奈良判定で人生を狂わされた選手
image:希望郷いわて国体公式
日本プロボクシング協会の山根明会長による、アスリート助成金の不正流用疑惑、試合用グローブ等の不透明な販売独占などについて、333人と戸田弁護士がボクシング連盟会長・山根明を告発したことについて既に二回に渡り記事にしております。
山根会長から命令される驚愕の「奈良判定」について前回は詳細をお伝えしましたが、そのとんでもない判定によって人生を狂わされた選手がいました。
2016年に行われた希望郷いわて国体で行われた「奈良判定」について改めてお伝えします。
希望郷いわて国体での奈良判定
image:グッド!モーニングより
赤の選手が奈良県代表の選手です。
青の選手は岩手県代表の選手です。
岩手県代表の選手は、奈良県代表の選手から2度目のダウンを奪いこのガッツポーズをしています。
このまま試合が終了すれば、確実に岩手県代表の選手が勝利する展開です。
image:グッド!モーニングより
ところが、何故か判定は赤の奈良県代表選手の勝利になりました。
勝った奈良県代表の選手は、一瞬レフェリーが手を上げようとしたことに、逆らったようにみえます。
このことから、奈良県代表の選手は背後に「奈良判定」があったことを聴かされていなかったのではと思います。
会場からは「えーーー!!!?」という驚きと悲鳴が起こりました。
image:グッド!モーニングより
岩手県代表の選手はリングをおりた
image:グッド!モーニングより
これは試合直後の岩手県代表選手です。
涙を隠すことができなかったようです。
2度のダウンを奪い、ガッツポーズまでして自身の勝利を確信していただけに、不可解な判定に納得がいくはずもなく当然の涙ではないでしょうか。
そして、何よりもこの大会は「いわて」が主催です。
いわてが震災の復興を感謝すると銘打って行われた大会です。
その大会で、岩手県代表選手が、理解不能の敗戦をしてしまったのです。
裏を返せば、「奈良判定」はそんな多くの期待を背負った選手に、過酷な判定をしてしまったわけです。
2016年10月7日の岩手日報では、当時の様子をこのように述べています。
結果を受け止められない観客の叫びにも判定は覆らない
複雑な表情の勝者と、笑顔で握手を交わした**(岩手県代表)
後味の悪さばかりが残った
敗戦した岩手県代表の選手は、ショックからボクシングをやめてしまっていたということです。
「奈良判定」は、ひとりの有望な選手の人生を狂わせてしまいました。
今回の告発をうけて、最近練習を再開したそうですが、2年弱の時間を無駄にしてしまったことになります。
その間に何か他のことに没頭できるものを見つけていれば良かったのですが、再開をするということは、ボクシングを諦めきれないでいたのでしょう。
激しいスポーツゆえに現役生活が短いと言われるボクシングで2年弱トレーニングも試合もせずに台無しにすることが、どれだけ残酷なことでしょう。
今回の告発後に、岩手県代表の選手の父親のコメントも聴けました。
落胆とがっかりしかない
試合する前から勝敗が決まっているなら
努力も全部無駄になってしまう
もし勝ちたいなら奈良のユニホームを着るしかない
試合が終わった時に相手から「ごめん」って言われていましたからね
リングの上で
試合が終わってグローブを外した後も
ユニホームのままで30分ずっと泣いていたっていうのが
やりきれないのと
本人の中で納得できないのがあったのだと思います
道具もウェアも全部ひとにあげて
ボクシングという環境はなくしました
image:グッド!モーニングより
奈良県代表の選手も、相手選手に謝ってしまうほど、自分が勝ったことに納得がいっていなかったのでしょう。
2度ダウンをもらって、自分は相手をダウンさせられていない。
それで勝って、いったい何が嬉しいのでしょうか。
スポーツというのは、勝つことも重要ですが、負けることから学ぶことの方が実は多いように思います。
何故負けたか、何故ダウンさせられたか、何故ダウンさせられなかったか、自分に足りなかったものは何かを、試合後に考え続け、次の練習に活かしてさらに成長していきます。
負けた選手はリングをおりてしまうほどに衝撃を受けましたが、この「勝ってしまった選手」も、負けられなかったことから、どう学べばいいのか、何をどう整理したらいいのか、わからないままになってしまったのではないでしょうか。
この勝った選手も試合後に謝っていたことから、それで平然としていられるような図太い選手では無かったでしょうから、その後随分悩み苦しんだかもしれませんね。
レフェリーの苦悩
image:グッド!モーニングより
この試合で審判を務めたレフェリーのコメントも「グッド!モーニング」の取材で得られていました。
悩んでいるといったら変ですけど…
後悔している
今でも後悔
いまだに当時の判定に対して気が咎めていると話します。
審判会議で山根会長から、「評価するな」と暗に 「奈良判定」を命じられていたレフェリー。
もし忖度できなかったレフェリーには、山根会長は
お前は調子が悪いのか?
という隠語で話しかけ、変更、酷いと左遷していたようです。
レフェリーにも生活があり、家族もいたでしょう。
言う事をきかなければどうなるかわからないという恐怖。
その恐怖に打ち勝てなかった、というより、山根会長に逆らうという選択肢が無かった。
まとめ
負けた選手、勝った選手、裁いたレフェリー、全員を苦しめることになったであろう「奈良判定」。
山根会長は、奈良県出身で、奈良県のボクシング連盟理事長をしていたことから、「奈良判定」を強要していたとされますが、いったい誰のためになっていたのでしょうか。
少なくとも奈良を贔屓していたので、山根会長は「奈良県の選手良かったじゃないか」とご満悦かもしれませんが、果たしてそうだったでしょうか。
僕はこの行為は、山根会長の自己満足でしたか無かったと明言したいです。
この告発を受けて、敗戦した岩手県代表の選手はボクシングに復帰したとのことです。
それが幸いと言っていいのか分かりませんが、彼のボクシング人生がこれから悔いのないものになっていけばと願うばかりです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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