被害額10億円投資詐欺
image:モーニングショーより
とある投資会社が10億円の出資を集め、ほとんどを配当できていない状態でトラブルとなっているようです。
出資者は100人以上とみられ、月利5%もの高利回りの金融商品を紹介され投資しています。
この投資会社の代表は、自称「M&Aプロデューサー」と名乗っていました。
なぜこんな投資に出資してしまったのでしょうか?
現状はいったいどのようになっているのでしょうか?
滞る配当金
当初は配当がありましたが、しばらくすると支払いが滞るようになりました。
ある出資者の男性は、不安に思い、2017年5月に代表へ確認しました。
そこでは「元本を返す」と明言している音源が残っています。
ところがその後も、配当や元本が返還されることはありませんでした。
これは投資会社の帳簿とされる資料です。
image:モーニングショーより
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現時点でこの配当額で止まっているとすれば、回収できていない出資者がほとんどと言えそうです。
民事訴訟の結果は?
出資者らは東京地裁に、この投資会社への賠償金を求めて民事訴訟を起こしています。
2018年2月の判決では、元本保証をうたう行為が出資法違反に当たり、投資業者に必要な金融商品取引業の登録がされていないことも認定されています。
賠償命令も出されましたが、支払いは一向に進んでいません。
説明会での驚くべき説明
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2018年9月、自称「M&Aプロデューサー」の男性は出資者に対して説明会を開きました。
そこで語られた言葉は驚くべきものでした。
出資法で私を挙げることは難しいことは
弁護士に言われました
元本以上の毀損は出ます
でもそれも一応は運用の結果
もう一度、もう一度ですね
何とか復活して皆さんに喜んでいただく
そのことばかりを
考えていることだけは事実です
またさらに驚くことに、自称「M&Aプロデューサー」の男性は潔白を主張するだけではなく、さらなる投資を勧誘していました。
出資金を使い果たした上で、開き直ったかのように語っています。
僕の残念なおもいを踏みにじって
警察で刑事事件にするのか
あるいは少しでも返金するのか
刑事事件にしたらもう返ってきませんよ
なぜ信用したのか?
なぜ出資者は大金を出資したのでしょうか。
2016年ごろ、この自称「M&Aプロデューサー」の男性は講演を行っていました。
出資したある女性はこのように語ります。
最年少で優秀な成績を収めたと言っていた
肩書には騙されたと思います
この女性は将来の生活資金として貯蓄していた1000万円以上を投資してしまったといいます。
肩書は「大手証券会社の元支店長」となっていました。
その証券会社での実績を強調したのでしょう。
また「元本保証」もうたっていたそうです。
もちろんその他にも講演では様々な仕掛けを用意していたでしょうが、出資を決断させたものは肩書と元本保証への信頼だったということでしょうか。
出資者にも十分な勉強が必要
自称「M&Aプロデューサー」の男性が説明したように
元本以上の毀損は出ます
というのは当然のことです。
全くの赤字で終わる投資はいくらでもあります。
配当が得られないこと自体は、予期しておくべきことです。
もちろん皆さんもそのくらいは分かっておられたでしょうが、怒りが収まらないのは説明会での物言いや、説明が無いことに対してなのでしょう。
問題は元本保証です。
出資者の皆さんが「元本保証」という言葉を信用したというのならそれは大きな過ちです。
元本保証、配当保証は出資法で禁じられているので、そもそもこの出資者の皆さんの不勉強であることは間違いありません。
その点は皆さんも十分に反省はされているかとは思います。
自称「M&Aプロデューサー」の男性は、マスメディアの取材には「元本保証では売っていない」と主張しており、多くの出資者の認識とズレていることが分かります。
恐らく当初、元本保証をうたっていたことは真実なのでしょうからこの主張は虚偽と考えられますので、詐欺の臭いがプンプンとしてきます。
出資者の皆さんはお金が戻ってこないという大きなツケを払うことにはなりそうですが、この自称「M&Aプロデューサー」の男性は法的に裁かれるのもそう遠くはないかもしれません。
金が無いと主張するが?
投資会社の住所には実態が無く、連絡がつかない状態ということです。
ところが、その後自称「M&Aプロデューサー」の男性が別の場所に事務所を構えていたようです。
マスメディアの取材では、2017年末の時点で預金残高は370円になっており、交通費にも困る状況だといいます。
しかしそれでは、いったいどのように新しい事務所を契約できたのでしょうか?
移転費用はどのように捻出したのでしょうか?
そもそもなぜ移転する必要があったのでしょうか?
その登録先の住所(マンションの一室)もインターホンの呼びかけには答えていないため、不在か、居留守を使っている可能性はあります。
こうした行動ひとつをとっても、信用がおけない人間であることは間違いありませんね。
まとめ
出資者側の弁護士、加藤氏はこのように語ります。
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民事で不法行為を認めるだけでなく
刑事上もいわゆる犯罪行為に当たるので
刑事事件に発展する可能性はとても大きいと思っています
出資者の一部は警察に被害届を提出し、警察は既に出資者から事情を聴くなど、捜査を進めている状況です。
この投資会社と、自称「M&Aプロデューサー」の素性は明らかにはされていませんが、今後どのようになるのでしょうか。
こうした「オイシイ投資話」に乗っかってしまうのは、多くは定年後に退職金がポンと入った高齢者が多いと聞きます。
それまでの社会人経験があれば「元本保証」などあり得ないことは容易に想像がつくはずなのに、コロリと乗っかってしまうのは何故なのでしょう。
余っているお金で出資したいという本来の投資家の姿というよりは、「老後への不安」が原動力になっているのかもしれません。
不安が根底にある行動は、信仰宗教にハマるのと同じで妄信を誘います。
今回も貯蓄をあらかた突っ込んでしまっているところに、この妄信を感じられます。
似たような投資話が舞い込んでいる方がこの記事を読まれたなら、まずはご自身が抱えている投資に対する「理由」を改めて突き詰めて考え直してみることをお勧めします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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