Facebook(フェイスブック)のトラブルに関して報道が少なすぎる
2018年6月7日、フェイスブックプライバシー設定のテスト中のバグ(ソフトウェアの不具合)で、5月に1400万人の設定が知らないうちに「公開」になっていた可能性があるとの報道がありました。
世界中で影響を受けた可能性があるということですが日本のマスメディアでは報道があまりに少ない気がします。
日本はアメリカ合衆国の企業の起こした問題に対して、報道が極端に少ないという「偏向報道」が行われている傾向があります。
この1400万人の情報がだだ洩れになっていたかもしれないというトラブルについて、正確な情報を記事にしたいと思います。
フェイスブックの不具合で一時的に投稿が「公開」設定に
出典:Yahoo!ニュース
2018年6月7日に報道で、フェイスブックプライバシー設定のテスト中のバグ(ソフトウェアの不具合)で、5月に1400万人の設定が知らないうちに「公開」になっていた可能性があるとのことです。
投稿の対象期間は、2018年5月18日~22日に投稿した分です。
米フェイスブック(FB)は7日、利用者のプライバシーをめぐる新たな不祥事があったと明らかにした。ソフトウエアの不具合によって約1400万人の投稿の共有範囲に関する設定が誤って変更され、友達などに限定公開するはずだった投稿の一部が誰でも見られる状態になっていたという。
出典:日本経済新聞社
世界中で最大1400万人が影響を受けた恐れがあるようですが、詳しい影響を受けた国や範囲は公開されていません。
もしかしたら影響を受けたユーザにのみ、その旨を謝罪するメールが飛んでいるかもしれません。
僕のメールボックスにはそうしたメールは確認できませんでした。
もしそうしたメールが送信されたとしても、英文でサラッと送っていそうなので放置してしまった可能性もありますね。
メーラの設定によってはスパム扱いになっている場合もありそうです。
つい先日もInstagramで重要な個人情報に関する同意を求めるメールを、英文でサラッと送ったしているので十分にありうることでしょう。
※Instagramはフェイスブックの一部です。
以下はその際に書いた英文メールについての記事です。
もう時間が経っていますが、未対応の方は読んでみてください。
もう少し具体的には?
出典:日本経済新聞
ある投稿が友達とのみ共有されるように設定をしていても、その投稿が一般公開されてしまっていたということです。
フェイスブックは仕様上、新たに投稿する際、特別に設定をしていなければ前回と同じ公開範囲が自動的に設定されます。
例えば、前回ニュースフィードに「友達」で投稿をした場合、次回に新規投稿をする際には「友達」のままになっているわけです。
ところがこのバグで問題が起こっていた期間は、新規投稿が必ず「公開」に変わってしまっていたというわけです。
「公開」になっていることに気づいて「友達」に手動で変更をした場合は問題ありません。
いったい何が問題?と思う方もいらっしゃるかもしれませんので、設定それぞれについておさらいしてみます。
「公開設定」と誤ったときの危険性とは?
「公開設定」について主なものと、設定が「公開」になっていたときに危険性について説明します。
「公開」とは、フェイスブックユーザでなくても誰でも見ることができる設定です。
フェイスブックの検索、または外部検索エンジンの検索結果に表示されます。
「友達」の設定とは、自分の友達のみが見る事ができます。
友達はここを押したときに表示される人たちです。
「次を除く友達」は、特定の友達だけを除いた全員に公開したいときに設定します。
「一部の友達」は、特定の友達だけに公開したいときに設定します。
この2つは結構ヤバい場合があったかもしれませんね。
特定のひとを除外したり、特定のひとだけにしたりという場合は、大抵が除外する理由があるからです。
フェイスブックを身内のコミュニケーションツールとして深く活用しているひとほど、知られたくない投稿を知られたくないひとに読まれてしまっていた可能性はあります。
「自分のみ」は、文字通り自分のみしかみることができません。
実はこれが一番深刻だったのかもしれません。
この公開範囲をどういう時に使うかを考えてもらうと分かると思いますが、自分専用の日記のように使いたいとか、ある投稿だけはメモのように残しておきたいとか、作成途中の投稿でまだ公開したくないといった時なんですよね。
フェイスブックを自分専用の日記にように使っていたひとは、知られたくない想いが一般に公開状態にさらされて恥ずかしい思いをしたかもしれません。
メモや作成途中の投稿として保存したひとは、例えば会社の会議情報のメモや備忘録として書いていたなんて場合に、機密情報漏洩になってしまうかもしれません。
そもそもそういう使い方をすることが間違っているんだろうとは思いますが、フェイスブックを社員のコミュニケーションツールとして活用している企業も多いので、あり得ない話ではないでしょうね。
「何を、誰に」は意識を払って
こうしたトラブルが起こることは、ユーザ側では防ぎようがありません。
ユーザ側では、「何を、誰に」の部分について意識を払っておく必要があります。
何を
どういう情報を投稿するかどうかということです。
例えば、恥ずかしい写真を友達だけに投稿しよう、という使い方もダメとは言いませんが、もし公開範囲を誤った場合のリスクが異常に高いことを考えておくべきでしょう。
逆に友達の恥ずかしい写真だったら、友情を失う可能性が高いでしょう。
誰に
誰に向けて情報を投稿するかどうかということです。
会社の会議情報なら、会社のメンバーだけが入ったグループを作って、そこだけに流すといった使い方をするでしょう。
公開で流してしまえば、機密漏洩、個人情報漏洩など大問題になりかねません。
常に「何を」「誰に」についての意識を持って投稿をすれば、今回のような事件に巻き込まれることもありません。
ソフトウェアの不具合(バグ)というけれど?
フェイスブックは、今回のトラブルは深刻なバグが原因で、もうすでに解消されていることを確認していると話しています。
しかし、不具合が起こったタイミングはフェイスブックで内部の設定変更を行っている途中で起こっています。
不具合は利用者のプロフィル欄の写真などの公開方法に変更を加えた際に発生した。
出典:日本経済新聞社
いまさらプロフィル欄の写真などの公開方法に関する設定変更で、バグが発動してしまうものかな?という疑問符が残ります。
10年以上運用している既存のプログラムでも、基本に近い機能でバグが発動するのは、ちょっと違和感があります。
一番考えられるのは、従来のプログラムを修正したり、新たなプログラムを追加した場合です。
その部分によって不測の事態が起こる可能性がありますが、本番環境に組み込む前にきちんとデバッグをしているはずです。
試験環境で単体テスト、結合テストと徐々に影響範囲を広げていくのは、きちんと機能するかどうかを確認しながら進めていくためでもあります。
フェイスブックがどういう手順を踏んで作業工程を組んでいるのかはわかりませんが、そうした手順をきちんとやっていないのでは?と思わざるをえません。
もしそうしたバグで発生したとしたら、それはそれでバグを見つけられなかった重大な作業ミスの可能性があります。
また、そもそもバグでは無かった可能性もあるような気がしています。
何でも「ソフトウェアの不具合(バグ)だった」というのは、実はこの業界では常套手段だったりします。
仮に作業ミスだったとしても、初めから設計段階でのプログラミングのミスや見落としだったということにしておけば、責任対象がぼやけるからでしょう。
「ソフトウェアってどこのソフトウェアなんだろう」
「フェイスブックも被害者なのかな」
そんな風に感じてもらえば、風評被害を避けることができます。
しかし上記の記事でも明らかにされている通り、フェイスブックの根幹部分のプログラムなのでフェイスブックは被害者でもなんでもありません。
重大な内部設定を変更する際には、慎重な組織ではクロスチェックのような他のエンジニアと目視確認をしながら更新を行う作業を工程に加えており、ミスが起こらないように細心の注意を払っているものです。
そうした慎重に慎重を要する設定変更をエンジニアの独断で実行した結果、重大な設定ミスが起こっていたことに気づかなかったということは、往々にしてあることなのです。
個人情報流出などこのところ続いているフェイスブックの問題は、「機能面での明らかな問題」と「そもそものバグ」の2つが理由として報告されていますが、そこに手順ミスを包含させてしまっていまいか?
フェイスブック(Fecebook)の運用管理
フェイスブックは世界中であまりにユーザが増えすぎており、管理面で行き届かなくなっていそうな気がしてなりません。
多くのユーザからセキュリティなどに関する要求に応えようと、機能の追加が増えすぎているところがあります。
事件が起こるごとに機能を削除したり、成長するために新たな機能を追加したりと「付け外し」を頻繁に行っており、システム内部はますます複雑化していることは想像にかたいです。
それは日本国内だけで運用しているようなWebシステムなんて比にならないほどに複雑化、多重化しているはずです。
今回の「バグ」というのも、その中で起こったことだったのではないでしょうか。
その場合、単に「バグ」と言ってよいとは思えないような気がしてなりません。
システム規模に対して、適切な運用管理を行えているのか?
あまりにトラブルが多ければ、内部システムの問題とは言い切れないと、きちんと業務内容に関して査察を入れるべきではないでしょうか。
利益を増やすために、ユーザに不利益を与え続けるとしたら、その企業はもう企業としての役割を終えるときでしょう。
ますます個人情報を紐づけて活用する「出会い機能」を付加するようですが、立て続けに起こるネガティブな問題から目をそらしたい思惑も感じられます。
利益の最大化は企業の最大の目的ではありますが、SNSはもはや公益インフラと言っても過言ではありませんので、利益追求と同時に真っ当な公益性の追求もちゃんとやっていただかないと、自然とユーザに見放されるときがやってきます。
まとめ
こうした個人情報がだだ洩れにされている実情に関して大きく問題化することもなく、偏向報道を続けている日本のマスメディアにはゲンナリします。
原因は物理的に遠く取材で正確な情報の取得が難しいというのがひとつの理由でしょうが、なんだかんだ言っても視聴率が取れるネタを優先的に取り上げたいという思惑を感じざるを得ません。
「パワハラ」「暴行」などの刺激的なキーワードで、ことの重大性を必要以上に誇張し視聴者を引き付ける手法も一種の偏向報道です。
フェイスブック社は何度も個人情報漏洩などの問題を起こしており、アメリカ合衆国では公聴会でマーク・ザッカーバーグが自ら説明まで行っている事実をいったいどの程度が知っているのでしょうか。
かくのごとくマスメディアは「偏向報道」をします。
視聴者はそのことを理解し、報道の背後の本質をきちんと見極めることが大切です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
いくつかの書籍を紹介させていただきますので興味があればお読みください。
ここからは関連記事をご紹介させていただきます。
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