松本智津夫死刑囚の死刑執行
image:テレ朝News – テレビ朝日
オウム真理教の教祖、松本智津夫死刑囚の死刑が執行されました。
また事件の中心人物、井上嘉浩死刑囚、早川紀代秀らも死刑が執行されました。
2018年7月6日だけで7人の死刑が執行されるとみられています。
死刑囚13人の判決が全て終わったことを契機として動き出しました。
1995年に逮捕されてから、23年もの長期に渡り拘置され続け、社会は「いったいいつ死刑になるのか?」ということにしか興味を失っていたように思います。
その日は突然、やってきました。
オウム真理教の事件
image:毎日新聞
松本死刑囚は坂本弁護士一家を殺害。
衆議院選挙に落選を境に武装化し、サリンの開発、自動小銃の密輸を行っています。
サリンの実験により8人の死亡事件を起こしたことで捜査の手が伸び、教団への捜査が入ることに焦った形で、地下鉄サリン事件が暴発します。
山梨のサティアン(教団施設)の捜査が入りますが、サティアンの隠し部屋で小さくなって隠れていたのを発見した瞬間をよく覚えています。
あの妙に堂々として、「我をあがめよ」と圧倒的な指導力で犯罪を起こした姿は無く、ただの小さい小太りのひげもじゃの男でした。
サリン事件は終わったのかどうか
image:毎日新聞
結局、本人の口からは何も発言されず、指示をだした中心人物であるという事実と、周辺の幹部たちからの証言をもとに容疑が固められていきました。
拘置所ではまるで気が狂ったような言動を続け、弁護士もお手上げという状況。
多くの被害者を出したサリン事件、犯罪性は間違いがありません。
いつか極刑により終わらせる必要がありました。
そうしなければ世論も納得できなかったはずです。
しかし、宗教団体がテロを起こすと言う、世界でも前代未聞の犯罪行為、その教祖の死刑が、今後どのように波紋を起こしていくことになるのでしょうか。
宗教、特に新興宗教での教祖と、信者の立ち位置というのは、以下のような構図がはっきりしています。
宗教の教祖=神
神の意思=絶対の真実
絶対の真実=命じられることの正当化
この構図を遡ると、死後の教祖の神格化ということが怖い。
オウム真理教は世界に支部があり、事件後に閉鎖されていますが、信者は地下に潜って活動をしているのでは?とも言われています。
日本でも名前を変えて元幹部が運営を継続しています。
松本被告を今でも「神」と信じるひとがいて、その死をもって「神格化」が完成されてしまうことは少し怖い気がします。
残りの幹部
image:朝日新聞デジタル
残りの幹部たちは東京拘置所から大阪、名古屋、仙台、福岡の拘置所に移送されています。
2018年7月6日に7人の死刑が執行される見込みです。
今後も近いうちに、全員が死刑となるものと思われます。
陛下の体調も鑑みて、平成の忌まわしき事件は平成のうちに終わらせたいという当局の想いがあるのかもしれません。
死刑制度について
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僕は死刑制度には反対派、肯定派という立場を表明しません。
なぜなら、死刑に値する犯罪を犯したかどうかを個々に判断すべきだからです。
死刑制度反対を主張される方にとっては、罪がどれだけ重くても他人が人を殺す理由にはならないといった考え方をされていると聞きます。
しかしその議論は死刑囚によって殺められた生命の重さと、死刑囚の生命の重さを天秤に掛けることから始まっています。
生命の重さは、いかなるひとも同じです。
男も女も、白人も黒人も、赤ん坊も老人も、健康なひとも病弱なひとも、生命の重さは等しくあるはずです。
その理屈でいえばもちろん犯罪者も同じであるはずです。
だからこそ、犯罪の罪の重さと、生命の重さという議論は分離して考えるべきなのだろうと考えています。
まとめ
image:産経ニュース
サリンの被害で家族を失ったひとたち、後遺症に苦しむひとたちにとって、死刑は望んでいたことかもしれませんが、何も語らず去ってしまうことに、なんとも言えない虚しさを残してしまうことでしょう。
松本智津夫死刑囚の三女は、指示をしたかどうかは分からない、という立場を取っています。
極刑を死刑とするか、禁固100年のような厳罰と処すか。
禁固100年のような厳罰で一生を牢獄で過ごすことの方が、死ぬことよりも苦しいという見方もできます。
サリン被害者の皆さんにとって、極刑を望んでいた方もおられるでしょうし、一生を牢獄で過ごして罪を償ってほしいと望んでおられた方もおられるでしょう。
世界は冤罪阻止の意味も含め、死刑制度廃止が流れになっていることも理解できます。
その流れの中で、オウム真理教幹部の一斉の死刑執行については、どのような評価となっていくのでしょうか?
罪の重さによって、世界の評価も変わってしまうものなのか?
これからの世界のマスメディアの評価についても注目していきたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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