静岡県函南町にある株式会社山本食品。
その社長 山本豊さん(57歳)です。
image:モーニングショーより
ひょうひょうとしたこの社長が、和食を変える素晴らしい発明をしました。
誰でも鮫皮以上に美味しいわさびをつくれるわさびおろし板
その名は「鋼鮫」(はがねざめ)。
まさに和食を変えるユニークな器具。
いったいどんな器具なのでしょうか?
この記事では以下のようなことを書いていきますね。
- 冗談のような「鋼鮫」
- 「鋼鮫」の実力やいかに?
- 「鋼鮫」の秘密は「わさび」の文字!
- 鋼鮫が開発されるまで
冗談のような「鋼鮫」
image:モーニングショーより
一見、普通のおろし板にみえますが、よ~くみてください…
表面にとんでもない秘密が…
表面にびっしりと「わさび」が~~~~!!!(;゚Д゚)
image:モーニングショーより
ふざけてるよね?
絶対、ジョークグッズでしょ??
一見するとふざけているようにしか見えないこのわさびおろし板。
実はこれが「わさびの辛さと香りが最高の状態になるわざびおろし板」なんです。
「鋼鮫」はなんと、あの銀座 久兵衛でも使っています。
「鋼鮫」ですったわさびだと、濃厚なまぐろの味に負けないわさびが作れるそうです。
まぐろのあぶらと、わさびの辛みが混然一体となった味わい。
食べてみたい~(*’▽’)
今ではプロも愛用し始めている「鋼鮫」にいったいどんな秘密が!?
「鋼鮫」の実力やいかに?
image:モーニングショーより
わさびは生のままかじっても辛くはありません。
おろした際に空気を取り込むことで成分が変化し、辛みや香りを帯びるのです。
昔からプロは「鮫皮おろし」を愛用していますが、それには理由があります。
image:モーニングショーより
鮫皮の目の細かいザラザラとした粒が、わさびを滑らかにおろせるからです。
以下が鮫皮の表面です。
不均一な粒粒がたいくさんあることが分かりますね。
image:モーニングショーより
「鋼鮫」はなんと「鮫皮おろし」以上になめらかにすることができ、より辛みのあるわさびを作れるそうです。
おろしている際に明らかに「わさびのツンとした香り」が立っているそうです。
「鮫皮おろし」の1.2倍、おろし金の1.5倍の辛みがあるそうですよ。
古来から使われ続けてきた道具にとうとう勝るものが出来たのは凄いの一言です。
それでは一般的なおろし金と見比べてみましょう。
以下が一般的なおろし金でおろしたわさびです。
image:モーニングショーより
以下が鋼鮫でおろしたわさびです。
image:モーニングショーより
おろし金は粒が荒くわさびの実を細かく砕いた感じです。
尖った表面でわさびをガリガリと砕きながらおろすことしかできないためです。
それだと粒子が粗くなり、空気を取り込むことができず、十分にわさびの辛みを引き出せません。
対して「鋼鮫」でおろすと、見た目が明らかに変わっていることが分かりますよね?
粒子の形がなくなりしっとりと滑らかに仕上がっていることがわかります。
このしっとりとした状態こそ、粒子が細かくなる過程で十分に空気が取り込まれている証拠になります。
では何故鋼鮫だとこんなにもしっとりと滑らかなわさびが作れるのでしょうか?
「鋼鮫」の秘密は「わさび」の文字!
もうお気づきの通り、この「わさび」の文字にこそ最大の秘密があります。
それぞれの文字の形状をよくみてください。
image:モーニングショーより
「わ」も「さ」も「び」も、文字の中に輪が存在し、その中でわさびが回転することで細かくすりおろされていきます。
image:モーニングショーより
また「わ」「さ」「び」すべての輪にはすき間があり、そこから空気が取り込まれます。
image:モーニングショーより
なるほど、この板の上で大きな “する動作” の奥で、小さな無数の “する動作” が行われているということですね。
大きくすっているようで、実は「わさび」の一文字、一文字ごとに細かく粒子が入り込み、その中でさらに細かく回転しながら粒子を削り、かつ空気を取り込んで滑らかにしているというわけです。
これは凄いですね…!
考えて作っていたとしたら…!
「わさび」の文字が入っているわさびおろしなんて、科学的に考えたら普通、作りませんよ。
ジョークグッズとしてハンズやドン・キホーテに売ってそう…。
きっとジョークで作ったら偶然美味しくなっちゃったに違いない!
この空気がどうのというのも、どうせ後付けじゃないの…?
なんて初めは思っていました。
初めは。
では次項で開発されるまでについてお話していきましょう。
鋼鮫が開発されるまで
image:モーニングショーより
山本社長は自らを「わさびの馬鹿」というほどのわさび人間です。
わさび自体の売上は下降線を辿り、どうしたらわさびの美味しさをもっと広められるかを考えました。
そこで一般家庭でも美味しく簡単に、最高に美味しいさわびが食べられる器具を作ろうと考えました。
わさびは本当はもっと美味しいんだと伝えたいという、まさに信念からの行動です。
美味しくわさびをおろせる器具といえば「鮫皮おろし」がありますが、動物の皮のため手入れをしなければカビが生えるなど管理がなかなか大変です。
価格も高く、なかなか一般家庭では浸透しません。
その為、既存のおろし金を発展させることにしました。
おろし金の表面のトゲトゲをどうにか美味しくできるように変えたい。
そう考え技術として採用したのは「エッチング加工」でした。
「エッチング加工」というのは、残したい部分の周りを薬品で溶かして金属に凹凸をつける技術です。
一見、「わさび」の金型で製造しているのかと思いきや、エッチング加工で製造されていたんですね。
開発当初に様々な検証をしたそうです。
削るためには角が立っている必要があります。
そこで波型、星形、ひし形といったエッチング加工を表面に施したサンプルを次々と作って試しました。
ところが直線が多いと粗く削れてしまい美味しくできませんでした。
つまり「丸い部分」が多い方が良さそうだと気付いたわけです。
そして様々な文字で試しているうちに、必然的に「C」という文字がとても良いことに気が付きました。
「C」は以下の要素を全て持ち合わせていたわけです。
丸くなっていて空間がある
空気が入るすき間がある
大分最終系に近づいてきましたね。
でも「C」って…
いっぱい並んでいたら目の検査になっちゃう
冗談のようですが、想像したら確かに検査ですね(;’∀’)
ということで、どうせなら楽しみながらわさびをすってもらおうと思いついたデザインが、「わさび」だったというわけです。
これでお分かりいただけたと思います。
美味しくすれる文字の形が先に考案され、そして「わさび」に辿り着いています。
ただのジョークで作ってみたら偶然美味しくなっちゃったのかと誤解していましたが、しっかりと根拠があったんですね。
どうせ後付けだろ~
なんて思って、山本社長、ゴメンナサイ!
まとめ
image:モーニングショーより
「鋼鮫」は生姜もよくすれると好評のようです。
けば立たず、滑らかにすれるので、しょうがを使った料理や健康ドリンクなんかにも最適かもしれませんよね。
管理は水で洗って乾かせばおしまいです。
簡単に誰でも美味しいわさびを食べられるようにしたのは、まさにわさびの革命児や!
山本社長は成功の秘訣をこのように語りました。
成功の反対は何もしないこと
その心は、失敗してもいいからとにかくやってみること。
一番良くないのは失敗を恐れて何もしないこと。
成功者は皆、声を揃えたかのようにこの秘訣を話しますよね。
亡くなってしまいましたが、登山家の栗城史多さんも著書で語っていました。
(彼は山で亡くなりましたが「失敗者」ではなく「行動し続けたひと」だと思っています)
何度でもトライ、ダメなら何故ダメなのかを考えて、またトライ。
“わさびを最高に美味しくすれるのは「わさび」という文字そのもの”
という運命的な出会いもまた、世間の共感を呼びやすいでしょう。
誰も思いつかないとしても「わさび」という文字でいいじゃないか!
どうせなら楽しくすってもらおう!という発想が、この商品の成功を早めたと言っても過言ではありません。
「成功は失敗のもと」こそ、発展を生む真理なのだろうと改めて思わされました。
「鋼鮫」気になったらAmazonでお得に購入できますのでのぞいてみてくださいませ。
以下のリンクからご覧ください。
贈答用にも良さそうですね!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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