ボストン・ダイナミクス社からついに企業向けの実用ロボットが発売!
ボストン・ダイナミクス社は、ロボットの研究開発を手がけるアメリカ合衆国の企業です。
現時点で世界で最も先進的なロボット開発会社と言えます。
実務を想定した優れたバランスのロボットを次々と開発しています。
現在はソフトバンクがGoogle社から買収し、ソフトバンクの子会社となっています。
そんなボストン・ダイナミクス社の主力だった四足歩行型ロボット「Spot」の仲間「Spot mini」が、なんと2019年に企業向けに発売されることになりました。
もう量産体制の準備を始めているようです。
現在10体のプロトタイプがあり、製造パートナーとともに年内に100体を製造する予定だと述べた。2019年の発売に向けた「量産体制に入るための準備段階になる」という。
出典:cnet
これまで同社のロボットは開発機が中心でしたので、とうとうこの時が来た!と感無量です。
主に警備パトロールや、建築現場の監視といった業務に活躍できる可能性があるそうです。
これまで産業用ロボットといえば、車輪やキャタピラで動くものが中心でした。
車輪やキャタピラは平地での抜群の安定感がありますが、段差やでこぼこした路面に対応が難しいという欠点がありました。
「Spot mini」は四足歩行型で安定感もあり、センサーで段差やでこぼこにも機敏に反応して態勢を維持できます。
また階段を昇り降りすることもできるため、プログラミング次第で自動的に複数階ありビル警備をさせることが可能になりそうですね。
「Spot」と「Spot mini」
こちらが四足歩行型炉ロボット「Spot」です。
ボストン・ダイナミクス社の研究施設内を歩いています。
犬をイメージしたデザインで、軽快に四足歩行します。
動画がありますのでぜひご覧ください。
テストで蹴られたりしてちょっと可哀想なんですが、しっかりとバランスを取って歩き続けます。
httpss://youtu.be/M8YjvHYbZ9w
そして、以下の動画が今回TechCrunchロボティクスカンファレンスで発表された、「Spot mini」です。
10:50くらいから登場しますのでご覧ください。
httpss://youtu.be/QlJ_-iVbah8
出典:TechCrunch
「Spot」と比べ、コンパクトになり、かつ首を蛇にように自在に伸ばすことができ、カメラで監視したり撮影する機能が強化されているようです。
ここからはダイジェスト版でお送りします。
「Spot mini」の登場です。
首が多関節になっていて、まるで蛇のよう。
口?の中が赤くて、開くと「クワー!!!」とか叫びそう。
威嚇しているような印象もひとつのギミックなのかもしれません。
アップでみると、ますます蛇にしかみえませんね。
次は、ひょういひょいと段差を乗り越えて見せました。
なんと、横向きに段差を乗り越えることもできます。
この適応性の高さが技術力の高さを物語っています。
最期は会場の皆さんへお辞儀をして終了です。
「Spot」と「Spot mini」は大きさとパワー、強靭性では「Spot」に軍配が上がりそうですが、「Spot mini」は軽いフットワークと、蛇のような首で自在にカメラアングルを変えられる点で、より活用シーンに合わせたモデルに仕上げてきたという印象ですね。
警備ではいかに怪しい物体を察知し、記録し、通報できるかが鍵を握ります。
その機能を十分に備えたモデルが企業用モデル「Spot mini」だとよくわかりました。
ただ…犬と蛇のあいのこって普通にちょっと気持ち悪いかも…
ロボットに「自律性」をどうもたせるかが課題
TechCrunchロボティクスカンファレンスの場で、以下のような話も出てきました。
この部分は今後のロボット開発にとって最も課題となってくる機能だと思っており、興味津々です。
自律ナビゲーションを行うには、対象領域内でSpotMiniを手動で走らせ、SpotMiniが独自のマップを作成できるようにする必要があるとRaibert氏は述べた。それによってSpotMiniは、自律的に移動する方法を把握することができる。
同氏は、「モーションプランニングソフトウェアは、障害物の位置や移動できる場所を考慮してモーション制御を考え出すというのをすべてリアルタイムで実行する」と述べた。
長い目で見れば、ロボットはインターネットよりも重要なものになる可能性があるとRaibert氏は述べた。
同氏は、「インターネットによって、世界中のあらゆる情報に触れられるが、ロボットは世界中のあらゆるものに触れて操作することを可能にする」と話す。「さらなる大きなアイデアだ」
出典:cnet
つまり、ロボットがコントロールされることなく色々な場所で行動するためには、障害物や段差のある位置情報(マップ)をタイムラグなく自動的に作成、認識できるようにしなけらばいけないということを言っています。
これは、ロボットが勝手に考えて行動をするという意味ではありません。
まだロボットはその位置にはなく、普通に人間と同じように地面を歩くことを「考えさせる」段階なんですよね。
またインターネットよりも重要なものになるという意見も気になります。
ボストン・ダイナミクス社はソフトバンクに買収される前は、DARPA(国防高等研究計画局) の支援を受けて開発を行っていました。
DARPA(国防高等研究計画局) はインターネットの技術を開発した組織です。
そうしたバックボーンがある同社からの発言なだけに、なかなか重みのある言葉だなぁと感じます。
まとめ
出典:ギズモード・ジャパン
まだ価格などはっきりしたことは公表されていません。
「Spot mini」を導入するような企業は、恐らく大企業に絞られるでしょうから、なかなかの金額にはなるのではないでしょうか。
とはいえ、企業サイドも人件費との見合いをシビアに計算するでしょう。
1台1千万以上だと普通に警備員を雇う方を選択するでしょうから、量産機はそれなりにディスカウントし、普及を目指すような気もします。
親会社がソフトバンクなので、新しもの好きな日本のベンチャー企業に売り込みを掛けそうな予感がしますね。
バク宙ができる二足歩行ロボット「Atras」はまだまだ実用には遠いようですが、「Atras」がより小型化し、自律的に動作できるようになったときに、ついに企業向けに二足歩行型ロボットが生産される日がやってくるのかもしれませんね。
ペッパー君も、そのころにはもう少しみんなの役に立てる子になってるといいよね ^^;
なお以前の記事で、ボストン・ダイナミクス社の他のロボットを含む紹介をさせていただいていますので、こちらもあわせてお読みいただけると嬉しいです。
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