ジュンティーニキアラさんという、イタリア人でも日本で和菓子のバイヤーをされている女性がいます。
これまでも幾度かテレビやマスメディアで取り上げられてきた彼女。
キアラさんの特筆すべき個性とはポジティブさではないでしょうか。
9700kmも離れた遠い遠い異国の地、ニッポン。
そこで日本語とキャラクターを駆使して老舗の門を開いていくキアラさんとはいったいどんな女性なのでしょうか?
この記事では、彼女の素敵な個性に焦点をあててみたいと思います。
キアラさんが日本で働き始めた理由とは?
image:WWD
多くの外国人が日本に憧れを抱き、来日するきっかけとなっているのが実はアニメや漫画だということをご存知でしょうか?
ジュンティーニ・キアラさんもその中の一人でした。
子どものころは
『美少女戦士セーラームーン』
『るろうに剣心』
『ドラゴンボール』
といった作品に夢中だったそうです。
これだけをみると、いわゆる「ニッポン大好き外国人」となんら変わらないように思いますが、ここからキアラさんらしさが突出していくことになります。
好きだという強い想いから漫画家を目指してイタリアで専門学校に通っていたこともあるそうですが、漫画に登場する日本の食文化に興味を抱くようになり、大学の日本語学科に進学し日本の文化そのものを学び始めました。
在学中に1カ月だけ短期留学で来日しますが、さすがに1カ月では足りなかったため、1年半後に再来日して1年を日本で過ごしました。
日本を知る生活を送る中で漫画家の夢は消えていきましたが、2012年秋に伊・ベネチア大学院卒業すると日本で生活することを選びました。
好きなので漫画家を目指す!
→ 専門学校に通う
→ 大学で日本語を学ぶ
→ 2度の留学
→ 日本で就職を決める!
普通は「好き」で終わるものです。
そこからどんどん日本が好きになっていき、とうとう就職まで。
実に見習うべき行動力だと感じます。
これがキアラさんが日本で働き始めた理由です。
高島屋に就職を決めた理由とは?
image:WWD
2012年暮れに来日し、2013年に高島屋に入社します。
研修後、日本橋高島屋食料品売り場に配属になりました。
なぜ高島屋という百貨店を選んだのかというと、
食品もファッションも、その他にもさまざまなカテゴリーがあり、そして販売職も事務職もあり、自分に合うものが見つかるのではないか
出典:WWD
ということでした。
日本で仕事をしながら本当にやりたいことを探すために、高島屋を選んだということですね。
日本人だと、ひとつのところに配属されてしまえば一定期間は簡単には異動できなさそうだという印象を持つものですが、そのあたりはイタリア人のキアラさん、来日したときの印象で思い切った決断をしたのかもしれませんね。
まさかのアジアフード…でも全力!
image:新潟加島屋
入社後は食品売り場での研修となりましたが、食べることも作ることも好きなので単純に好きなものに囲まれて幸せだったと語るキアラさん。
その時点では食品売り場に配属されるかは分かっていなかったはずですが、素直に受け入れていった様子が感じられると思います。
水を得た魚のようにいきいきと働く姿から、食品売り場に配属されることに決まったのではないでしょうか。
慣れない日本の生活、日本語に囲まれ不安な日々だったはずですが、好きと思えることに集中して取り組めたことは、キアラさんの前向きで素敵なキャラクターがあったからこそなのかもしれません。
外国人だから当然ワールドフーズに配属されると思っていたそうです。
ところが実際はアジアフードを扱う店舗への配属が決定。
新潟加島屋の販売員を担当します。
新潟加島屋さんといえば、安政2年(1855年)に創業した魚の干物などを扱う老舗中の老舗です。
看板商品は「さけ茶漬」です。
調べてみたところ、以下のような瓶詰めも大変好評を得ている人気商品でした。
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いくら醤油漬や、貝柱のうま煮なども大変好評です。
ここはズバリ「魚」が売り物ということはお分かりいただけると思います。
そんな新潟加島屋さんで最初の1年は、日本食材を覚えることに必死でした。
「鮭」のような魚の名前や漢字を覚えることに苦労したそうです。
お寿司屋さんにある湯飲みに書いてある魚の漢字。
全部読めますか?
image:Amazon
フリガナが無ければちょっと読めませんよね?
日本人でもちゃんと読める人はほとんどいないそうです。
そうした言葉の壁を少しずつクリアしていったようです。
そんな販売員の生活が入社後2年間続きました。
3年目に和菓子のバイヤーへ抜擢!
2016年に、食料品売り場の和菓子のストアバイヤーに抜擢されました。
まだ高島屋で取り扱っていない新しい商品を探して様々なお店を訪ね歩くバイヤーの仕事。
当然、東京だけではなく地方への出張もあります。
担当と会うためにはまずは電話でアポをとるものですが「ジュンティーニキアラです」と言うと必ず驚かれたそうです。
外国人が日本食のバイヤーをやっているなんて、あまり例が無さそうですから当然かもしれませんね。
でもそれを壁と捉えずに「面白い」と捉えたのがキアラさんでした。
出向いてお話をするうちに、逆にキアラさんに興味を示してもらえることを「面白い」と考えているそうです。
また自身が企画した商品が段取りの悪さで売れなかったときも、きちんと振り返りとブラッシュアップを行っているそうです。
ナッツやココナツなどを使った現代的なオリジナル商品をつくり完売しているそうです。
バイヤーとしては当然ではありますが、すべて異国の地で日本語を駆使して行っていることを考えれば驚くべきポジティブさと行動力ではないでしょうか。
キアラさんが成し遂げてきた仕事は沢山あるはずですが、こんなエピソードが『ウチの子、
浅草の名店「御菓子司 亀十」のどら焼きは昔から下町っこに愛されてきました。
その亀十さんと日本橋高島屋はしばらく商売の関係を断っていたそうですが、キアラさんが根気よく交渉し、再び販売の契約にこぎつけました。
亀十の担当さんも「よく勉強している」と感心しており、キアラさんの「どら焼き愛」とひたむきな姿勢に心を打たれたのは間違いないでしょう。
こういうエピソードを聴くとどうしても「外国人だから余計に凄く見えるのでは?」という分析が先に来てしまう方がいると思いますが、それは物事の側面だけを評価しているに過ぎません。
ただ美人の外国人が「オイシイ!」と言ったところで簡単には越えられないのが “大人の感情の問題” だったりするのです。
むしろそれだけだったなら「美人の外国人なんかよこしやがって」と、かえってご破算になるでしょう。
いかに熱っぽく、お菓子への愛情を的確な知識とともに語ることができるか。
足しげく通いつめ、下心よりも真心をみせることができるか。
ある和菓子屋の店主からは「昔からの日本人、日本人より日本人らしい」とさえ評されるほどに、ひとつひとつの所作からしっかり学び、日本人の心を表現できているからこそ、バイヤーとして優秀な成果を出し続けているのではないでしょうか。
キアラさんのこれから
image:KitchHike
イタリアと日本の架け橋になりたいと語るキアラさん。
イタリアの家庭料理を教える料理教室の先生をされることがあるそうです。
こちらはKitchHikeというサイトに登録されているキアラさんのアカウントです。
素敵なお料理が紹介されていますので、のぞいてみてくださいね!
出典にリンクがあります。
アカウントの紹介文にはこんなふうに書かれていました。
なんだか、キアラさんの可愛らしいキャラクターが全開な気がしませんか?
チャオ〜♪ キアラです(^-^)
食べたり、料理を作ったりするのが大好きです。イタリア料理はもちろん、そして日本料理やその他の料理、創作料理にも挑戦します。今は日本で働いていますが、学生時代、イタリアとイギリスにも住んだことがあります。
家庭イタリア料理や日伊料理(笑)、旅行やヨーロッパなどに興味がある方はいつでも遊びに来てください( ^ω^ )
そしてこちらが、キアラさんの公式ブログです。
お忙しい中でもしっかりWordPressで作りこまれていて感心してしまいました!
image:Paopu Cake
こちらの紹介文にはこのように書かれていました。
イギリスにも留学経験をお持ちのようなので、英語も堪能なのだろうと思います。
イタリア語、英語、日本語に堪能で日本大好き!そしてポジティブ!となれば、これは高島屋がバイヤーに抜擢したくなるのも分かる気がします。
キアラ (Chiara) 日本の漫画・アニメが好きなきっかけにイタリアのフィレンツェにある実家を出てヴェネツィアの大学で日本語学科に入る。大学時代、日本やイギリスで留学し、結局日本に住むと決める。現在、「キッチハイク」というウェブサービスを通じてイタリア家庭料理のフルコースを振る舞う会を家で開いています。 昔から食べ物を愛し、趣味で料理を作ったり、ホームパーティーを開いたりする他、最近は真面目に料理や食文化について勉強し始めた。イタリア料理や和食、どこの国の料理であっても、将来「食」の世界でプロとして活躍できることを目指す。
またイタリアでは和菓子はほとんど知られていないためプロモーションをしていきたいといいます。
和菓子と似たものがイタリアに全くないから知られていない、受け入れられていない理由ですが、それを逆手にとって売り込みたいというのはバイヤーとしての思考がだいぶ出来上がっていいるな、と感じます。
ここ数年の日本食ブームの波をうけて、イタリアでも日本食レストランが沢山オープンしているようですが、まだまだ家庭に納豆や和菓子が浸透しているわけでは無さそうです。
それこそバイヤーの腕の見せ所なのかもしれませんね。
キアラさんがイタリアで紹介した商品が高島屋で買えるとなれば、来日した際に高島屋に訪れるようになるでしょう。
これこそキアラさんをバイヤーに抜擢した高島屋が期待していたセカンドステージなのかもしれませんね。
『ウチの子、
なんと日本橋高島屋だけのバイヤーから、全国の高島屋のバイヤーへと昇進されたようです!
おめでとうございます!
映像では本当にお忙しそうでしたが、お身体を大切に頑張っていただきたいですね。
キアラさんが開発に参加したお菓子はこれ!
「榮太樓總本鋪」が製造・販売する「からだにえいたろう」というラインナップがあります。
糖質やカロリーを抑えながら、従来のお菓子の美味しさを追求しています。
その中の大福に関わられているようです。
楽天で販売しているのを確認できました。
人気商品なのでよかったらのぞいてみてください。
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この商品の特徴は「マンゲツモチ」を使っているところです。
特別栽培米「マンゲツモチ」とは、天皇陛下が皇居内の水田で作付けされたこともあるもち米で、11月の新嘗祭(にいなめさい)で皇室の神事に供物として使われているほどの歴史と由緒のあるお米です。
また小豆は国産北海道小豆100%です。
砂糖はパラチノースを使用。
パラチノースは砂糖由来の糖質ですが、血糖、インスリンの急激な変化が起きず、体にストレスをかけにくい砂糖として注目を集めています。
注文して食べてみましたが、弾力のある力強い食感と、古来からある品種を感じさせる旨味が感じられました。
また同じ「からだにえいたろう」のシリーズでも、【食と健康アワード2019 <一般食品部門>】で大賞を受賞した商品もあります。
こちらも取り寄せて食べてみましたが、とっても甘くて美味しいのに糖質が抑えられていて、身体が喜ぶ感じでした。
あわせてこちらもおすすめいたします。
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まとめ
キアラさんは、チャンスをつかむには行動力とポジティブだということを教えてくれます。
今も忙しい仕事の傍ら、料理教室をしたり、ブログでイタリアの料理を紹介するなどの活動をしています。
それがまた新しい仕事に繋がっていくのだろうと思います。
きっと日本とイタリアを食で結ぶ懸け橋になっていくと確信しています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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