カルロス・ゴーン容疑者の逮捕
image:ダイヤモンド・オンライン
2018年11月19日、カリスマ経営者の逮捕。
衝撃的な事件が起こりました。
日産のカルロス・ゴーン容疑者(64歳)です。
日産自動車(本社・横浜市)のカルロス・ゴーン会長(64)が自らの報酬を過少に申告した疑いがあるとして、東京地検特捜部が19日夕、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑でゴーン氏を任意同行したことがわかった。事情聴取し、容疑が固まり次第、逮捕する方針。過少申告した金額は億単位にのぼるとみられる。
出典:朝日新聞DIGITAL
その罪は、役員報酬で年間7.3億円と申告されていますが、実際は10億円をもらっていたというものです。
5年間では100億円のところを約50億円と大幅に少なく記載していました。
つまり報酬の虚偽申告です。
これは会長の解任動議が十分可能な罪状だと西川社長が話していたため、解任動議を前提に西川社長が指揮をとって動いていたことは推測できそうです。
カリスマ経営者の高すぎる報酬は問題視されてはいたものの、そこに明確な不正を指摘できたのは内部通報があったためです。
その内部通報はどうやら背後に司法取引があったのではと言われています。
いったい司法取引とはなんでしょうか?
誰が司法取引をしたのでしょうか?
内部通報、司法取引をした人物とは?
image:グッド!モーニングより
内部通報をした人物は守られる立場のため公表はされないはずです。
日産経営陣とも言われていますが、具体的なバイネームは絶対に出てこないでしょう。
今回の内部通報者は「司法取引」を行ったのではと言われています。
つまり内部通報をした人物、または組織が、何らかの罪に問われるところを、ゴーン会長らの不正の情報を引き換えに罪に問わないということになっている可能性があります。
これはいわゆる「日本版司法取引制度」が適用されたものです。
日本版の司法取引制度は、2018年6月1日から施行されており以下のような内容になっています。
日本版司法取引制度(協議・合意制度)とはどんな制度ですか。
日本版司法取引制度とは、検察官と被疑者・被告人およびその弁護人が協議し、被疑者・被告人が「他人」の刑事事件の捜査・公判に協力するのと引換えに、自分の事件を不起訴または軽い求刑にしてもらうことなどを合意するという制度です(刑事訴訟法350条の2~350条の15)。
司法取引という言葉は、海外、とくにアメリカ合衆国のドラマを観ているひとは割と分かっているかもしれませんね。
一つの例では、「24」というドラマで、主人公のジャック・バウアーが頻繁に犯人と司法取引を行っていました。
国益を優先しより大きな悪を裁くたために行われていました。
今回の内部通報をした人物、または組織が負っている罪は、ゴーン容疑者らの罪に比べて軽い場合、天秤にかけて重い方を取るというのは理に叶っている制度ではあります。
ただし注意したいのは、司法取引をした側が免罪されているという点です。
いったい何の罪があったのか、報道にも開示されずに消えていくのかもしれません。
今後の経過次第では、日産の経営にとって何か不都合なトラブルがあって司法取引をしたということが開示される可能性がゼロとは言えませんが、間違いなくバイネームでの開示はあり得ないはずです。
実は日産の役員もギリギリまで捜査についても明かされておらず、逮捕をもって知ったということのようなので、経営陣全体の意思で東京地検特捜部と司法取引をしたということではなさそうです。
いったい誰がどういう司法取引をしたのか。
2018年11月19日夜の日産西川社長の記者会見で、不正が見抜けなかった理由について報道から質問され、このように述べています。
一人に権限が集中し過ぎて
透明性を欠いた
ゴーン統治の負の側面
しかしながら、有価証券報告書というものは日産で作成するものです。
会計監査などで会社が気づかないはずは無いため、日産の会社としての責任を問わないという司法取引があったと考えるのは自然でしょう。
それを見て見ぬふりをさせていたのは、元弁護士だったグレッグ・ケリー容疑者(62歳)だったのかもしれません。
日産を守るためには、組織ぐるみのそしりを受けることだけは避けなければいけません。
西川社長は明言を避けていますが、言えるはずありませんよね。
とにかくゴーン容疑者とケリー容疑者の2人が首謀者で、他は騙されていた、気づけなかったという立場を強調し続けることになるでしょう。
今後、マスメディアでも一つの話題のテーマになってくるのかもしれません。
まとめ
image:グッド!モーニングより
ネットでは日産経営陣がゴーン容疑者を裏切った、などの推論が続々と出てきていますが、役員はギリギリまで知らされておらず驚いているとコメントが出てきていることから、経営陣がゴーン容疑者を売ったというよりは、極めて特定の極秘プロジェクトチームのような存在が動いて情報をリークしていたと考えた方が良さそうです。
それを行うメリットはといえば、やはりゴーン容疑者、グレッグ・ケリー容疑者に舞台から降りていただきたい理由があったからでしょう。
日産を食いつぶされると思ったのか、けた違いの役員報酬への嫉妬なのか。
その辺りの詳しい事情はこれから出てくればいいのですが。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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