2019年6月3日、プロレスラーの青木篤志選手(41歳)が事故で亡くなりました。
ご冥福をお祈りいたします。
プロレスリング・ノア時代から強い選手で本当にショックです。
いったい何があったのでしょうか?
そしてプロレスが原因ではという声に対してはっきりさせておきたい。
プロレスが選手を殺すのではない。
事故の経緯
2019年6月3日午後10時半ごろ、東京都千代田区北の丸公園の首都高速都心環状線外回りで青木選手が載ったバイクが側壁に衝突しました。
青木選手は病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。
警視庁高速隊によると、現場は2車線の右カーブのトンネル出口付近で、青木さんは三宅坂ジャンクション(JCT)から竹橋JCT方面に走行中だった。青木さんはヘルメットを着用していて目立った外傷はなく、警視庁は死因や詳しい事故原因を調べている。
出典:産経ニュース
ヘルメットをしており目だった外傷が無かったとのことです。
当たり所が悪いとしても、ヘルメットが割れて頭蓋骨骨折するなどなんらかの外傷が確認できるはずです。
骨折した衝撃で内蔵を激しく損傷した場合も吐血がありそうなので違うかもしれません。
致命傷になるとすれば首の骨折などの要因かもしれません。
青木篤志さんとは?
image:日刊スポーツ
以下は青木選手の経歴と実績をまとめたものです。
プロレスラーとして幾度もタイトルを奪ってきた強い選手だったことが、少しでもお分かりいただければと思います。
そして故人を偲ぶことができたら。
1977年9月25日生まれ。
高校時代からアマチュアレスリングで活躍し、自衛隊に入隊。
2000年に全国社会人オープンレスリング選手権大会で優勝。
2005年にプロレスリング・ノアに入門。
秋山準の付き人となり修行を積みました。
2009年に新日本プロレスのベスト・オブ・ザ・スーパージュニアに出場。
決勝トーナメント出場を果たし、タイガーマスクに敗れたもののベスト4に食い込む活躍。
2010年、KENTAと組んでタッグリーグ戦を優勝。
丸藤と組んでGHCジュニアヘビー級タッグ王座を獲得。
2011年に再び取り返し2012年まで7度の防衛を果たす。
2012年12月24日、プロレスリング・ノアを退団。
2013年全日本プロレスに参戦し、鼓太郎と組んでアジアタッグ王座を戴冠。
7月に全日本プロレスに正式入団。
2014年ウルティモ・ドラゴンを破り第37代世界ジュニアヘビー級王者となる。
★ウルティモ・ドラゴンは獣神サンダーライガーと並ぶ日本プロレス軽量級のカリスマです。
2017年マスクマンにチェンジ(理由は不明)。
2018年TAJIRIに勝利し、3度目の第47代世界ジュニアヘビー級王者となる。
2019年チャンピオン・カーニバルに2度目の参戦。
Aブロックで4勝4敗、得点8に終わる。
2019年5月、4度目の世界ジュニアヘビー級王者に返り咲く。
プロレスが選手を殺すのではない
青木選手はつい先日、世界ジュニアヘビー級王者に返り咲いたばかりでした。
以下は青木選手の最後のツイートです。
無事帰宅。
長旅でしたが、明日からオフなのでしっかり次に備えます。— 青木篤志 (@a_a_a_aoki) 2019年6月2日
6月2日、王者として勝ち続けるため「次に備える」という力強い言葉をつぶやいていました。
肉体を鍛え、精神を鍛え、多くのレスラーと戦ってきた青木選手でも、一瞬で生命を失ってしまいます。
ここで一部のSNS投稿などをみると、試合で脳にダメージがあった可能性を指摘する声があることについてお話しておかないといけません。
確かにわずかな脳内出血が徐々に影響を与えており、視界がかすんで事故を起こしていた可能性はあるのかもしれません。
プロレスファンとしては、正直なところそうした原因であって欲しくはありませんが事実はみなければいけません。
詳しいことは司法解剖で分かるのでしょう。
仮にそういう原因だったと報道がなされたとき、マスメディアはプロレスの危険性をことさら報道するように思います。
そして、プロレスは危険なスポーツだというレッテル貼りをするのかもしれません。
そうした極端な論のほうが、部数が、視聴率が伸びるからです。
果たしてプロレスが危険なのでしょうか?
プロレスが選手を殺すのでしょうか?
プロレスは、三沢光晴選手をはじめとする著名選手が試合中に生命を落とすほど、危険もあるスポーツです。
だからといってプロレスだけが危険だというつもりはありません。
アメフトも危険だし、競馬も落馬すれば生命の危険があります。
F1レースでも多くの選手が生命を落としています。
プロレス界は生命を脅かしかねない危険技を封印する方向に動いており、それは正しい選択でしょう。
危険過ぎる技を使わずとも、十分に魅せる試合が出来ることは、昨今の新日本プロレスが証明しているように思います。
かつての新日本プロレスは、プロレス界の潮流に乗っていわゆる「垂直落下系」の技が多く使われましたが、ここ10年くらいで技の質が変わったと感じます。
頭や後頭部から垂直落下にマットに叩きつけるような危険な技は影をひそめました。
ラリアットやドロップキックのような原点回帰と、新たな味付けにより「頭部や首への直接ダメージ」は各段に減ったのではないでしょうか。
この潮流の分かりやすい例はオカダ・カズチカ選手ですね。
打点が高く説得力抜群のドロップキックと、レインメーカーと呼ばれる「ワンハンドクラッチ式ラリアット」を必殺技にしています。
この技でこれまで何度もタイトルを奪っています。
古典的な技の応用ではありますが、より高く、より強くすることで十分にフィニッシュホールドになることを証明しています。
大事なことはどんなスポーツも選手を守るためのルールがあって、それをしっかり守っているということです。
プロレスも選手を守るためのルール決めを行っていると感じるし、そのうえで新日本プロレスは見事に人気を勝ち得ることができています。
ルールを守ったうえでも様々なスポーツで選手が生命を落とすことは、選手側だけではなく、応援する側も理解しておく必要があると思います。
選手が亡くなったからそのスポーツは危険だという単純なレッテル貼りはせず、なぜそうなったのか、どういうルール作りをしていく必要があるのかを冷静に考えていくべきです。
アニメを見ていたひとが人を殺めるとアニメが悪い、ひきこもりが人を殺めるとひきこもりが悪いというレッテル貼りも近いものがあるでしょうね。
マスメディアはただ焚きつけるだけではなく、もう少し深くそのスポーツを理解し、頑張っている多くの選手を応援する気持ちももっていただけたらと感じます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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