驚きの奈良判定
image:グッド!モーニングより
日本プロボクシング協会の山根明会長による、アスリート助成金の不正流用疑惑、試合用グローブ等の不透明な販売独占などについて、333人と戸田弁護士がボクシング連盟会長・山根明を告発したことについて既に記事にしておりますが、新たな “事実” が明るみになってきました。
驚愕の「奈良判定」についてここから詳しくお伝えしていきます。
「グッド!モーニング」の取材で独自に現役審判員の証言を得ています。
いま「奈良判定」という言葉があるが
無言のプレッシャーというか
審判員は感じていると思います
奈良判定というのは
山根会長は奈良の人なので
「奈良をかたせなければならない」
みたいな雰囲気があるので
その審判員も奈良県の選手と関わるジャッジやレフェリーに入るのを
嫌がっている人は多いと思います
この証言から、試合直前のミーティングなどで奈良県選手が有利な判定を暗に求められていた実態がわかります。
2015年のある試合でジャッジをした現役審判はこう証言します。
当日の審判ミーティングで
選手の名前は出さないんですけれども
(相手選手の)ボクシングスタイルを真似して
「評価をしてはならない」と
(会長の意にそぐわず奈良県の選手が負けると)
周りで叱られた
叱られるというか
恫喝された審判員を目撃したことはあります
「わかっているよね?」というジェスチャーだけで伝えていたということでしょう。
なんだか、どこかで聴いたことがあると思いませんか?
やらなきゃ意味ないんだよ?
そう、あのアメフトの発言と同じ、俺は言ってないけどね、の構造じゃないでしょうか。
負けると恫喝するという、何というか横暴さがとびぬけている印象があります。
せっかくジェスチャーでやらせておいて、負けると恫喝するとか、言行不一致も甚だしい。
こうしたことから、審判委員会は会長の息がかかっていると明言しました。
こんな話を聴いてしまうと、今まで僕たちはいったい何をみせられていたんだろうと思いますね。
以下は日本ボクシング連盟の澤谷廣典元理事の証言です。
image:グッド!モーニングより
弊害をなくしていかないと
これからのボクシング連盟の未来はないし
指導者の先生方が
「これ以上黙ってたらいかん」
と、ボクシングがつぶれるという危機感がここまで動かしてくれた
山根さんの特定する贔屓の人間、個人
または贔屓にしている都道府県のある県の選手「なら」勝つわけです
明らかにこちらが一方的に勝っているような試合でも
何度も負けにされています
(審判が)山根会長の意に沿わない判定をしたときは呼び出される
「おいこら、お前よくも反対側の選手に点入れてくれたな」と
「何考えとんのや」と
わたしはいま優しく言っていますけど
これを怒鳴り声でわめき散らした
自分の意のままに審判の配置を決めていたという事実も証言されています。
例えば第一試合はどの県の誰と誰
その横に審判の名前が書いてある
山根会長がこれをみて
この審判とこの審判を入れ替えろと
今の言葉で表現すると
忖度できない審判は替えられる
忖度できる気の付く審判が持ってこられる
なぜ会長の指示で自分がこの試合に替えられたことを考えれば
そうか、奈良県の選手の試合だからだなとなって
おのずとそちらにポイントを付けることになる
やはりここでも出てきました。
「忖度」という言葉。
忖度と恫喝で奈良判定がまかり通っていた現実がみえてきました。
以下は新潟県ボクシング連盟の仁多見史隆副理事長の証言です。
image:グッド!モーニングより
まわりをかこっている人たちが会長の顔色をうかがいつつ
途中途中でひいきの選手を勝たせなかった審判を帰したり
もう呼ばなくなるとか
怒るシーンをみせる
高体連の役員をやっている人を日本連盟の会員から除名するとか
要所要所で恐怖を見せつける
過去、2度のダウンを奪われた奈良県選手が勝つという露骨なこともあったといいいます。
それが、2016年に行われた希望郷いわて国体です。
赤の選手が奈良県出身です。
青の選手は奈良県代表の選手から2度目のダウンを奪いこのガッツポーズです。
image:モーニングショーより
ところが…何故か判定は赤の奈良県代表選手の勝利。
image:モーニングショーより
この判定に一瞬、選手自身が戸惑って手を挙げることを躊躇していたようにみえます。
周囲の観客からも当然のように、「なんで!!!?」と驚愕の声が上がっています。
こうした判定が、どうやら常態化していたようです。
「奈良判定」というのは実はアマチュアボクサーの間では暗黙で知られていたそうなので、「KOするしかない」ということになりますが、アマチュアというのはKOがほとんどありません。
ヘッドギアをしており頭部のダメージによりノックアウトをする確率は極めて低く抑えられています。
ヘッドギアは2016年ごろから、脳しんとうを助長するという理由で付けなくなっていました。それでもKOは少ないです。
そのため、「奈良判定になりそうだな」と分かったうえで、戦っていた選手もいたのでしょう。
僕にはこの国体の意義と重なって、なんとも虚しい気持ちになりました。
この国体は、「東日本震災復興の架け橋」と銘打った大会だったんですよね。
残念過ぎます。
忖度して会長の思うようにできなければ恫喝、除名で恐怖を見せつける。
自分がその立場になりたくないから、また会長を忖度する。
まさに「恐怖政治」がリアルに行われています。
奈良判定の理由は?
image:グッド!モーニングより
山根会長は奈良県出身ということが最大の理由でしょう。
また以前、奈良県ボクシング連盟のトップを務めていました。
奈良県出身の選手を可愛がっており、全日本選手権、国体などで奈良県出身の選手に有利な判定を要求していたものとみられています。
山根会長は実は選手としてボクシング経験が無かったそうです。
ただし1970年代に奈良県連盟理事長になる以前の職歴、経歴がはっきりしないという意味での「経験は不明」ということなので、今後の調査次第ではっきりするかもしれません。
奈良、近畿の連盟理事長を歴任後、日本ボクシング連盟副会長、会長、2012年から終身会長というように昇進していったようです。
なぜか、選手経験も無い山根会長が2000年のシドニー五輪で代表監督まで務めています。
経歴からみると、山根会長の昇進は奈良県ボクシング連盟理事長を務めたことから始まっていると言っても差し支えないでしょう。
ボクシング経験すらない自身を今のような圧倒的な権力者に育てる足掛かりとなった奈良県と奈良県ボクシング連盟に対して、並々ならぬ思い入れでもあったのでしょうか。
それとも、奈良県ボクシング連盟に対して義理立てする、何かがあったのでしょうか。
試合用グローブ等の不透明な独占販売
日本ボクシング連盟の澤谷廣典元理事によると、特定のグローブでなければ試合出場不可になっていたといいます。
公式グローブなどは、兵庫県加古川市のとある業者が独占販売しており、市場価格より2~3割高いそうです。
image:グッド!モーニングより
「公式試合において特定のメーカーのグローブを使え」
という指示が出ています
その特定のメーカーのグローブを入手するには兵庫県加古川に**という業者がある
この**を通さないとそのグローブを購入できないシステムになっています
以下が独占販売をしていたといいう店舗で、ボクシングジムとして運営をしているようですが、現在はシャッターが閉じており、ひと気が無い状態になっています。
image:グッド!モーニングより
オーナーの男性は、このように語ります。
それが問題でみんなに聞かれるけど
それはなしです
もしそれがあればここにずっと
トラックが入ってくるはずだし
このオーナーの男性も、マスメディアから急に殺到されて疲れている様子でちょっと可哀想な印象でした。
しかし、本当に「なし」なのでしょうか?
彼が知らない事実があるのではないのでしょうか?
以下はこの業者の「担当者」への取材で分かったことです。
店舗販売はしていない
ここではグローブの検品をしている
この場所には事務所があり
全国からメールなどで注文を受け付けている
店舗販売は、していないということのようです。
これならトラックなど入ってくる必要はありません。
オーナーへの口止めがあったのかもしれませんが、マスメディアの聴き方が下手だったのかもしれませんね。
店舗販売はせず、受注販売のみにすることで、目立ちづらくするなどの効果があったと思います。
また販売実績を隠そうとしている感もあるので、税金面でもちょっと怪しくなってきたような気がします。
購入代金の振込先が、山根会長の孫娘名義の口座だったこともあるといいます。
このことは日本ボクシング連盟の総会でも問題になりました。
その席上での山根会長(とみられる)の音声が録音されていました。
山根明がそのグローブ販売したからって
何も違反じゃないでですよ
山根明会長が何で商売したらあかんの
何でいけないの
俺の顔で金が入ったものを
俺が勝手に使ってどこが悪いねん
(孫娘の名義になっていたことについては)
ワシの孫ね
一定の期間でやるところがないので
当分の期間俺がやって
それで見つけてから
アレしようかってなった…
これが本人だとすれば、凄い…開き直りと言い分ですね。
ワシの孫ね、と発言しているため山根会長本人で間違いは無さそうです。
これで独占販売を認めたような発言になっています。
では、「アレしようかって」とはなんのことを指しているのでしょうか?
最後のほうの言い訳がグダグダで意味不明になっていました。
なお、日本ボクシング連盟では、山根会長と販売業者とは関係ないとする内容を公式ページで掲載しています。
村田諒太選手の批判
今回の告発にも加わっており、ロンドン五輪の金メダリストで、WBA世界ミドル級王者である村田諒太選手は、フェイスブックで連盟を、山根会長を厳しく批判していします。
成松、大変な思いをしていると思います
選手のことを考えていたら、こんなことは絶対にあり得ない
彼の練習やキャリアに影響が出ないことを願うばかりです
そして、そろそろ潔く辞めましょう、悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません
新しい世代に交代して、これ以上、自分達の顔に泥を塗り続けることは避けるべきです
支給された助成金を2人に分けるよう指示され、翌年の五輪で敗戦してしまった成松選手に対する心遣いを感じられます。
成松選手はスポーツマンとして、助成金が無いから負けたなんて絶対に言えない。
言えないからこそ苦しんでいるのではないでしょうか。
そして今回のことで、選手生命すら断たれるかもしれないという覚悟を持っているのでしょう。
日大の田中理事長との蜜月
image:グッド!モーニングより
日大の田中理事長といえば、まさに日大のドンです。
その田中氏と、山根会長が非常に親密だったことも分かっています。
関係者によると、パーティなどで頻繁に顔を合わせ親しく会話している姿があったようです。
そして、なんと2018年4月から、山根会長が日本大学のスポーツ科学部客員教授に就任しています。
依頼理由と授業内容については日大広報から回答が無いとのことです。
実際に授業を行った実績はあるのでしょうか?
何かマージンを渡す名目だったのでしょうか?
説明が無ければ、何も分かりませんね。
過剰なおもてなしの実態
image:グッド!モーニングより
新潟県ボクシング連盟の鶴木氏によると、過剰なおもてなしが無いと、山根会長から叱責され、要職をはずされることもあったということです。
他の理事も、なんで用意ができないんだといい、山根会長に告げ口をしていたそうです。
ToDoリストというものがあり、そこには「ホテルの会長部屋」と記載されています。
この画像にあるようなものを用意しておかなければならなかったようです。
以下が実際にホテルで用意していたものです。
あまりに細かい指定です。
どんな重役でも、有名人でもここまで指定をすることはないのではないでしょうか。
これが、本人が全て指定したのか、取り巻きが忖度して指定していたのかはわかっていません。
image:グッド!モーニングより
ホテルでの食事も細かく指定されていました。
以下は新潟県ボクシング連盟で作成していたToDoリストです。
これを間違えるとどのような不利益をこうむるかわからないため、用意するしかなかったというのが実情のようです。
image:グッド!モーニングより
他にも、ホテルには麻雀専用の部屋を用意しなければいけなかったそうです。
全自動卓は必須で、途中で動かなくなれば
こんな腐った麻雀台を持ってきやがってボケ!
と罵倒したそうです。
また力の強い連盟理事が肩もみ係になり、麻雀をしている間中ずっと肩もみをさせられたと言います。
もうなんというか…ここまで徹底していると言葉を失います。。
『北斗の拳』の世界を地で行っている感じです。
日本ボクシング連盟の主張
こちらが、日本ボクシング連盟が発表したプレスリリースです。
「告発状記載の事実関係については、事実と異なる部分が多くある」
としています。
日本ボクシング連盟(山根明会長)が、アスリート助成金を不正流用するなどした疑いがあるとして、都道府県連盟の会長や理事長、歴代五輪代表選手ら333人が日本オリンピック委員会(JOC)などに告発状を送った。助成金の不正流用だけでなく、判定の不正、試合用グローブなどの不透明な独占販売の疑いも告発状で指摘されている。同連盟は30日、ホームページで反論した。
出典:日刊スポーツ
まずは、その異なる部分についてしっかり反論と根拠を示していただくよりないでしょう。
まとめ
image:グッド!モーニングより
2018年7月31日時点で、告発状を送ったはずのスポーツ庁は「届いていない」と言っているそうです。
どういう意味での「届いていない」なのか。
対応に苦慮することはみえているため、恐らく各所でもみ消しを行うことも検討されているのでは。
この問題がもしかしたら闇に葬られるとしても、僕たちはこれまで通りにボクシングをみられるでしょうか?
日本ボクシングはこのままでは終わってしまう。
告発された皆さんの切実な想いこそが、今回の全てを物語っています。
日本ボクシング連盟、及び山根会長の行為は、およそスポーツマンシップというものからはかけ離れたものです。
僕たちはいったいこれまで、何をみせられていたのでしょう。
スポーツマンの汗、努力、涙、痛み、歓喜をみたくて応援をしていたはずではないでしょうか?
その判定が実は、山根会長の一存で決まっていたなんて、知りたくもありませんでした。
しかし僕たちは知ってしまった。
もうその事実から目をそらすことはできません。
これまで日本ボクシング連盟で悩み、苦しんできたスポーツに関わる人たちがやっと決起できたのだから、僕たちもしっかりこの事件の先行きを見守り、評価をしていかなければならないでしょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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