山根明氏、関西、奈良県連盟の役員も辞任
image:グッド!モーニングより
「BuzFix」でも、山根明氏(元日本ボクシング連盟会長)の辞任までの経緯をつぶさに記事にして参りました。
会長辞任後、弁護士の辞任、妻と妹の露出、山根氏の剥き出しの戦う姿勢とマスメディアの格好のネタとなり、本来の「アマチュアボクシングのウミを出し切る」という目的から離れていったかのようでした。
マスメディアは彼らを玩具にして視聴率合戦を過熱させていきました。
しかし、8月13日の報道で取材を自重するよう要求されたことが明かされました。
日本ボクシング連盟(日連)が13日夕方、公式サイトを更新し、報道各社に対し、会長を辞任した山根明氏(78)に対する取材を「同人の年齢や判断能力、疲労のこともご考慮の上、これ以上のマスコミ取材は控えられるよう、要請します」と自粛を求めた。
出典:日刊スポーツ
この日を境に、過熱報道は一気に収束していきました。
体調不良を理由とされれば、何かあった場合非難の的になるため、自粛せざるを得ません。
過熱報道もかなり粗探し、重箱つつき状態に陥っており、ここでこの話題は終わりとすべきだったのでしょう。
しかし、問題はまだ解決していませんでした。
山根明氏が残していた、関西連盟、奈良県連盟の役員、会員の職籍です。
また日本ボクシング連盟に残った理事の処遇です。
山根明氏が会員として残れば、いずれは山根派の理事たちの手でまた理事に返り咲く可能性が残ることになります。
「日本ボクシングを再興する会」の初めのゴールは、山根明氏の影響力をアマチュアボクシング界から完全に払拭する必要がありました。
そのため、山根明氏の除名、連盟理事たちの総辞任を要求してきました。
この目的は、13日の自粛を求めてからわずか2日で決着を見ました。
以下は日本ボクシング連盟の公式ブログ 8月15日付の発表です。
山根 明 前会長が、関西ボクシング連盟及び奈良県ボクシング連盟につき、いずれも役員・会員を辞任することにつき、以下の通り確認をしましたのでお知らせします。
山根 明 前会長は吉森専務理事と大阪市内にて本日午前10時より約一時間面談し、吉森専務理事に対し、来訪について謝辞を述べた上、実は日本ボクシング連盟の会長と理事を辞任すると報告した時からボクシング連盟への関与を全て辞める意向であり、その旨伝えていたと考えていたが、本日はそれを具体的にお伝えした、とのことでした。
また、この度のことで選手や保護者及び役員の皆さんに大変不安な思い与えたことについて深くお詫びしたい、とのことでした。出典:日本ボクシング連盟
また、8月22日付の記事で理事の総辞任が報告されています。
今般の諸々の不祥事に鑑み、日本連盟の理事は全て辞任することを話しあっておりましたが、今日現在すべての理事について、辞任届の書面を受領するか、ファックスその他の方法により辞任の意思を確認しましたので、このことをお伝えします。
出典:日本ボクシング連盟公式
この人事により、「日本ボクシングを再興する会」の初めのゴールは達成されたものと思います。
これで、新たな理事の選任、会長の選任というフェーズに移りました。
残された多くの疑問について
image:グッド!モーニングより
報道が一気に収束してしまったことで、「辞任以降」に残された諸所の問題がどうなっていくのかが気になりました。
今後の進展は逐一報道は期待できませんので、知りたい場合は「日本ボクシングを再興する会」の公式をみることで確認できそうです。
該当のWebページには「当会へのご意見」というフォームが用意されており、一連の問題について思ったこと、疑問点、不満、業界への改善提案など、すべての人から募っています。
そのコメントに対して、「ご意見に対する回答」というページで回答を行っています。
このページは平たく言えば視聴者たちの諸所のモヤモヤを解決するページです。
色々報道番組で知ってしまった情報の落としどころが無くなって、モヤモヤしている皆さんにかなり懇切丁寧に回答をされています。
このページの問答から、現状と「日本ボクシングを再興する会」の活動方針も見えてきましたので、特に情報として拾って置きたいものに選別して整理してみました。
2018年8月24日時点の情報となりますのでご留意ください。
日本ボクシング連盟について
反社会的勢力との関係を無くせるか?
定款見直しを含めて明文化する。
山根氏の処分はどうなるのか?
不正行為に関与していたことは重大なコンプライアンス違反であり除名処分相当で進めていく。
アマチュアボクシングの運営に関し一切関与できない。
日本連盟HP によると、関西連盟 奈良県連盟の辞任を発表している。
吉森副会長の処分は?
報道等により懲戒請求が出されていると確認している。
新理事は?
多くの競技団体では直接競技には関わっていない有識者が役員に入っているため、それを参考としていく。
新会長は?
日連理事に選任されてからの承認となる。
今後の運営について
山根氏の後の国際的なパイプはどうする?
当会や協力者の中には国際大会経験な方が多数いる。
今後 国際的なパイプを強めて行く必要がある。
ビデオ判定を導入しては?
岐阜県インターハイでのビデオ検証録画については、開催地連盟が中心となって実施したもので今後については未定。
競技を中断してのビデオ判定は、ボクシングの魅力である競技の連続性が失われることになるため、現状での導入は困難。
生まれ変わるなら新ボクシング連盟をつくるべきでは?
新団体設立ではなく日連の理事をすべて解任し組織改革を行う。
過去の審判について
山根マジックに関わった審判員への処分は?
会長、全理事の退任の他、不正判定に関わった審判は取り返しがつかない責任がある。
審判資格のはく奪、停止、またはボクシング連盟からの追放も検討する。
また若手の審判員育成などは今後具体的に進めて行きたい。
過去の判定全てを検証するか?
不正判定の精査については対象試合や申告の有無等により検証数が未知数。
今後の課題として検討する。
「日本ボクシングを再興する会」について
これまでの闇、ウミにスポットを当てずウミを出しきる姿勢があるのか?
報道ではそのすべてが報じられているわけではない。
報道された不正以外の不正も把握しているため、速やかに公開し改善に向けた対策を取れるよう準備する。
真相を解明しない幕引きすることは考えていない。
刑事告発を含めた別の対応も考慮する。
そもそも裁判所に訴えるべきでは?
現状での最良選択枝は日連理事の総入れ替えである。
山根氏については今後、刑事責任を問われる認識。
日本ボクシングを再興する会も同罪では?
当会のメンバーのほとんどが山根体制下で日連の会員だった者。
不本意ながら、様々な不正事実が明らかにされつつある体制下にいたことは同罪でありそれは認める。
だからこそこのままで良いのか、今立ち上がるべきだとの思いで本会を組織した。
鶴木会長が取材時にニヤけていたのが気に食わない
司会者からは時には想定外の質問やコメントが出される
人間誰でも感情がある
(以下擁護のご意見)
例えば、山根氏が再興の会に入りたいとの報道があり、司会者から楽しい雰囲気で質問すれば、苦笑いもするだろう。
澤谷廣典氏も反社との関わりなどあったのでは?
当会の活動は元近大ボクシング部総監督の澤谷氏とは全く関係がない。
その点について誤解無きよう。
高橋大輔とのキスをした国会議員の橋本聖子に相談したのは何故か?
橋本聖子議員はJOC副会長という立場から相談を受けていただいた。
高橋大輔選手とのキス写真は認識していたが、処分不問との見解があったため支障がないと判断している。
活動に不参加、地方の山根派は?
本会に参加しない他府県連盟は何故立ち上がらないのか?
退会要求書を提出していない都府県連盟もある。
不利益や山根氏と関係から提出に踏み切れないなどの要件がある模様。
ミニ山根(山根会長の意をくんだ意思決定をする各ブロック審判長及び医事委員長)をどうするか
存在を確認している。
今後は各ブロック及び各都道府県連盟との意思疎通を図りながら、しっかりとした組織運営をおこなっていく。
その他
山根氏のように代表ジャージを日常で着てはいけないのでは?
『JAPAN』ジャージの競技期間中の移動、又は生活に必要な日常活動時の着用に関しては支障ない。
それ以外の行動については個人のモラルに頼るばかりでなく競技団体としての制約が必要。
マスメディアのキャラクター重視の報道姿勢が酷い
マスメディア、特にテレビにとっては山根氏は格好の媒体でありその商品価値を判断して直ぐに引いて行くはず。
山根氏がメディアに出るほどボクシングのイメージダウンに繋がるのは残念。
この回答ページは2018年8月現在も運用を行っていますが、鶴木会長など限られた人物だけが適当に回答をしている印象は一切ありません。
例えばNo.139の質問で、「宮崎県連菊池浩吉副会長にお尋ねいたします」と人物指定で質問がされ、「ご投稿ありがとうございました。 宮崎県連副会長の菊池浩吉です」とご本人と思われる方が回答されていました。
回答者指名があればいったんその方に回答を回すなど、手間と時間を掛けており、全てのコメント、質問、指摘に対して、非常に誠実に回答をしている印象がありました。
「日本ボクシングを再興する会」への非難
image:グッド!モーニングより
「日本ボクシングを再興する会」を非難したり、山根明氏を擁護する意見も見受けられました。
- 鶴木会長をはじめとするメンバーの素性がはっきりしない
- 山根氏の方が長年貢献してきた
- 日本ボクシングを再興する会は暗いから、山根氏の明るいキャラクターを活かした方が良い
- 山根氏より取り巻きが悪いだけで山根氏は利用されていただけ
鶴木会長をはじめとする頻繁にテレビに出演されている方のこれまでのボクシングへの関わり(素性)は、テレビ出演時にだいたい表示されています。
もっと詳しいことは少しWebで調べれば分かります。
こうした自分で情報を取りに行くことをせず、第三者として周りから見ているだけで誹謗中傷をすることは控えるべきでしょう。
ただしこれはマスメディアの責任もありますね。
テレビという影響力のある媒体を使って山根明氏のキャラクターをことさらアピールした結果、こうした偏った意見が出てきてしまいました。
また山根明氏を活かすべきという意見ですが、本質からそれております。
山根明氏は部下の管理責任としても除名に処するべきです。
人脈を活かしこれまでアマチュアボクシングを大きくしてきたという貢献は認めるべきです。
会長となりロンドン五輪での功績が大きいことは、日本ボクシングを再興する会も認めています。
しかしながら、指導者の管理責任と、これまでの貢献を天秤に掛けても除名の結論は変わらないでしょう。
山根明氏は天然の要素を感じられ、擁護したい気持ちは分からないでもないですが、人間性と責任をごっちゃにしてはいけません。
腹黒くない、潔い男の中の男だから大目に見るべきという意見もありましたが、マスメディア(テレビ)越しに見せられている山根明氏のキャラクターを評価しているにすぎないでしょう。
後になって、言いたい事はいくらでも言えるものです。
「ワシは男や!」と言うことはいくらでもできます。
権力を握った人間ほど大風呂敷を広げる傾向がありますが、まさに山根明氏が当てはまります。
その背後にある、責任(罪)を正しく評価しなければ、今回の告発の意味がありません。
まとめ
以下が「日本ボクシングを再興する会」の公式ページです。
山根明氏と理事たちによる「極道映画」「山根劇場」はもうおしまいです。
これからは東京オリンピックにボクシング競技が残れるかどうかという生き残りをかけた組織の再編を行っていくことになるでしょう。
このページで活動の報告がされているので、関心があればのぞいてみてください。
httpss://jabf-revival.com/
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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