大坂なおみ選手!おめでとう!
この記事は「二重国籍」を否定するための記事では無いことをお伝えしておきます。
あくまで「二重国籍」をどう考えるか、考える材料にしていただければと思います。
プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手(20歳)が全米オープンを制覇しましたね。
日本人男女あわせて史上初、まさに快挙を成し遂げました。
自然災害に怯え続けた2018年でしたが、本当に明るいニュースをもたらしてくれました。
特に平成30年北海道胆振東部地震で被災された方々には、元気づけられるニュースだったはずですね。
何しろ大坂なおみさんの日本での住民票での住所は札幌市ですから。
大坂なおみさんも、全米オープンは被災地への強い想いがあったことを明かしています。
今も辛苦に耐えている被災者の皆さんへの想いを力に変えながら、叫びたいときも「我慢」をしてプレーできたのかもしれませんね。
大坂なおみさんは二重国籍
そんな大坂なおみさんは二重国籍の状態です。
「テニス選手としての国籍」は日本を選択しています。
この二重国籍となるまではちょっと複雑。
父親はハイチ共和国南東県ジャクメル出身のハイチ系アメリカ人です。
母親は北海道根室市出身の日本人です。
両親は札幌で出会い、大阪府に転居。
大坂なおみ選手は1997年10月16日、大阪府で産まれました。
母方の祖父が札幌市に所有しているマンションが、日本での住民票での住所となっています。
2001年(4歳)のころにアメリカ合衆国へ移住します。
アメリカ合衆国は、二重国籍を認めているうえ、永住権を取得してから5年滞在すれば、国籍取得の申請ができるようです。
アメリカ市民権の申請資格として、まず永住権を取得してから5年を経過(米国市民と結婚した場合は3年)している必要があります。期間満了の3カ月前から申請を開始することができるので、永住権を取得してから4年9カ月(米国市民と結婚した場合は2年9カ月)を経過していれば申請の開始が可能です。また、この規定期間(5年ないし3年)のうち、合計してその半分(5年の場合は30カ月)以上は米国に滞在していなければならないため、もし米国を長期間不在にすると、市民権が取得できない場合があります。
出典:ロサンゼルス
母親が日本国籍を持っているため日本国籍を持った状態で産まれ、幼いころにアメリカ合衆国国籍(市民権)を取得したため、二重国籍になっているということですね。
大坂なおみ選手は、報道陣の取材ではいつも、日本人、アメリカ人、ハイチ人(父親の出身)のアイデンティティを強調されていますね。
そんな気遣いのできる素敵な彼女だからこそ、沢山のひとから愛されているのでしょう。
大坂なおみさんに迫る国籍選択
2018年(20歳)時点で、日本とアメリカ合衆国の二重国籍になっている大坂なおみさん。
「テニス選手としての国籍」は日本を選択していますが、そろそろ国籍選択を迫られます。
日本の法律により、22歳までに国籍を選択しなければならないためです。
大坂なおみさんは、2020年の東京オリンピックを日本人として出場することを目指すと明言しているため、ちょうど22歳のころです。
あと2年以内に日本国籍を選択し、完全に日本人になりそうです。
ところで、なぜ日本は二重国籍を許していないのでしょうか?
二重国籍を許せば、大坂なおみさんは面倒な手続きをしないで済みます。
住み慣れたアメリカ合衆国の永住権は所持しているのでいつでも住むことはできますが、様々な権利を失います。
権利がものを言うアメリカ合衆国では、グリーンカードでは不便という声も聞かれます。
ここからは、日本の国籍についてご説明していきます。
日本の国籍の特徴
image:コトバンク
日本の国籍の特徴をざっくりと言えばこんな感じでしょう。
・一定の期日までに日本か他国の国籍を選択しなければならない
・一定の期日以降、外国籍を取得する(帰化する、市民権を得る)と日本国籍は喪失する
・「血統主義」を基準とする
「血統主義」については以降でお伝えします。
以下は法務省から拝借いたしました図です。
出典:法務省
このように「選択」が求められるというところが重要です。
国籍を選択する期限が定められています。
適当な図が無かったので、法務省に記載されている情報を図化しました。
参考:法務省
日本国籍を選択する際には、以下の手続きが必要です。
大坂なおみさんはこの手続きをすることになるわけですね。
・外国籍を離脱する「外国国籍喪失届」の提出
・その国の政府や公館に相談
・「国籍選択届」を提出
ただしこの宣言でも外国籍を抜けたことにならない国もあるようなので、その国籍を離脱するよう「努めなければいけない」ようです。
宗教的な要素も絡みそうなので、ちょっと面倒な国もありそうですね。
外国籍を選択する際には、以下の手続きが必要です。
・戸籍謄本、住所を証明する書面、外国国籍を有することを証明する書面とともに、日本国籍を離脱する「国籍離脱届」を提出
・「国籍喪失届」を提出
日本で二重国籍が認められない理由
image:産経新聞
イギリスやフランスでは二重国籍を認めています。
日本で二重国籍が認められない理由は複数ありますが、主に以下の理由が納得性があると思います。
日本と、日本と利害が対立する国の両方で選挙権を有する状況を想像してみてほしい。二重国籍者は、日本の利益ではなくもう一つの国の利益のために、日本で投票をすることが可能になってしまう。
犯罪や脱税に悪用することも可能だ。二重国籍であるということは、日本国のパスポートを持ちながら、他国からもパスポートの発給を受けられることを意味する。複数のパスポートを使い分ける犯罪者の違法行為、脱税などを容易にしてしまう。
出典:北村調査事務所
つまり、主に犯罪予防や日本の国益を守るために、二重国籍を認めていないということが考えられそうです。
日本人の二重国籍者が生まれる条件
アメリカやカナダは「どこで産まれたか」を基準としていますが、日本は「誰の子か」を基準にしています。
これを「血統主義」と呼びます。
日本と外国の二重国籍となるケースは、以下のようなものがあります。
他にもありますが、主なものになります。
・日本人の両親が外国で出産
・父親が「血統主義」の外国人、母親が日本人
・出生後にその国の国籍法に沿って即座にその国の国籍を付与される(中東の国が多いようです)
・母親が日本人で、外国人の父親からの認知などで外国の国籍を取得する
つまり、母親が日本人だと「血統主義」で必ず日本国籍が与えられるため、どこで産まれたか、父親がどの国の出身か、といった条件によって、二重国籍になります。
二重国籍が増える背景
日本の二重国籍者の数は、推定で40~50万人いるとされています。
これは全国民のだいたい0.4%弱くらいになります。
一見少ないように思えますが、増加していることを加味して65歳以上の高齢者世代を除けばその割合はさらに増加するでしょう。
二重国籍が日本で増える理由について、以下のような説明がありました。
国籍法は、「期限までに国籍を選択しない場合、法務大臣が書面による催告をしてから1カ月以内に日本国籍を選択しなければ、日本国籍を剥奪できる」と規定している。行政がこの権限を発動していれば、二重国籍放置はありえない。だが、過去、日本国籍剥奪どころか、国籍選択の催告すら行ったことがない。問題の根本は、まさに行政の「怠慢」にあるのだ。
実際、日本政府は「戸籍から重国籍者を把握することが可能である」と答弁している。そして2008年の国籍法改正の際、国会で「重国籍のあり方について検討する」との附帯決議がなされたのに、問題が放置されたまま、二重国籍者は増加の一途をたどっている。
出典:北村調査事務所
つまり申告が無ければそのまま二重国籍になってしまうことを許してしまっているという状況です。
「日本の国籍の特徴」の項の赤字で示した部分をみていただくと分かる通り、「みなされる」「場合によっては」「努めなければいけない」のように、非常にpassiveな表現にとどめています。
これは二重国籍になっている諸所の事情を加味して意図的にそうしているのかもしれませんが、必然的に増加を助長する原因になっている側面がありそうです。
本当に全体像を把握できているかどうかも、もはや定かではありません。
そのため推定で40~50万人と、10万人も乖離するような、統計としておよそ意味の無い数値になっているのでしょう。
まとめ
大坂なおみ選手の視線は、2020年の東京オリンピックへ向いています。
そこで金メダルを獲ることが、次の彼女の目的としっかりターゲットオンされています。
その為にも、まずは日本国籍を選択する必要があります。
必ず金メダルをもたらしてくれるよう、これからも応援したいと思います!
さて、二重国籍の話に戻ります。
日本は積極的に海外から長期労働者を雇用していく政策をとるため、事実上の移民受け入れと指摘されています。
移民が増えるほどにコロニー化し、勢力を持ったコロニーは日本での権利を主張することが予想されます。
そうなると日本人と結婚し産まれた子供だけではなく、労働者にも二重国籍を認めるような運動が起こるかもしれません。
自分たちに有利な政策を掲げてくれる政治家を選びたい、選挙権を与えよと。
数が増えれば民主主義では動かざるを得ないでしょう。
これは自然な成り行きです。
日本の治安や国益のために二重国籍を禁止し続けるのか、移民受け入れによってなし崩し的に解禁していくのか。
これからの日本は多くの「選択」を迫られていきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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