被害者対策弁護団が説明会を開催
image:グッド!モーニングより
ケフィア事業振興会が契約者への配当金支払い滞納をしていた問題について、2018年9月2日、被害者対策弁護団が説明会を開催しました。
被害者対策弁護団の団長は紀藤正樹氏です。
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松本サリン事件被害者弁護団事務局長の他、安愚楽牧場の和牛オーナー制度の全国被害対策弁護団長、近未来通信被害対策弁護団団長など、詐欺商法の弁護団を複数率いており実績ある団長といえます。
説明会参加者は、払いますという通知が届いていても、支払いは行われず、電話も通じない状態だったと話していました。
弁護団は今後、破産申し立てや刑事告訴を検討していくといいます。
またケフィアの経営陣からの説明を求めています。
ケフィア事業振興会という詐欺会社にご注意
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ケフィア事業振興会は健康食品などの加工食品を通信販売する会社です。
1992年創業。
社長は鏑木秀彌氏。
image:中小企業庁HP
創業当時はヨーグルトの種菌販売から始まりました。
ケフィアとは一般にヨーグルトの種菌のことを指します。
(厳密には発酵乳の種菌)
1990年代に流行したヨーグルトきのこがこれにあたります。
image:Wikipedia
この流行に乗って事業を始めたということでしょう。
その後、かぶちゃん農園などのグループ企業で製造した加工食品を仕入れ、「ケフィアカルチャー」という会員制の通信販売サイトで販売するようになります。
会員数は220万人いるとされます。
食料品、日用雑貨、衣料品、宝石、貴金属などの通信販売に事業を多角化して成長していきました。
企業の売上が急激に伸びたのは「オーナー制度」の導入以降です。
オーナー制度は2011年ごろから始まりました。
干し柿、ヨーグルト、りんごジュースといった加工商品の購入者に対してパンフレットでそうした商品のオーナーを募ります。
1口5万円の出資金に対して、半年で10%の利子で配当金が払い戻される仕組みでした。
例えば1000万円出資すれば、半年後に1100万円で払い戻されるということです。
関連企業はおよそ60あります。
干し柿を製造している会社は、鏑木秀彌社長の息子が代表を務めているといいます。
売上高は、2017年は1000億円以上に達していました。
しかしこのうち99%以上がオーナー制度による売り上げでした。
事業の転落は、海外の地熱発電、バイオマス発電への投資が原因です。
いずれも事業に失敗していました。
支払いが遅れている原因については、「太陽光発電はうまくいっていたが、地熱発電やバイオマス発電、大学との共同事業、スリランカやベトナムの海外での事業など、ほとんどの新規事業が失敗した」と説明する。
出典:東京商工リサーチ
こうした多角化に失敗、自転車操業に陥り、資金のショートに繋がっていったようです。
2011年以降、当初は配当金が支払われていましたが、2017年11月ごろから徐々に支払いが滞るようになりました。
全国の消費生活センターに70代を中心に高齢者からの相談が相次いでいました。
2018年7月に弁護団を結成し問題が表面化しましたが、その後も勧誘を継続していました。
2018年8月31日に消費者庁から、2017年末から契約者約2万人に対して340億円以上の支払いが滞納し消費者の利益を不当に害する恐れがあるとして、社名を公表していました。
また新たな契約をしないように注意喚起をしました。
2つの事業資金調達方法
image:グッド!モーニングより
ケフィア事業振興会は銀行から資金を調達していないそうです。
オーナー制度の他、サポーター制度によって資金を回していました。
しかしこの仕組みは複雑で、70代の高齢者全員がきちんと仕組みを理解した上で投資できていたとは思えません。
オーナー制度
柿のオーナー制度は1口5万円。1年後に「スペシャルボーナス」と「リニューアルボーナス」を加算した5万5,500円、または柿を5万7,600円分送付される。
この契約内容は複雑だ。関係者の話や訴訟記録などによると、オーナーとケフィアは買戻特約付売買契約を結ぶ。このうち金銭の買戻契約は形式上、オーナーが契約後にケフィアから商品を購入する。契約期限までにケフィアがその商品を買い戻すことでオーナーに「買戻金」と「ボーナス」を支払い、買い戻した商品はケフィアが一般消費者や会員に販売する。出典:東京商工リサーチ
サポーター制度
ケフィアは銀行から資金を調達していないという。主な資金の調達方法は、会員がケフィアに貸し付ける「サポーター」制度だ。「新勘定システム」サポーター募集案内によると、契約期間が今年6月から5年間で1口30万円、総額15億円を募集している。
1年目の利息は年6%と特別加算2%の計8%、3年目以降は計10%。ケフィアは、「設備投資や管理費などの資金を調達する目的の金銭消費貸借契約」とした上で、「金融商品取引法上の有価証券には該当いたしません」と説明している。
出典:東京商工リサーチ
銀行への返済が無いということは、出資者にすれば健全な経営をしているかのような錯覚を覚えた人もいたかもしれませんね。
しかし銀行に経営状況を把握されたくない、自由に好きなことに投資したいという創業家の独断経営になることが多く、投資の失敗、自転車操業に陥りやすいと言えるでしょう。
新規の投資も抑制されていることから資金はどんどんショートし続けているでしょう。
近いうちに破産することが想定されます。
まとめ
image:グッド!モーニングより
こうした高利回りの投資をうたって投資家を募り、その投資額を経営多角化に投資していくというやり方は、詐欺的商法の古典的な手法です。
多角化した事業が成功すれば支払われたのでしょうが、資金のほとんどが消費者からの投資であり、半年で配当金を払い戻すサイクルの速さを考えると、事業の失敗がダイレクトに払戻の停滞に繋がります。
こうした商法を行う側も、投資する側も、博打に挑んでいるようなものです。
しかしその実態に気付かずに、配当金が100%保証されているかのように錯覚してしまうことが、とんでもない損失に繋がってしまいます。
ターゲットはほとんどが70代の高齢者といいます。
年金を投資で増やしたいと考えている高齢者が多いことに目を付けて勧誘をしていることは明らかです。
高利回り過ぎることはまず疑うべきですが、目先の配当金につい飛びついてしまうと詐欺に捕まってしまいます。
高利回りすぎる投資の誘いがあったら、インターネットで調べることができるのなら、少しその会社を検索してみてください。
配当が滞っている評判などが見つかれば絶対に手を出さないでください。
また必ず子供や友人へ相談するなど、自分だけで決めないようにしてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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