玉川徹「安倍・麻生紙幣!」とモーニングショーで新紙幣を安定の非難。新紙幣の改刷で偽造防止が急務だった理由は警察白書のデータでも分かる。

玉川徹「安倍・麻生紙幣!」とモーニングショーで新紙幣を安定の非難。新紙幣の改刷で偽造防止が急務だった理由は警察白書のデータでも分かる。

新紙幣への改刷が発表されました。

改刷の大きな目的は当然ながら「偽造防止」です。

ところが世間はそうすんなりとは受け入れられていないようです。

 

何故、改元のタイミング?

そもそも今の紙幣で十分では無かったの?愛着あるのに?

国土交通副大臣の件も関係してるのでは?印象操作では?

安倍・麻生紙幣じゃないか!

 

玉川徹氏も平常運転で吠えましたが、ざっと並べてみただけでもこんな感じです。

「このタイミング」ということで余計に世間がざわついた改刷の発表。

感情抜きで真っすぐにみた方が理解が早そうです。

改刷のタイミングや目的についてきちんと理解できるよう記事を書きましたのでお役にたてればと思います。

 

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新紙幣への改刷による変更点は?


image:Live News it!より

 

いわずもがなですが人物の画像や背景画といったデザインが大きく変更されています。

富岳三十六計や桜の花があしらわれ、とても素敵なデザインになっていますね。

 

また仕様の主だった変更点として、漢数字よりも数字を大きくし、3Dホログラムが上から下まで大きく表示していることが挙げられます。

数字を大きくしたのは外国人でも分かりやすくすることが主な目的です。

ホログラムは偽造対策として導入した最新の偽造防止技術になります。

また金額ごとに隅に立体加工が施され、視覚障がい者が識別しやすい工夫もなされているようです。

こうしたユニバーサルデザインは世界の潮流だしとても良いと思います。

 

では次項で新紙幣に採用された人物について簡単ながらご説明していきます。

 

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新紙幣に採用された人物とは?

それぞれの人物についてとても簡単ですがご紹介させていただきます。

より詳しく知りたいと思っていただけたら、文献のリンクを貼っておきますので気になればのぞいてみて下さい。

人物像を知っているだけで、お札への愛着が一層増してきますよね。

1万円札は渋沢栄一氏


image:モーニングショーより

 

「日本資本主義の父」

日本初の銀行となる第一国立銀行を設立、日本全国で582社(日本郵船、三井住友銀行、みずほ銀行、帝国ホテルなど)の企業設立に関わるなど、日本経済の最大の功労者と呼ばれるお方です。

また田園調布の開発を進めたことでも有名です。

 

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5千円札は津田梅子さん


image:モーニングショーより

 

「女子高等教育の先駆者」

津田塾大学の創始者で、それまでは花嫁修業が中心だった女子教育を、初めて幅広い教育が受けられるようにしました。

日本女性が現代社会で活躍する土台を作った方と言えます。

 

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千円札は北里柴三郎氏


image:モーニングショーより

 

「近代日本医学の父」

破傷風の血清療法を生みだしました。

ノーベル賞級の開発だったと言われています。

福沢諭吉氏が研究を支援し、恩返しとして慶應義塾大学の医学部で教鞭をとっていたことでも有名です。

 

以下は漫画になっており簡単に読めるのでオススメです。

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三名の方々のことはご存知でしたでしょうか?

採用基準は、一般によく知られている人物で、精密な写真や絵画を入手できる人物というものでした。

なぜ精密な画像が必要かというと、偽造防止に役立つためです。

渋沢栄一氏は以前候補に挙がったそうですが「髭を生やしていない」という理由で見送られたそうです。

確かにこれまでの紙幣に描かれた人物には髭をたくわえている方が多いですよね。

それは、昔は髭が偽造防止として活用されていたためです。

現在はホログラムや鮮明な印刷技術によりそうした要素を偽造防止から外せるようになったということです。

そのため、人物の精密な画像が残っている方が選ばれるようになったということです。

その意味では今後採用される人物はより新しい世代に限定されてくるのでしょう。

 

ここまでの説明でも新紙幣に採用される人物としては申し分が無いことは分かっていただけるかと思います。

しかしながらなぜ今なのか?という疑問が払拭されない方も多いでしょう。

次項では「なぜ今なのか?」にお答えしたいと思います。

 

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なぜ今なのか?

 

現在の紙幣で十分じゃないか?

なぜ変えるのか理由が欲しい。

 

そういう意見も多かった新紙幣。

調べてみたところ「なぜ今か?」というのはこのような理由からのようです。

 

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改刷の時期が近い

麻生太郎財務相は2019年4月9日に記者会見を開き説明しました。

参考:日本経済新聞 紙幣刷新「たまたま改元と重なった」麻生財務相

これまでも偽造防止のため20年ごとに改刷してきており、現紙幣も14年が経過していることから、改刷時期を迎える20年めに向けて発表したとのことです。

偽造防止

偽造技術が急速に発達している中で、高度な偽造防止技術を採用した紙幣への変更が急務でした。

景気の高揚

麻生太郎財務相は会見で「たまたま改元と重なった」と話していましたが、これはさすがに狙ったとしか思えませんね。

改元とあわせることで時代が新しくなったことを印象付ける効果を狙ったのは大きそうです。

景気というものは明確な定義は無く世間のふんわりとした印象だったりするので、こうした施策でも景気高揚に繋がるでしょう。

 

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新札デザインの決定は安倍総理と麻生大臣だったようです。

決定権がある人物が決めるのは当然と言えば当然です。

それを『モーニングショー』で聴いた玉川徹氏はというと…

 

安倍・麻生紙幣じゃないか?

 

とやっぱり声高に言っていました。

安倍内閣の支持率を上げるためだろ?というご意見です。

折しも「忖度した発言」問題で国土交通副大臣の塚田一郎氏が退任したばかりのタイミング。

せっかく改元で盛り上がる空気に冷や水を浴びせることになり、あたかもそれを打ち消すためにやっているかのようにみているからだろうと思いますが、これはさすがに “うがった見方” です。

紙幣の変更というものはもっと前から決められ準備を進めていなければおかしいので、4月1日に起こったばかりの塚田氏の問題は全く関係はありませんね。

 

色々調べてみても「このタイミング」という視点では改元にあわせた景気の高揚効果を狙ったものと考えるのが自然のようです。

モリカケを無理やり噛ませがちな玉川徹氏については平常運転という感じです。

あとは記者会見の中で繰り出された、麻生太郎財務相が将来紙幣の人物になるか?という記者の質問レベルの低さにも呆れました。

安倍・麻生紙幣というマスメディアなりの皮肉のつもりかもしれませんが「はい」と答えるわけもありませんよね。

ただ石の礫をぶつけるような皮肉よりも、相手の答えを引き出せるような冷静に、建設的な質疑に大切な時間を費やせるようになるといいですね。

 

では次項で偽造防止が急務だった理由について、警察白書のデータを使ってみてみましょう。

 

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偽造防止が急務だった理由

 

前項でお伝えした通り、偽造技術が急速に発達しています。

非常に見分けがつきにくい紙幣が大量に流通している実態があります。

それが分かる以下のデータをご覧ください。

 


出典:警察白書

 

警察白書ではこのデータについて、以下のように評価しています。

 

① 発見状況
偽造日本銀行券の発見枚数(注)の推移は図表2-39のとおりであり、平成29年中は、前年より減少した。

② 特徴的傾向と対策
近年は、高性能のプリンタ等で印刷された偽造日本銀行券が日本国内で多数発見されているほか、精巧な偽造日本銀行券が海外から大量に日本国内に持ち込まれる事案が発生している。

警察庁では、財務省、日本銀行等と連携して、ポスターやウェブサイトで偽造日本銀行券が行使された事例や偽造通貨を見破る方法を紹介するなどして、国民の注意を喚起している。

 

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確かに平成29年は28年より減少していますが、平成23年から通年でみてみると、年毎に増減を繰り返し、実質は漸増していることが分かります。

増減を繰り返しているのは、これが発見枚数だということに由来していると思います。

大量に発見・検挙できた年は、偽造組織ごと壊滅できていることが考えられるため、翌年は発見枚数が抑制されているという見方が出来そうです。

平成22年をピークにしてそこまでは増えていませんが、このままだとそのピークを更新するのも時間の問題というところでしょう。

発見枚数が抑制され翌年にまた大量に発見されることを繰り返しているということは、抑制されている時に地下で新たな偽造技術が開発されている可能性があると思います。

翌年に偽造を見破る技術を開発。

つまり「いたちごっこ」になっているわけです。

こうして「いたちごっこ」になる理由は、偽造技術は上がっているのに本体である「紙幣」は同じという状況だからです。

この状況をを革命的に変えるにはやはり紙幣そのものを変えるしか無いのだと考えられそうです。

 

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新紙幣には最新のホログラム技術が採用されており、容易にプリンターなどでは偽造できないようになっています。

眼鏡をかけなくても角度を変えるだけで顔の向きが変わったように見えるという技術です。

ホログラムは以下赤枠の部分になります。

 


image:モーニングショーより

 

一般的に流通するプリンターではまず模倣は不可能と言われています。

世界で初めて紙幣に採用される技術なので、偽造組織も真っ青になっているかもしれませんね。

5年後にはキャッシュレスが進んでいるはずですが現金が無くなるわけではありませんし、将来の犯罪を未然に防ぐという意味でも早めに公表することには意義があると思います。

 

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まとめ

改刷によりATM、券売機、自動販売機などで変更を行っていくことになります。

財布についてはサイズが変わらないため買い替えは不要になりそうです。

雑貨屋さんやお財布のブランドはちょっと肩を落としているかも?

ATM・自動販売機の買い替え・改修費は約9788億円と試算されています。(第一生命経済研究所)

経済効果としてGDPを0.1%押し上げる効果があるということで、新紙幣への改刷が経済に与える影響の大きさを感じます。

紙幣は偽造だらけになれば「お金」に対する信頼が低下します。

「お金」そのものの価値の低下を招き、為替の暴落などにも繋がります。

そうした事態を防ぐためにも定期的な改刷が必要なんですね。

単純に新紙幣への改刷といっても、これだけ大きな意味を持った国家プロジェクトと言えますね。

新紙幣が出回るまでまだまだ時間がありますが、楽しみに待ちたいと思います。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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