理能力は全くないな。日本大学危機管理部は何してる!!
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) 2018年5月23日
まとめ
宮川選手に下心は一切感じません。
自分が勝手に判断をしてやっていたわけではないなど言い訳をしたいとか、そんな思惑は微塵も感じませんでした。
素顔までさらして、指示を受けたとしても断れずに反則行為をやってしまった自身の弱さを心から悔いている気持ちがよく伝わってきました。
それに引き換え、大の大人たちの態度はなんでしょう。
井上コーチは「内田前監督への忖度」「今後の自身の進退」がよく伝わってきます。
内田前監督は「常任理事には残れるよう自己保身」「刑事告訴を見越して論理矛盾はないように」がよく伝わってきます。
日大の司会者は「刑事告訴をみこしてボロを出さないよう早く切り上げたい」という感じでしょうか?
純粋に「早く帰りたい」というふうにも見えましたけどね。
宮川選手は、会見で述べていた通り、大学に入ってから厳しくて、アメフト自体が嫌いになりかけていたということです。
この件がきっかけで、本当に嫌になってしまったかもしれませんね。
でも、こういう素直でまっすぐなひとには、必ず手を差し伸べてくれる大人もいるので、まずは罰を受け、前を向いて欲しいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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