西日本豪雨から2週間
西日本豪雨から2週間が経ちました。
死者は218人、安否不明者は12人。
行方不明者の捜索は1週間前と比べて格段に進んでいるとは言え、いまだ被災地域の土砂のかたづけもままならず、避難生活が続いている状況です。
そこにこの暑さの追い打ちで、ボランティアが救急搬送されてしまうという事態も続いています。
深刻な人出不足
image:グッド!モーニングより
警察やレスキュー隊の数は圧倒的に足らず、ボランティアに頼らざるを得ない状況が続いています。
土日、祝日にはボランティアは多く集まりますが、平日にはガクッと人数が落ちてしまうという問題があります。
被災地は今、深刻な人出不足に陥っています。
ボランティアの数(21日時点 各自治体調べ)
広島県 約4000人
岡山県 約2800人
愛媛県 約1200人
これをみてもらうと分かりますが、十分に足りている地域と、不足している地域がはっきりと分かれてしまっています。
被害の状況にもよるため全体の人数では分かりづらいところがありますが、愛媛県は広島県の1/3以下しか集まっておらず、その中で被災地にボランティアが拡散していくため、広島県以上に過不足が起こっていることが伺えそうです。
ボランティアセンターで振り分けているはずですが、どれもうまく機能していないのが現状です。
山口県の被災地域に救世主が!?
image:グッド!モーニングより
山口県周南市でも、電車が運行見合わせし、報道も少なく、深刻な人出不足に陥っています。
土砂崩れで1人が死亡しています。
ここも、高齢者の被災者が多く、自分たちではどうにもならないという「困っている被災者」が多数いるという現状です。
そんな周南市に、在日米軍岩国基地に所属する米軍海兵隊の精鋭隊員たちが、休日返上でボランティアに来てくれています。
海兵隊員といえば、米軍の中でも最も過酷な訓練と試験を通過しなければなれないと言われており、彼らは米軍の精鋭部隊といえます。
image:グッド!モーニングより
米軍の支援といえば、「トモダチ作戦」を思い出します。
東日本大震災のときに日本政府の要請に応えて米政府主導で行われた救援活動です。
image:グッド!モーニングより
今回は、政府から支援要請はしていません。
海兵隊がみずから志願して休日返上でボランティアにやってきてくれました。
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私服のまま、道具もすべて持参しています。
日本語がわかる隊員が同行し現地の被災者とのコミュニケーションをとります。
衛生兵も同行しており、作業時の怪我にもすぐに対応できます。
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ある支援先のお宅で
image:グッド!モーニングより
ある救援に向かったこの被災者宅は、土砂崩れで家の中まで砂が入り込んで生活ができない状態になっていました。
彼らはそこで黙々と土を土嚢に詰めて運び出します。
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この家のご主人はこのように、被災者としての心境を語ります。
災害の怖さというか、それをしみじみ感じました
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海兵隊員はこのように語ります。
助けが必要なら助けにいきたい
ここは間違いなく助けがいる
もし自分が逆の立場なら助けて欲しいはず
image:グッド!モーニングより
被災者のこころを感じ、自ら動いてくれました。
もちろんボランティアですから、無償です。
この気持ちにとても感動しました。
日本語がわかるスタッフが同伴しているとはいえ、被災者の気持ち、都合も考えての作業です。
日本人でもかなり気を遣う作業。
身振り手振りで説明しますが、どうしてもうまく伝えられないところはあるようです。
image:グッド!モーニングより
それでも作業を始めると海兵隊の専門知識をフル活用します。
土砂の下に湧き水がみつかると、すぐさま手近な資材で水路を整備し、水を逃がす処置、土砂崩れを防止しました。
image:グッド!モーニングより
こうした機転は、知識の無いボランティアではなかなかできないことかもしれません。
ある隊員はこのボランティア活動についてこのように話しました。
軍のいいところは色々な知識を持った人が集まるところだ
過酷な作業だけど、一日の最後に自分は “変化を生み出した” って言えるだろ
行動しなければ何かを成し遂げたとはいえない
それは大きな違いだと思うんだ
image:グッド!モーニングより
この言葉は、なんとも爽やかな気持ちにさせられます。
そして彼らの人生観は、ボランティアに限らず、僕たちの心にも語り掛けてくれているかのようです。
どんどん力強く作業をすすめ、家に積もった土を完全に外へ出すことに成功したようです。
image:グッド!モーニングより
数時間の作業後には、家主は海兵隊員たちを信頼し、打ち解けていたようです。
image:グッド!モーニングより
最期に家主をいれて全体写真です。
悲嘆に暮れていたはずの家主に笑顔がうまれ、表情がパッと明るくなっていることに気づきませんか?
image:グッド!モーニングより
家主の男性はこのように語ります。
結びつきというか、絆というのを感じました
やっぱり勇気をいただきました
image:グッド!モーニングより
ボランティア募集の現状
ボランティアの不足も問題ですが、支援の偏りがひとつの原因となっていることが明るみになっています。
岡山県矢掛町では、49人募集のところ、116人が集まってしまい、ほとんどの日で必要人数を上回っている状態です。
岡山県総社市では、連日多くのボランティアが集まり、もう県内の人に限定をすることに決めました。
ところが、広島県竹原市では、社会福祉協会で一日100人を募集していますが、休日で107人、平日は半数に満たないという状態です。
愛媛県宇和島市では、人もバスも全てが足りないと悲鳴を上げているそうです。
ボランティアは希望者が被災した各市町村のWebページで募集人数や応募状況を把握して応募します。
その時点の応募状況だけをみて応募することで、必要以上に集まってしまう事態が起こっているようです。
まとめ
image:グッド!モーニングより
困っている地域があると自ら率先して助けに来てくれた米軍海兵隊員には、心から感謝をしたい気持ちです。
本来彼らはアメリカ政府や米軍の命令のもと、強く統制をされた組織です。
その統制から外れる休日を返上して来てくれるということは、気に入られようなどという下心など皆無です。
海兵隊員の「行動しなければ何かを成し遂げたとはいえない」という強い信念、ポジティブな思考は、力を落としている被災者に勇気を与えてくれました。
こうした援助はありがたいことではありますが、本来は日本人ボランティアの役に立ちたいという気持ちを最優先に活かす方法を考えるべきです。
全ての県をまたぎ、統合的に人材の過不足を把握し、適切に割る当てるシステムの準備が急がれます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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