愛知県警が公開した空き巣の映像
image:グッド!モーニングより
2018年8月9日に愛知県警が公開した、空き巣犯の映像です。
とある住宅の前に真っ黒い高級車が横付けされました。
後部座席から全身黒づくめで目出し帽を被った2人の人が出てきました。
(報道では男と断定していましたが、目出し帽を被り黒づくめのため性別不明としておきます)
ひとりはツカツカと玄関の前まであるいてきます。
image:グッド!モーニングより
犯人は表と裏に分かれて白昼堂々と住宅に侵入しようとしています。
以下は裏手に回る犯人です。
image:グッド!モーニングより
1人は自動車を動かし、近所に怪しまれない場所にいったん移動するようでした。
image:グッド!モーニングより
この空き巣の結末がいったいどのようになったのかは分かっていませんが、防犯カメラで撮影されたものが公開されていることからすると実際に被害があったと考えられます。
愛知県は空き巣が異常に多い
参考:e-stat
このグラフは全国の侵入盗(空き巣など)の多い都道府県の3年間の積み上げグラフです。
愛知県が抜きんでて多いことがわかります。
愛知県では2017年に空き巣の被害が8年連続で全国ワーストとなっています。
以下は2016年の侵入盗(空き巣など)の件数のワースト10です。
都道府県の人口との比較表にしています。
認知件数とは警察で犯罪と認知された件数です。
認知件数 | 人口(2012年) | |
愛知県 | 9084件 | 726万人 |
大阪府 | 7145件 | 886万人 |
千葉県 | 7086件 | 614万人 |
東京都 | 6925件 | 927万人 |
福岡県 | 6711件 | 504万人 |
埼玉県 | 5992件 | 715万人 |
神奈川県 | 4700件 | 907万人 |
茨城県 | 4005件 | 296万人 |
兵庫県 | 3857件 | 557万人 |
北海道 | 3671件 | 548万人 |
参考:e-stat
愛知県が唯一9000件台に乗っておりダントツであることが分かります。
人口比でみると、神奈川県はこの中でも2位の907万人ですが、侵入盗の件数は約半分です。
いかに愛知県の侵入盗(空き巣など)が多いかを示すデータです。
愛知県が何故これほどに空き巣が多い理由は確固たる理由は分かっていないそうです。
以下に愛知県セルフガード協会で取材をされた際の回答がありましたので出典させていただきました。
「これといって断言できる理由がなく、警察も頭を悩ませているところ」と前置きしたうえで、こういう理由ではないかという仮説を教えてくれた。
「1つ目は所得。
愛知県の平均所得が比較的高く、中間所得層が多いということ。
高所得者層が多い地域は、セキュリティーにもお金をかけていて侵入盗からするとガードが堅く侵入しづらい。それに比べると愛知県は比較的ガードが甘くて侵入しやすいとみられています。2つ目は県民性。
警戒心が薄く『うちは大したものはないから大丈夫』と思っている人が多い傾向があります。3つ目は幹線道路が整備されていること。
侵入盗はグループで犯行に及ぶことが多く、車を使って逃走することから『外から入りやすくて逃げやすい」道路網が整っていることが侵入盗のターゲットになる要因だといわれています』(和田さん)また、2016年警察庁のデータによると、侵入窃盗の発生場所別認知件数は、一戸建て住宅が41.2%。オートロックなどセキュリティが備わっているマンション等より、一戸建てが狙われやすい傾向に。戸建て志向が強いという県民性も原因となっているかもしれない。
出典:LIFULL HOMES
お盆やお正月に被害が多発する空き巣
お盆やあ正月は旅行や帰省で長期間、家を空けることが多いですよね。
そのため空き巣、泥棒の被害は増える時期です。
今回の愛知県の空き巣も、8月に不在にしたお宅を狙ったものでした。
長期間家を空ける場合、やはり空き巣、泥棒の被害には会いたくないものです。
どういう家が狙われやすいのでしょうか?
これは愛知県に関わらず、愛知県の理由が非情に参考になると感じましたので、参考にして考えてみましょう。
住んでいる物件
所得があり、外観があからさまにお金持ちの家はセコムなどの防犯を入れている可能性が高いと推測され、狙われにくいと言えるでしょう。
逆にボロ家のような家には、入ってもリスクの方が高いので、ターゲットには入れないのでは。
アパート、マンションはどうでしょう。
隣の部屋に物音で気づかれたり、出入りするところを目撃されるかもしれないのでこれもリスクが高いでしょう。
また空き巣の手口として鍵穴をこじ開けるやり方(ピッキング)もあります。
ピッキングされやすいと言われるディスクシリンダー錠はいまだ日本で圧倒的に多い錠です。
こちらがディスクシリンダー錠です。
これは古い物件に多く、「MIWA」が多いです。
image:板橋区の鍵屋 鍵交換・ 修理 ・合鍵 CUBロックサービス
住民が頻繁に入れ替わる賃貸物件はロータリーディスクシリンダーキーやディンプルキーといった、ピッキングしにくい錠と交換していることが多くなっています。
image:鍵の特急マスター
ただこれも大家の考え方で交換をしない場合もあるので、確認してください。
また収入の高いひとはオートロック付きのマンションに住んでいるため容易には侵入できないでしょう。
そうした理由から、賃貸物件やマンションは優先度が下がるでしょう。
そのように考えていくと、普通の少し年季の入った一軒家が狙われやすいのではと考えられます。
一軒家の中でも、庭と駐車場があり、子供がいる家庭が住んでいる物件を狙いやすそうです。
何故なら、庭と駐車場があることでそれだけの土地を購入出来ているため比較的収入があること、子供のいる家庭は実家への帰省で長期間不在にすることが多いためです。
一軒家でも高齢者だけが住んでいる場合はむしろ家を空けることが少ないため、空き巣のような窃盗犯は狙わないでしょう。
(ここでは人がいても押し入る強盗と明確に分けて考えています)
セキュリティへの意識
愛知県の県民性では、「うちは大丈夫」と思ってしまう大らかな県民性ということを仰っているのかなと読めましたが、こうした大らかさは、愛知県に関わらずどこで同じように言えるのではないでしょうか。
都心や人が多い住宅街では流石に外出時には、窓を閉め、鍵をかける習慣があると思います。
ところが、少し郊外で周辺に住宅が少なく、緑も多いような場所では、突然窓を網戸のままにして外出してしまったりしていないでしょうか?
周囲に人気が少ないということは、空き巣もいないと勝手に安心してしまっている方、いそうですよね。
周囲に家が隣接しておらず、緑に囲まれているような家は、まさに空き巣が一番美味しいと思っているターゲットでしょう。
誰にもきづかれず堂々と入って、堂々と出ていけますから。
それに下見をしても気づかれにくいという利点もありそうです。
逃走しやすい物件
愛知県の公開された映像でも分かる通り、逃走用に自動車でやってきています。
昔の「ドロボウ」のイメージでいると大間違いです。
自動車(ワゴンくらいの大きいタイプ)にどんどん持ち込んで風のように去っていきます。
そのためには、家の前に自動車を横付けしやすい物件かも重視するでしょう。
門が無かったり、簡単に門を開けられて車のお尻を突っ込めるようならなおさらです。
また幹線道路で短時間でできるだけ遠くへ逃げられることも条件に侵入物件を見繕っているでしょう。
住宅街の道が入り組んだところにあり、幹線道路に出るまで5分~10分も走らないといけないような物件は優先度をさげるように思います。
まとめ
この記事で、ご自身の住まわれている物件、部屋が空き巣に狙われやすいかどうか、参考にしていただけたら幸いです。
人口比でみると、実は千葉県、福岡県、茨城県もかなり空き巣被害が多いことがわかります。
この3県は、愛知県と似たような理由が考えられると言えるかもしれませんね。
気を付けていいただきたいことは、なんだかんだと言っても、原則は「侵入するリスクに見合った対価を得られる物件」を最も重視しているはずです。
出来る限り「ローリスクハイリターン」を狙うのが最優先。
その可能性については前項で考えました。
しかし犯行に及ぶ人間の経験や心理状態によっては、「ハイリスクハイリターン」を当然のように狙ってくるはず。
そうなると、当然のように裕福そうな一軒家を狙うことでしょう。
そういう犯人は割合としては少ないとはいえ、どんな物件にも狙われるリスクはあると思ってセキュリティの意識を高く持っておいた方が良さそうですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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