レオパレス21はまさに倒産の危機に直面。深山社長は界壁問題が「コスト削減」「手抜き」だったことを認めた。株価の下落が止まらない。

レオパレス21はまさに倒産の危機に直面。深山社長は界壁問題が「コスト削減」「手抜き」だったことを認めた。株価の下落が止まらない。

レオパレスの界壁問題


image:産経新聞

 

2018年にレオパレスが公表した「界壁問題」。

2019年2月7日の報道で、調査の状況と「必要な引っ越しの数」について驚くべき内容が告げられました。

株価は下落し続けており、まさに倒産の危機と言える状況になってきました。

深山社長はこの発表で過去の発表内容を覆す発言をしています。

それはまさに、レオパレスという会社がどういう会社なのかを表しているかのようでした。

 

BuzFixでもこの問題について追い続けてきました。

当時の詳しいことについては、本記事の最後に記事のリンクを掲載しておきましたので併せてお読みください。

 

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レオパレスの界壁問題はさらなる炎上

2018年5月29日、初めてレオパレスが「界壁問題」を発表した際には、3万7853棟を調査し、その時点では少なく報告がなされていました。

しかしながらレオパレスの公式サイトで公開された調査数と欠陥棟の数を比率で単純計算すると、全国で2600棟以上の欠陥があると分かっていました。

この点についてBuzFixで「確率論でも2000棟越えはありうるのでは?」と指摘をしていましたので、以下の記事をあわせてご覧ください。

 

 

レオパレス21倒産の危機。界壁無しの建築基準法違反は2600棟が対象、20億円以上の補修費か。ISO9001は妥当だったのか?株価は下落する一方。

 

レオパレスは「現時点で軽微」と問題を大きくすることを避けるような発表をしていましたが、この当時から数字をみれば明らかに軽微とは思えませんでした。

 

そして2019年2月7日、報道された情報では、33都府県の1324棟に施工不良が見つかったというものでした。

現時点では2000棟に届きませんでしたが、それでも膨大な数に変わりはありません。

今後の調査でさらに増加するかもしれませんので、実際は極めて近似値になってくる可能性もありそうです。

 

天井の耐火性能が不足する641棟の入居者7782人に速やかに転居を要請し、他の問題物件の入居者全員にも促す異例の対応に踏み切る。

出典:産経新聞

 

この転居者の数はまさに “異常事態” です。

確実に7700人は転居が必要、かつその他の物件についても転居を促すという、尋常ではない事態に発展してしまいました。

 

2019年2月17日追記

レオパレス21の記者会見で新たに最大で1万4000人の退去を求めることになったことが発表されました。

優先的に7700人、最大1万4000人の退去という驚愕の退去人数になりました。

引っ越し繁忙期をまたぐこの時期に、どう考えても無理がありますね。

 

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新たな施工不良とは?


image:leopalace21

 

2018年6月時点では主に「界壁の施行不良」として調査をしていましたが、施工不良個所が以下の3点に増えています。

※レオパレス公式で公開された情報をもとにわかりやすく再構成しています。

 

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界壁内部充填材の相違

対象物件 1996年 6 月 12 日から 2001年 9 月 17 日までに着工したゴールドレジデンス、ニューゴールドレジデンスのうち1 都 15 県に所在する一部の物件
施行不良内容 設計では断熱材としてグラスウールが施工されるものと記載されているにもかかわらず、実際には発泡ウレタンだった
起こる問題 遮音性が悪い(うるさい)

外壁構成における大臣認定との不適合

対象物件 ゴールドレジデンス、ニューゴールドレジデンスと、1999 年 9 月 14 日から 2001 年 2 月 9 日までに着工したヴィラアルタのうち1 都 15 県に所在する一部の物件
施行不良内容 外壁に準耐火構造または防火構造が無いパネルを用いていた
起こる問題 火災時に延焼が早い

天井部施工

対象物件 1996 年 3 月 16 日から 2001 年 1 月 22 日までに着工したゴールドレジデンスのうち1 都 2 府 29 県に所在する一部の物件
施行不良内容 3 階建ての共同住宅の床が建築基準法の規定に沿った2 枚張りではなく、 1 枚張りとなっている場合や、2 枚張りではあるものの定められた部材が組み合わさっていない場合がある
起こる問題

火災時に延焼が早い、遮音性が悪い

 

この内容を簡単に言えば、使用していた材料を安価なものに置き換えていたというわけです。

これはコスト削減以外の何ものでも無いといえそうですね。

 

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原因はなんだったのか?

レオパレス公式の文書で原因についてそれぞれ細かく分析をしていますので、細かなことは是非そちらをご覧になっていただきたいと思います。

今回注目したのは深山英世社長の報道に対する説明です。

 

深山氏は東京都内の本社で記者会見し「誠に申し訳ない」と陳謝。進退について「3人の社外取締役に考えてもらう」と述べ、辞任の可能性を示唆した。施工不良は「建築現場での作業効率を上げるのが一番の目的だった」と明かした。レオパレスの物件への信頼性が一段と揺るぎそうだ。

出典:産経新聞

 

施行不良とは、界壁が無い状態になっている物件が多数あったというものです。

界壁が無いと防音だけではなく、防火にも悪影響があり、人命に関わる重大な箇所です。

2018年6月時点でこの問題が明るみになった際には、レオパレスは原因についてこのように説明していました。

 

意図的な手抜き工事ではない

コスト削減や工期短縮を意図したものではない

 

しかし今回、深山英世社長の説明を読むと、この時の説明を否定していることが分かります。

 

建築現場での作業効率を上げるのが一番の目的だった

 

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作業効率を上げるためとはつまり、

工期短縮やコスト削減を意図してやった手抜き工事だった

と認めたわけです。

2018年6月には、いかに問題を軽く見て、そして静かに終わらせようと考えていたのか。

そして現実を目の当たりにし、手抜きを認めざるを得なかった。

誠に浅はかさが良く分かる結果となりました。

 

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下方修正し大赤字へ

施工費や、居住者の引っ越し代金などで、特別損失360億円を追加計上しました。

予想していた以上に大幅な赤字になります。

平成31年3月期連結決算の業績予想を下方修正し、最終赤字は380億~400億円へと330億円増加する見通しです。

当初は50億~70億円と予想していたため、6倍~7倍に膨れ上がっているということになります。

以下は過去1年の株価の遷移ですが、6月以降下落し続け、今回の発表でさらに落ち込むことが予想されます。

 

 

今回強制的に転居させられる方々は、長年住み慣れた部屋を強制的に退去しなければならないのは辛いはず。

同じエリアに住める保証もなく、会社から離れてしまうケースもあるはずです。

以前の発表で同じレオパレスへの転居を斡旋するとなっていましたが、次にまたレオパレスを借りたいと思うでしょうか?

居住者が部屋を選ぶ権利を有するのなら、現在よりも家賃の高いところへ転居することを加味した補填も考慮しなければならなくなるかもしれません。

また退去する物件の大家への補償もあります。

裁判になるケースも出てくるかもしれません。

費用負担額は今後さらに増大していく可能性が考えられそうです。

 

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まとめ

「レオパレスは音がうるさい」という評判は昔からあったのに、何故レオパレスはその評判に正面から向き合い、クオリティコントロールをしてこなかったのか。

長年向き合わずに無視を続けたツケがとうとう回ってきました。

上層部の人間は、コスト削減したお金で随分良い生活をしていたのでしょう。

深山英世社長が全てを指示したわけではないのでしょうが、責任は必ず誰かが取らなければなりません。

進退を社外取締役に考えてもらうと言っているようですが、決めるのはその人たちですか?

今まさに対象物件に住んでいて、これまで知らぬ間に死のリスクを背負わされていた借り主と、それと知らずに貸し出していた大家に決めてもらったらいいのではないでしょうか?

そのくらいの怒りを、深山英世社長及び、経営陣はしっかりと受け止め、償わなければいけません。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました

関連記事を紹介させていただきます。

 

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