新しい魚
image:プライムニュースイブニングより
水産卸売市場は取扱高が減っており、衰退を辿っているといいます。
その現状を打破、大逆転を期して、川崎市北部市場で「発酵熟成熟鮮魚」という “新しい魚” が生み出されました。
まだ誰も作っていなかった食べものです。
もしかすると日本人の魚文化に革命をもたらすかもしれません。
熟成といえば「熟成肉」が有名ですが、いったいどんな魚なのでしょうか?
鍵となるエイジングシートとは?
どんな想いで作り出したの?
販売店は?
そういった内容で記事を書いていきます。
大逆転可能な「熟成魚」
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水産卸売市場は取扱高が減っており、衰退を辿っているといいます。
産地直送が増え、市場を介さない取引が増えたためです。
全国の中央卸売市場は1985年に91あったものが2017年には64まで減っています。
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神奈川県の川崎市北部市場も、取扱高はピーク時の1/3になってしまいました。
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川崎市北部市場では、市場の生き残りをかけてあるプロジェクトが進行しています。
マグロ専門の仲卸「泉力」の中岡康祐さんは3代目を継いでマグロの仲卸を生業にしています。
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築地生まれで離乳食もマグロという根っからのマグロ人間です。
マグロを食べてラグビーで鍛えた身体を「マグリート」と自ら名付けています。
筋肉ムキムキの腕がその自信を物語っていますね!
中岡さんは市場復活のためにある魚を開発中。
それが「3週間寝かした魚」です。
「発酵熟成熟鮮魚」の完成
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起死回生を狙う新しい魚は、なんと本マグロを生のまま冷蔵庫で3週間も寝かせるといいます。
通常ならそんなに冷蔵庫に入れっぱなしにしておけば…
当然、腐ります。
これが3週間寝かせたマグロです。
腐ってカチカチの真っ黒に変色してしまいました。。
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では腐らせないためにはどうしたらよいのでしょうか?
使われるのは「エイジングシート」です。
熟成に必要なカビの胞子を付着させた特殊な布です。
エイジングシートは通常は畜産物に使用しており、アミノ酸が増加して独特な旨味を醸し出す「熟成肉」が生み出されます。
image:プライムニュースイブニングより
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そのエイジングシートを鮮魚に使ったら。
熟成肉ならぬ、熟成魚。
この見事な本マグロ。
卸して2日くらいだそうです。
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エイジングシートをすき間なく巻き付けていき、冷蔵庫で3週間熟成させます。
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これが冷蔵庫で3週間熟成させた本マグロ。
腐ることなく、新鮮さを残したまま熟成しています。
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表面にはカビの胞子が付着していますが身体に優しいといいます。
香りは「熟成香」といわれる甘いナッツの匂い。
これは「発酵熟成熟鮮魚」と名付けられました。
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他でやっていない技術なので
武器ですね
そのように力強く語る中岡さんです。
その眼には「ついに作った」という自信に溢れています。
もはやマグロとは似て非なるもの
image:プライムニュースイブニングより
試食での感想はこのようなものでした。
・刺身と肉の間
・生臭くない
・歯ごたえがあるが柔らかくもある
・旨味が凝縮されている
・味が濃く奥深い
・マグロとは似て非なるもの
なおこの熟成の技術は他の魚でも応用できます。
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上は2日寝かせたサーモン。
下は18日寝かせたサーモンです。
これだけ色艶が変わりました。
味が濃く、生ハムのような食感に変わっているそうです。
マグロもサーモンも、熟成肉と同様にアミノ酸がたっぷりと凝縮され旨味が溢れ出る仕上がりになるみたいですね。
この感想を聞くと、俄然食べてみたくなります!
ブランディングはベンチャーが引っ張る
image:WBSより
中岡さんと一緒に開発から携わったのが、「フードイズム」の跡部美樹雄社長です。
なんと熟成に使っている「エイジングシート」を明示大学と共同で開発したのがベンチャー企業「フードイズム」だったのです。
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腐らせず熟成を促進させるこのエイジングシートが無ければ、「発酵熟成熟鮮魚」は成しえなかったと言えるでしょう。
このエイジングシートを魚に転用できれば。
中岡さんをはじめとする川崎市北部市場の皆さんと一緒に開発を成功させました。
以降のブランディングはこれまで熟成肉で培ってきた「フードイズム」の経験を活かすときです。
ブランディングできれば
圧倒的な立ち位置に出る
完成した「発酵熟成熟鮮魚」を食べ、自信を深めそのように語ります。
まずは「魚がし日本一」での試食。
3週間も寝かせたマグロと聞いてはじめはいぶかしんでいたプロの職人たちも、食べた瞬間驚きの表情をしました。
養殖臭さがなくて
中とろみたいだ
魚がし日本一の営業本部長もこのように語り大絶賛でした。
握りでも一品でもいける
素晴らしい完成度!
なんと「魚がし日本一」との取引を試食会のその場で決めました。
新しい魚の食べ方がここから始まるのかもしれませんね。
まとめ
image:WBSより
2018年11月15日(木)より「発酵熟成熟鮮魚」を販売しています。
「寿司 魚がし日本一 川崎店」
「寿司 魚がし日本一 みなとみらい店」
「青ゆず寅 豊洲」
で、「発酵熟成熟鮮魚」を使用した、にぎり寿司、刺身、焼き魚を販売しています。
「熟成まぐろ食べ比べ4貫セット」(980円 税抜)がおすすめということです。
以下「PRTIMES」でも詳しく掲載しています。
またこの販売を足掛かりに、販路を広げていく計画があるそうです。
魚やが視野を広げて生み出した「発酵熟成熟鮮魚」。
熟成肉のようなブームを巻き起こす雰囲気がむんむんです!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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