相田一人氏は拝金ではない理由とその功績とは。相田みつをさんの作品を最もよく理解していると感じる紹介は分かりやすい。

相田一人氏は拝金ではない理由とその功績とは。相田みつをさんの作品を最もよく理解していると感じる紹介は分かりやすい。

相田みつをさんには、相田一人という長男がおります。

「相田みつを美術館」の館長をされています。

その作品紹介はとてもわかりやすく、最もよく理解されている方なのではと実感があります。

そんな相田一人氏を「金儲け」「拝金」というひとがいることも事実のようです。

これはちょっと残念なことです。

物事の本質を見間違えれば、ただの嫉妬に引きずられてひと様を罵倒する人生を送ることになります。

かつて相田一人氏の作品紹介を直接聴いた直観から、相田一人氏を陰ながら応援することにしました。

この記事では相田一人氏と、その作品紹介、そして拝金というひとへの「問い」を書いていきたいと思います。

 

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相田一人氏とは


image:www.bayfm.co.jp

 

相田一人氏は相田みつをさんの長男です。

「相田みつを美術館」の館長を努めています。

相田一人氏の「一人」という命名は、相田みつをさんの死後に見つかった日記に書かれていました。

 

気骨ある人に成長するように、

何事も一人でやっていけるように、

一日も早く一人立ちできるように、

という願いをこめて『一人』と命名した

また、転じて後、

人生の孤独、寂寥、悲哀等を

一人で堪えてゆかねばならぬ時の事を考えて、

あえて『一人』と名付けた次第なり

 

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平易な文体の詩を書く反面、座禅での修行を生涯行い人生に厳しさを感じていた相田みつをさんらしい命名の理由だと思います。

 

相田みつをさんは、1991年(平成3年)12月17日、 道で転倒し骨折し入院しましたが、脳内出血により亡くなられました。

67歳でした。

 

相田みつおさんは生前、

 

世の中にとって必要なものであれば、自然に残っていく

必要ない物はどんなに残そうと思っても残らないんだ

美術館をつくろうなどとはゆめゆめ思うんじゃないぞ

 

と反対していたそうですが、印刷物ではない本物の「書」に触れて欲しいという相田一人氏の願いから1996年(平成8年)9月19日、銀座に「相田みつを美術館」は建設されました。

※2003年に東京国際フォーラム内に移転しています。

 

相田一人氏は当時勤められていた出版社を退職し「相田みつを美術館」の館長に就任されました。

 

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相田一人氏の作品紹介は

 

相田一人氏は相田みつを美術館で、作品紹介をされています。

私も大好きな「ただいるだけで」という詩について、ご自身の解釈を交えて紹介されています。

書の特徴として3点を挙げられています。

 

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1.平仮名中心であること


image:アゴラ

 

相田一人氏いわく、相田みつをさんは「自作自演のシンガーソングライターみたいなもの」ということです。

そのため自分の詩に相応しい “書き方” を考えたのだろうと。

 

これは斬新な例えで納得しました。

なるほど…

詩にあった曲を書くことと同じで、詩人は書体を工夫するというわけですね。

 

柔らかい詩には漢字はあわないと思い、平仮名で書くようにしたといいます。

そして相田みつをさんの作品は全体として柔らかい詩が多いので、全体として平仮名が特徴だという認知になったそうです。

2.誰でも読める字であること


image:阪急阪神百貨店

 

有名な書道家の書を、誰でも読めるかというとそうではないといいます。

確かに書道家が墨で各書というものは達筆過ぎて、素人にはどうにも読みづらいものです。

 

相田みつをさんはそれは自身のスタイルではないと思ったのでしょう。

伝えることに意味があるシンガーソングライターなので、相田みつをさんは誰でも読める字で書くことに徹したそうです。

 

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3.誰でも自由に受け止められること


image:アート静美洞

 

相田一人氏はこれが最大の特徴だと断言しています。

相田みつをさんは、若い頃から仏縁があり座禅を行ってきました。

曹洞宗の座禅を一生懸命勉強したそうです。

しかしながら出家はしていないのでお坊さんではありません。

だから “説教” もしていないのです。

 

画商の菅原澄によると、相田は自分では「自分は書家ではない。在野の坊主だ」と常々言っていたが、人間臭く、わがままで、嫌いな相手とすぐケンカになったり、女性に大層もてたりしたという

出典:Wikipedia

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こうした逸話が伝わっているのも影響していそうですが、どうも誤解をして「相田みつをさんは、つまりお坊さんなのでは?これは説法なのでは?」というひとがいるそうですが、それは本当に誤解、解釈違いをされているようです。

 

高いところから「こうだ」「こうしなさい」と話すのではなく、同じ地平でしかものをみないのが相田みつをさんの特徴です。

だから「そんなあなたにわたしもなりたい」というように、自分もあなたと同じなのですと語り掛けているだけなんですね。

逆にお坊さんは説教をしている方に「あなたのようになりたい」なんて言いませんね。

達観していて欲しいお坊さんにそんなことを言われても困るだけでしょう。

このように、相田みつをさんの詩は、説教ではないので誰がどういうふうに捉えても良いというわけです。

 

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「ただいるだけで」という詩。

 

ただいるだけで

あなたがそこに
ただいるだけで
その場の空気が
あかるくなる

あなたがそこに
ただいるだけで
みんなのこころが
やすらぐ

そんな
あなたにわたしも
なりたい

 

これは相田みつをさんの奥さまを想って書いたものだと、奥さまは仰っているようです。

ところが、相田一人氏はそれを否定しています。

よくモデルがいたのでは?奥さまでは?と問われるそうですが、

 

単に自分の理想像を書いたと思っている

父が母を想って書いたとは思えない

 

そう断言されています。

有名になりたい、お金を稼ぎたいのなら。

美術館館長として、実の息子として、世間の感動を呼びたいだけなら、間違いなく奥さまの感想を採用すべきでしょう。

 

でも、そうしません。

本人をみてきた家族だからこその想いというのもあるのかもしれません。

これこそ読んだひとが自由に受け止められるものだと相田一人氏が辿り着いた境地なのかもしれません。

こういう「暖かエピソードでオブラートしようとしない」お人柄に、本質、誠実さを感じずにはおられません。

 

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相田一人氏は拝金なのか?


image:敷島ファーム

 

相田一人氏が拝金主義だと批判するひとがいるようです。

あいだみつをさんの詩でグッズ販売などで多額の利益を得ているという指摘です。

果たしてその批判はあっていると思いますか?

あいだみつをさんは、大変貧しかったのです。

家族が貧乏にあえいでいる中で、高価な紙で大量に書を書いていました。

世の中に認知されるようになってきたのは60歳を過ぎてからだと言われており、ご存命のうちに売れてお金持ちになることはありませんでした。

爆発的に売れたのは、美空ひばりさんの自伝で病床のひばりさんが勇気づけられた詩として有名なあの詩を紹介されたことがきっかけだったと言われています。

 

つまづいたって
いいじゃないか
人間だもの

 

亡くなるまで苦労をかけてはいましたが、家族を顧みずというわけでは無かったようです。

ただ完璧な作品を生みだしたかった一心のようです。

その証拠に作品の最終チェックは奥さまに任せておられたということです。

決して独りよがりにならず読み手の目線を入れていたし、奥さまをその重要な読み手に選ばれているということは、いかに信頼していたかの証です。

 

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そんなあいだみつをさんには、こんな詩が残されています。

 

image:NAVERまとめ

かねが人生のすべてではないが
有れば便利
無いと不便です
便利のほうがいいなぁ

 

これは人間・相田みつをのとても素直な心情ではないでしょうか?

自分もそう思うし、きっとこれを読んだ「あなた」にも伝わるのでは。

そう思ってこの詩を綴ったのではないでしょうか。

 

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苦労し、家族にも迷惑をかけたからこそ滲み出た言葉。

相田みつをさんは亡くなる前に、奥さまの千江さんに「この次生まれ変わった時にはもうちょっといい生活をさせてやるからね」「来世も結婚しよう」というような言葉を掛けていたと、奥さまが伝えられています。 

 

息子である相田一人氏が父の遺産で儲けることにいったい何の間違いがありましょう。

苦労をかけた家族へ残すことができた、これが遺産・財産・恩返しなのですから。

 

それを拝金だというひとは、恐らくは、相田みつをさんのことを聖人かなにかかと誤解されているのではないでしょうか。

もしくは全く相田みつをさんの詩には興味がないひとなのでは。

 

相田みつをさんはただのひとりの、今は天国で家族の幸せを喜ぶ詩人に過ぎません。

大事なことは、相田みつをさんの詩を読んで、心が震える体験をし、心に刻んで次の一歩を踏み出すことなのです。

 

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まとめ

相田一人氏には、著書があります。

こちらになりますが、よろしかったら読んでみてください。

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「ただ金を稼ぎたいだけ」などといまだに罵るひともおり悲しい気持ちになります。

世に広めていただいたことで、どれだけ多くのひとが救われたことでしょう。

ただ物販をして稼ぐのではなく、ただ展示するだけでもなく。

相田みつをさんの作品を「必要としているひとに届けられるようにした」その功績は大きいのではないでしょうか。

名画を観るには庶民には難しい時代もあったと聴きます。

『フランダースの犬』で主人公ネロがどうしても観たかったルーベンスの絵画が高価な観覧料が必要だったために観られなかったというストーリーは有名です。

富めるひとにも、貧しいひとにも、健康なひとにも、病めるひとにも、みなさんに詩を届けられるようになったのは相田一人氏によるところだと確信しています。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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