片山晋呉プロの不適切行動について記者会見
片山晋呉選手がプロアマで不適切な行動をしたとして、謹慎をしていた問題。
調査が終わり、制裁金30万円と厳重注意という結果になりました。
記者会見で片山プロは謝罪し頭を下げました。
また、当日何があったのかも明らかにされました。
以下のような状況があったようです。
- 同伴しているアマチュア選手がプレー中にも関わらず、一言声を掛け承諾を求めることもせずパッティング練習をしていた
- 同伴アマチュアが14番ホールに移動したにも関わらず、練習を継続することについて承諾も求めないままパッティング練習を継続していた
- パッティングだけではなく、アプローチの練習も行っていた
こうした行動に、一緒にまわっていたアマチュア(スポンサー企業のお偉方と思われる)から怒りを買ってしまい、プレーを抜けてしまったということのようです。
このことを日本ゴルフツアー機構理事の野村修也氏は、「ホスピタリティに欠けた面がある」と断罪しました。
この点について、片山プロからは以下のように釈明をしています。
許される範囲の中で今までもやっていた。
今回やったことはいつもと変わらなかったと思います。
アマチュアが怒るようなことは今までも無かった。
僕も20年やってきた中できちんとプロアマとはこういうものだ、ということを教わらずに今まで来てしまった、という事はあったと思います。
この片山プロの釈明について、野村氏は話します。
片山プロに対するファン心理があり、一緒に回ってもらえるだけでありがたいということから「言わなかった」ということだろう。
そのことに片山プロが甘えてきたのではないか。
片山プロも、甘えという指摘に対して素直に受け入れている様子でした。
この記者会見は片山プロが平身低頭謝罪し、ゴルフツアー機構としても対応を終えたということをアピールできた内容になっていたと思います。
それが今後のプロゴルフ、及び片山プロの活動にとって最も必要なことだろうという判断だと思います。
それはそれで、正しい決断だったと思います。
記者会見の違和感
そんな記者会見、僕にはどうも違和感が残りました。
片山プロだけがそうした行動をしていたのかどうか?
ということについては何も触れられていなかったことです。
プロアマでプロ選手がパター練習などをすること自体は、他の選手でも普通に行われてきたというのは事実としてあるようです。
まるで片山プロだけがやっていた、というように誤解を与える内容になっていたのは、ちょっと可哀想な気もしました。
片山プロにしてみれば、先輩方がやってきたことを自分もやっただけなのではないでしょうか。
プロアマとはこういうものだ、ということを教わらずに今まで来てしまった
片山プロのこの釈明に、その想いが滲んでいるような気がします。
つまり裏を返せば、先輩方も同じことをしていたから、あえて「どうしたらいいですか?」と明示的に教えを乞う必要が無かったということを示しているのではないでしょうか。
それがプロアマの常識、当たり前の行動だったからではないでしょうか。
この言葉を「20年もやってるんだから自分で気づけよ」と責める意見もありますが、それができるなら片山プロ以外もやっているはずです。
他のプロ選手もやってきたことであれば、片山プロにもそれが「ホスピタリティに欠けている」とは気づけなかったのかもしれませんよね。
そういう「文化」だったら、容易には気づけないですよね。
その証拠に、何十年も同じようにパット練習をしても、誰からも指摘をされてこなかったわけです。
「ホスピタリティに欠けていること」を事前に指導するのは、プロの活動をビジネスとして客観的に動かしていくゴルフツアー機構の役割でもあったのではないでしょうか?
コトが起こって初めて、まるで片山プロだけの問題だったかのように謝罪させて、裏側で「今後はパット練習禁止だよ!」と周知徹底させるというのは、どうもしっくりこないんですが、どう思いますか?
この謝罪記者会見を観た他のスポンサー企業の担当は、どう思うでしょう。
なんだか片山プロばかり謝っているけど、あの〇〇選手だって同じことしてたよな?
片山プロのこと好きだったし俺は何とも思ってなかったから、この対応はガッカリだ。
こんな印象を持つ担当がいてもおかしくないような気もします。
僕個人の意見ですが、こんなふうに会見をしていただきたかったです。
- 片山プロがやっていたことはホスピタリティに欠けておりそれが原因でアマチュア選手を怒らせてしまった
- しかしそういった行動はこれまでプロ選手も行ってきた経緯があり、その「ホスピタリティに欠けていること」に気づけなかったゴルフツアー機構にも問題がありました
- ゴルフツアー機構としても役員減俸の処分としました
- 片山プロ、及び他の選手も含め、今後は一層丁寧な対応を心がけて参りますのでよろしくお願いいたします
こういう感じで締めくくれば、記者会見を通じて他のスポンサー企業へのアピールにもなり、「今までプロ選手がちょっと冷たい対応だったけど、当然だと思ってた。でも、もっと憧れのプロと会話しながらプロアマ大会を楽しめるのなら、うちもスポンサーになろうかな」と素直に思っていただけるのではないでしょうか。
まさにピンチをチャンスに変える記者会見にできたような気がするのですが。
ちょっと勿体ないかなぁと思います。
まとめ
今回の件、組織の文化という視点では、先日の「日大アメフトの危険タックル事件」にも通じるような気がしてなりません。
あの事件も日大アメフト部に連綿と引き継がれた無言の圧力、文化があったように思います。
危険タックルをしたあと泣いていた選手に対して、コーチから
「お前は優しすぎるからだめなんだ」
と言われたそうです。
彼の先輩たちは無言で行ってきたことの順番が、今回は彼に回ってきただけなんです。
それが今回はやり方があからさま過ぎて初めて露呈した。
片山プロが初めてアマチュア選手の怒りをかったことと、似ているような気がしませんか?
自分の企業で当然と思っていた行為が、世間や法律に当てはめてよくよく考えると、実はおかしな行為だったなんてことありませんか?
大事なことは、
組織や環境に染まり切ることなく、どこかで客観的に自分や組織を顧みる目を持つこと
ではないでしょうか。
片山プロも、その目を持っていれば今回の「不幸な事件」に巻き込まれずに済んだことでしょう。
今後の糧にしていきたい
と語った片山プロ。
「俺だけがチクショー!」という気持ちも、あったことでしょう。
その想いを糧に、今後はスポンサーを意識した、より良い対応を行ってくれたらいいのではないでしょうか。
その行動が、他のプロ選手の意識さえも変えていけるといいですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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