ふるさと納税の偽サイトが横行している!
ふるさと納税は12月31日の締め切りに向け駆け込み納税が急増しています。
それを狙ったかのように、ふるさと納税の偽サイトが多数出現し、詐欺被害が出てきています。
偽サイトは2018年12月13日時点で20道府県で確認されています。
こうした偽サイトでお金を振り込んでも寄附されることはなく、返礼品も届きません。
ただお金を騙し取られて終わりです。
詐欺です。
最悪じゃないですか。
この記事では、横行する背景と具体的な偽サイトの例を示します。
波佐見市、新居浜市、飯島町の例と、古賀市の偽サイトの実物を細かくみていきます。
そこから手口、騙されないための確実な方法、見破る方法についてお教えしたいと思います。
偽サイト横行の背景とは?
何故12月に偽サイトが横行するのでしょうか?
まずは何故駆け込み納税が起こるのかについてお話します。
ふるさと納税はその年の1月1日から12月31日まで、年間を通じて何度でも申し込みができます。
その年の所得に対する寄付金控除を受けるためには、12月31日までにふるさと納税の寄付を完了(入金または決済)していることが条件になります。
もう少し細かく話すと、寄付金受領証明書に記載されている受領日(入金日)がその年の1月1日から12月31日になっている必要があります。
受領日は決済方法によって異なっており、入金した日か、決済完了日かになります。
入金の手続きは年内でも、確認できたのが年を明けてしまうと、翌年の寄附として扱われてしまうことで寄付金控除が翌年分になってしまうということも結構あるようです。
控除はされるのでこれを失敗と言っていいのかは分かりませんが、納税額は前年の所得に応じて変わるので、どうしても今年分の税金から寄付金控除したいという場合もあるのでしょう。
もちろん11月までにやっておけよ!とも思いますが、特に12月は地方自治体が旬の特産物でしっかり特色を出しやすいという点もあり、納税者もあえて12月まで待っているということもあろうと思います。
納税者の「待ち」と自治体の「囲い込み」ががっちり噛み合うのが12月なのでしょうね。
こういう事情もあり12月は駆け込み納税が起こっているわけです。
その中には多くの初心者も含まれています。
ふるさと納税をこれまでに使ってきた納税者は「ふるさと納税の意味」をある程度理解できていますが、盛り上がりに背中を押されて始めた初心者の理解度は低い状態です。
単純に「返礼品をお得にいただける」という観点だけで始めると、つい「割引」をしているWebサイトに引っ掛かりやすいことが考えられます。
こうした12月特有の事情から、偽サイトが多く出没していることが考えられそうですね。
それでは次項で、具体的に偽サイトの例として、長崎県波佐見市、愛媛県新居浜市、長野県飯島町の例を挙げていきます。
偽サイトの例
この項では長崎県波佐見市、愛媛県新居浜市、長野県飯島町の例を、偽サイトと本物サイトとの比較で挙げていきます。
長崎県波佐見市の例
偽サイト
本物サイト
image:楽天
波佐見焼という波佐見で生産されている陶磁器です。
北欧風でとってもお洒落ですね。
39点セットで200000万円というかなりの高額納税となります。
偽サイトでは画像をそのまま転用し、138000円に割引されています。
「特価販売中」がぎらぎらと点滅しておりぱっと見で怪しい雰囲気があるんですが、割引率の高さについ魅力を感じてしまうかもしれません。
愛媛県新居浜市
偽サイト
本物サイト
image:楽天
愛媛県といえばやっぱりみかんですね。
本物のサイトからそのまま画像を転載していることがわかります。
長野県飯島町
偽サイト
本物サイト
image:ふるさとチョイス
2kgの馬刺し50000円が37500円に割引されています。
もちろん画像はそのまま転用。
いかがでしたか?
特徴としては本物サイトから画像やテキストをまるごとコピーしてきているため、情報としてはあっているかのように錯覚させられるということです。
では、こんな偽サイトに騙されないための確実な方法はなんでしょうか?
騙されないために確実な方法
偽サイトに引っ掛かってしまうのは、ふるさと納税を扱う外部のポータルサイトが多数あることに一因しているでしょう。
ふるさと納税が開始された当初から「地方自治体で用意した特定サイトのみで実施」と周知されていたら、自治体を名乗っていないページが表示された段階で不審に思えます。
ところが、「ふるなび」「ふるさとチョイス」「さとふる」「楽天」などのように複数のポータルサイトが出来たことで、偽サイトが表示されても「新しいポータルかな?」程度に考えてしまうわけです。
実際に、前項でおみせした偽サイトの例で楽天が多かったのは、楽天の中にあるショップに偽装できることで偽サイトと判別付きにくくしているのでしょう。
とても悪質ですね。
こうした偽サイトに騙されないためには。
必ず市町村自治体の公式ページで確認してください。
そこには必ず、ふるさと納税を行っているポータルサイトのリストとURLが掲載されています。
これが最も確実な方法です。
ただ自治体の公式ページだとトップページからふるさと納税の告知ページに飛ぶのが面倒というせっかちな方もいることでしょう。
やっぱりGoogleやYahoo!で「〇〇町 ふるさと納税」のように検索したくなるものです。
それでももちろん、調べることはできます。
しかしどうでしょう。
「ふるさとチョイス」などの有名ポータルサイトが上位にヒットしますが、この中に偽サイトが紛れ込んでいたらどうしますか?
もしうっかり偽サイトかどうか分からないものを開いてしまった場合に、頭の片隅に入れておくだけで見破ることができる方法を次項に書いていきます。
見破る方法
偽サイトを開いたときに「偽サイトかも」とは思いづらいものですが、これを読んでおいてもらうだけでも、アンテナが1本余分に立つと思って置いてください。
(1) 自治体が返礼品の金額を割り引くことはありません!
偽サイトは公式なものに対して有利感を出すために割引価格にしていることが多いようです。
しかし考えてみて欲しいのですが、ふるさと納税は「税金」を納めているだけなんです。
納税に対するお返しが目的であり、商品を売りさばくことが目的ではありませんから、割引をするわけがないのです。
(2) 地方公共団体の住所や連絡先、メールアドレスなどの記載がない
納税なので当然、納付先の情報が記されていなければおかしいです。
(3) URL(Webページのアドレス)が不自然
昨今のEコマースでは、アドレスの先頭が「httpss:」になっているのは常識です。
もし「https:」なら怪しむべきです。
GoogleChromeなら「保護されていない通信」と表示されていることで判別できます。
またアドレス自体が不規則な英数字で出来ているようなのも論外です。
(4) 全体的につくりが粗い
本物のページからパーツをコピーして作っているため、画像などがボヤけていいることが多いようです。
ボヤけた画像があったら怪しんでください。
(5) 払込先が限定的なことが多い
一見、クレジットカードなどの複数の支払い方法を選べるようにしておいて、最終的には銀行振込だけになってしまうことが多いようです。
問題になったら口座を閉鎖して足取りを消すためです。
払込先も法人名ではなく個人名になっていることが多いようです。
また口座名義人と販売事業者名が異なる場合も危険です。
ただし必ずしも銀行振込とは限りません。
クレジットカードの入力ができるからといって偽サイトでやってしまえば、番号を盗まれてしまい最悪の被害を被りかねません。
これは他のネットショッピングサイトでも横行している詐欺の手口なので、今後出没してくることが予想されます。
(6) お問い合わせ先が個人名
信頼させるためにあえて個人名を出しているケースが多いようです。
運営主体が自治体なので、個人名になるのはおかしいです。
(7) 会社の住所、電話番号及びメールアドレスの記載がない
会社の住所と電話番号、メールアドレスを掲載することが義務付けられています。
メールアドレスがあったとしてもフリーメールの場合は要注意です。
いかがだったでしょうか。
この辺りをしっかり把握しておけば騙されずに済むはずです。
それでは次項で、具体的に実際の偽サイトを参考に説明をしたいと思います。
福岡県古賀市の実際の偽サイトを細かく見てみよう
今回調査していたところ、偶然現存している偽サイトを発見しました。
古賀市のものです。
前項の見破る方法を当てはめて眺めてみましょう。
※うっかり偽サイトを踏んでしまわないようURLは伏せさせていただきます。
「ピエトロシェフの厳選定期便 Piccoloコース」100000円が65000円に割引されていることが分かります。
これで偽サイトということは一目瞭然です。
「ふるさと納税専用ページです。注文内容確認画面に表示される「注文者情報」を住民票情報とみなします。」などの表記は楽天のページからそのままパクッており、事実が混在していることから騙されやすいのかもしれません。
ページをスクロールしてみると、以下のような感じでテキストの位置が正しく設定されていませんでした。
随所にみられる「つくりの粗さ」も見分けるポイントかもしれません。
楽天の本物ショップでこんな汚いつくりはあまり見かけませんね。
URLが「保護されていない通信」となっています。
information欄をみてみます。
まず「Shopping information」の画像がボヤけているのが分かりますか?
コピーしてきたパーツを引き延ばして使っているのでこのようにボヤけています。
また青い項目名を表示するバーの上半分がみ切れてしまっていますね。
公式サイトではありえないつくりの粗さです。
お支払い方法が「銀行振込」のみになっていますね。
また「★安全のために秘密にする。E-MAIL里告知する。」という謎の日本語が使われています。
外国人が作っている詐欺サイトにありがちな「謎の日本語」も詐欺に騙されないための重要なポイントです。
お問い合わせ先は住所と会社名は記載がありますが、窓口が個人名になっています。
またどこにも電話番号の記載が見当たりませんね。
どうでしたか?
前述の見破る方法で書いた内容がおおかた含まれていたのではないでしょうか。
※なおこの偽サイトは通報しています。
まとめ
実際の偽サイトでお分かりいただけたと思いますが、ふるさと納税の意味をきちんと理解していれば、スクロールするまでもなくサイトを離れるはずです。
しかしながら、初心者さんや高齢者の方の場合、どうしても割引に惹かれてしまったり、Webページの見破り方に気付けない場合も多いだろうと思います。
この記事がうっかり詐欺被害にあってしまわないように、お役に立てたなら幸いです。
参考:消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_020/
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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